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186/351

第186話 若殿様の再依頼

(9/2追記)

作者(:3)∠)「名前の読み方、区切り方に質問がありましたのでここで出しておきますねー」

幸貴ゆきたか

晴臣はるおみ

御美津宗玄秋津之介(おみつ、そうげん、あきつのすけ)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

作者<(_ _)>.「すみませんちょっと更新が遅くなりました」

ヘルニー≡Σ[布団]ε¦)「ごめんねー」

作者ヽ(゜Д゜)ノ「謝る気無いだろお前!」

ヘルニー≡Σ[布団]ε¦)「あるある作者が」

ヘイフィー ('、3)_ヽ)_「そして二度転生コミック三巻の発売日が遂に来週に近づきました!」

作者(:3)∠)「コミックス三巻は9/7発売です! 第一章完結編ですよ! 皆大好き魔人さんの華麗なるデビュー!」


いつも応援、誤字脱字のご指摘を頂きありがとうございます!

皆さんの声援が作者の励みとなっております!

 ◆幸貴◆


 ミナと別れ……別れた余は、叔父上の屋敷へと入っていく。

 すると屋敷の入り口に見覚えのある白髪の姿が見えた。


「ようこそいらっしゃいました、雪之丞様」


「おお、久しいな嘉島(かしま)の爺」


 この者は嘉島(かしま)舷之介(げんのすけ)、叔父上に仕える側近だ。

 なんでも叔父上が幼少の頃より仕えていたとの事で、戦場では阿吽の呼吸で互いを支えあっていたのだとか。


「はい、雪之丞様もお元気そうで何よりでございます」


「うむ!」


 嘉島の爺が「若」でも「幸貴」でもない、馴染みのある名で余を呼ぶ。

 陽蓮(ようれん)雪之丞(ゆきのじょう)、それが余の本当の名前である。

 故あってミナには教える事が出来なんだがな。


「ささ、立ち話もなんですから中にどうぞ」


 嘉島の爺に案内され、余は屋敷の中へと進んでゆく。

 幼い頃より何度も来たことのある屋敷故、嘉島の爺の案内など無くとも目的の部屋へ向かうのは造作もない。

 とはいえ、成人した身でその様な無作法な真似をすれば、晴臣がうるさいだろうがな。


「ではしばしお待ちくださいませ。お館様もすぐにいらっしゃいますので」


「うむ」


 嘉島の爺に案内された部屋に腰を下ろすと、一気に疲れが襲ってきた。

 どうやらこれまでの旅は相当に余の心を疲弊させていたとみえる。静かな室内が猶更眠気を誘発させる。


「若、御美津様が来るまでお休みになられては?」


「いや、叔父上の事だ、爺の言葉通りすぐに来るだろう」


 まだ叔父上に事情を説明しておらぬからな、ゆっくりするのはその後だ。

 幸いにも、疲れとの戦いは極短い時間で済んだ。 


 というのも、この屋敷には珍しく慌てた様子の足音が近づいてきたからだ。

 襖が勢いよく開け放たれ、大柄な体が室内に入ってくる。


「おおっ! 久しいな雪之丞! 壮健であったか!?」


「叔父上! お久しぶりでございます!」


 やって来たのは初老の男。余の叔父である御美津(おみつ)藩藩主、名を御美津(おみつ)宗玄(そうげん)秋津之(あきつの)(すけ)殿という。


「よう参った雪之丞!」


 叔父上は突然やって来た甥に嫌な顔をすることなく、笑顔で余を歓迎してくれる。


「都での騒ぎを聞いた時は驚いたが、お主が無事でよかったぞ」


 叔父上の言葉に、安堵していた余の心が引き締まる。


「叔父上、その件でお伝えしたいことが」


「む?」


 余の雰囲気を察した叔父上が、好々爺然とした表情を武人のそれに変える。


「ふむ、どうやら並々ならぬ厄介事に巻き込まれたようだな」


「はい。ことは将軍家、ひいては将軍家と血の繋がりのある叔父上にも関わる事です」


 寧ろ、この天峰の地全てを巻き込むと言っても過言でない。


「やれやれ、儂の様な爺にまで関わりがあるとは、相当な大事のようじゃな」


 叔父上はどっかりと座布団に腰を下ろすと、余に話を続けろと目で促す。


「はい、叔父上もご存じでしょうが、余の父である将軍(よう)(れん)()(てん)がお隠れになられました」


 そう、余の父はこの国の最高指導者である将軍である。

 この国は(みかど)と呼ばれる王が頂点にいらっしゃるが、帝は天峰の国土を災害から守る事を優先されている為、(まつりごと)は将軍と呼ばれる者が代わりに行う。

 つまり将軍こそがこの国の実質的な最高権力者なのだ。


 余が追手に命を狙われた事、そしてミナに余の本名を教える事が出来なかった理由がそれである。


 そして余の父が亡くなったあの日から、全てがおかしくなった。


「兄上の訃報は聞いておる。よもやあの兄上が儂より先に逝かれるとはな……新年の挨拶でお会いした折には、とてもその様な事になるとは思ってもいなかったのだがな」


 叔父上が遠い目をして宙を仰ぐ。

 父上の事を思い出しているのであろう。


「はい、私も驚きました。ですが余も将軍の子。ゆっくり悲しんでいる暇などありません。急ぎ父の葬儀と次期将軍の座を襲名する為の準備を行おうとしました」


「であるな、将軍不在の時間が長くなれば、国が揺らぐ。……だがそれは行われなかった。そなたは行方不明となり、将軍の葬儀は筆頭家老である山桜小路(さんおうこうじ)左京之介(さきょうのすけ)が執り行った」


「おっしゃる通りです」


 余と叔父上の間に、僅かな沈黙が生まれる。


「……何があった?」


 しかし叔父上は時間が惜しいと沈黙をかき消して余に続きを促す。


「……城の中で、賊に襲われました」


「何っ!?」


 叔父上が驚くのも無理はない。

 余や父上が暮らしていた華厳城は将軍を守る為の城。故に警備は国で最も厳重と言われ猫の子一匹入る隙間は無い。


 更に華厳城に勤める武士達はいずれ劣らぬ腕前の者達。

 生半可な刺客では運よく潜入出来たとしても、すぐに巡回の武士達に見つかって切り捨てられる。

 その城に賊が侵入したのだ、叔父上の驚きも当然と言えるだろう。


「幸い、晴臣のお陰で命は助かりました。しかし賊はかなりの手練れで家臣達が命を懸けて時間を稼いでくれなければ、余も父の後を追っていたところです」


「なんと、それ程の手練れが……」


「少ない手勢で城に戻るのも危険と判断し、余は晴臣達残った家臣と共に叔父上に協力を仰ぐために素性を隠して逃げる事にしたのです」


「そうであったか。兄上を失ったばかりだというのに、随分と苦労したのだな」


「いえ、全ては私の未熟故です。賊に後れを取りさえしなければ山桜小路(さんおうこうじ)めの好きにはさせなかったものを!」


「ぬ? 何故そこで山桜小路殿の名が出るのだ?」


「……それは、余を襲った犯人が山桜小路だったからです!」


「何だと!? 誠か!?」


 山桜小路左京之介。将軍家に仕える筆頭家老にして、その血は神事を司る神官の一族とも繋がりのある重鎮中の重鎮だ。

 本来なら父……将軍を失った余を補佐して、新たな将軍を支える筈の者。


「はい、余を襲った賊の中に山桜小路の手の者がいる事を晴臣が確認しております」


「それは誠か晴臣?」


 叔父上に問われ、今まで沈黙を保っていた晴臣が沈痛な面持ちで頷く。

 晴臣としても、父上の側近であった山桜小路が余を襲ったと告げる事は憚られるのであろう。

 

「はい。倒した賊の中に、山桜小路様の屋敷で働いていた者達がおりました」


「なんと……よもや筆頭家老ともあろう者が……」


 叔父上が信じられぬと額に手を当てる。


「父上の死の直後にそれです。もしかしたら父上の死すらも山桜小路(さんおうこうじ)の企みだったのやもしれませぬ」


「ま、まさかそれはいくら何でも……あの堅物の山桜小路(さんおうこうじ)殿が……ううむ、にわかには信じられぬ……」


 叔父上が困惑するのも無理はない。

 山桜小路と言えば、堅物で有名な男だ。

 たとえ将軍である父上の指示であっても、それが適切なものでなければ正面から反対する程の堅物男。

 それゆえに、父上からは信頼されていたのだが…… 


「ですが秋津之(あきつの)(すけ)様、現にこの国の(まつりごと)山桜小路(さんおうこうじ)殿が差配している状況です」


 叔父上が余の言葉に困惑しているのを察した晴臣が、現実には山桜小路が政を支配している事実を突きつける。


「その通りです叔父上。奴めは逃げる余が次代の将軍を襲名出来ないのを良い事に、国を好き放題しておるのです。事実奴の息がかかった藩主達はこの御美津藩に通じる関所を封鎖同然の厳重な体制にしておりました。幸い晴臣のお陰で何とか関所を抜ける事が出来ましたが、でなければ叔父上の下へたどり着く前に捕らえられていた事でしょう」


 むぅと叔父上が渋面になって唸る。


「確かに、数日前から隣の賀潟(かがた)藩より来る旅人の数が減ったとの報告があったが、そのような事情であったとは……」


 やはり叔父上にも思い当たる節があったか。


「叔父上、余は将軍を襲名し、山桜小路(さんおうこうじ)めから筆頭家老の地位を取り上げるつもりです。その為にどうか余に力をお貸しください」


 山桜小路より国を取り戻すには、余が将軍の座に就くよりほかない。

 その為にも将軍の実弟であり、筆頭家老である山桜小路に対抗できる国内有数の権力を持つ叔父上の力が必要なのだ。


「むぅ、そうさのう……」


 叔父上は目を閉じてしばし考え込む。

 だがすぐに目を開けて余に鋭い視線を向けてきた。


「良いじゃろう。山桜小路(さんおうこうじ)殿の件については精査が必要じゃが、将軍不在の今新たな将軍の誕生は急務じゃ。儂もお主の将軍襲名に協力するとしよう」


「ありがとうございます叔父上!」


 おおっ! 叔父上が動いてくれるならば、鬼に金棒!

 山桜小路の専横など恐れるに足りぬ!


「そうとなれば急ぎ将軍襲名の為の儀式に向かいましょう!」


 将軍襲名の為には帝の許可が必要だ。

 何しろこの国の本来の主は帝なのだからな。

 手間ではあるが、本来の王である帝ではない者が国政を担うのだ。

 その為の手続きはどうしても必要となる。


 だが叔父上は余を諫めるようにゆっくりと首を横に振る。


「慌てるでない。将軍を襲名するのであれば、準備が必要じゃろうて。なにより、新しい護衛を探さねばならぬ。将軍家の護衛すらも相手にならぬ腕利きの刺客がおるのなら、こちらも実力者を探さねばならぬ。とはいえ、それ程の腕を持つ者となると、探すのは困難であろうなぁ……」


 むっ、確かに。華厳城を守っていた武士達はこの天峰でも有数の猛者たちばかり。

 彼らに匹敵もしくはそれ以上の力を持つ者などそうそう簡単には……と、そこで余はある者の顔を思い出す。


「それについては心配要りませぬ! 余に心当たりがあります!」


「ほう? それほどの達人が居ると言うのか?」


「はい。その者は余を襲う賊をたった一人で倒した剛の者です。その者の協力を得る事が出来れば、護衛の心配はありませぬ!」


「若、もしやその者とは……」


 晴臣も思い至ったのだろう。眉を顰めて余に問うてきた。


「うむ、勿論あの者だ!」


 ◆ミナ◆


「ふー、まさかこんな所でレクスの手掛かりがあるなんてね」


 越後屋で売られている商品を見た私は、それを作った職人がレクスでないかと辰吉さんに質問した。

 すると辰吉さんは、レクスから私達を探してほしいと頼まれたと教えてくれた。

 私の名前を聞いた時に含みを感じたのはそれが原因だったみたい。

 そして私がレクスの探しているミナ本人なのかを確認しようと様子を見ていたら、私の方からレクスの名が出たという次第だった。

 

「となると、次の目的地はレクスのいるハトバの港町かしらね」


「ミナさん、それなのですが……」


 と、私が今後の方針を考えていると、辰吉さんが言いにくそうに声をかけてくる。


「どうしたんですか辰吉さ……」


「ミナ殿!」


 その時だった。突然店に入ってきた誰かが私を呼んだの。


「貴方は……晴臣さん?」


 そう、私を呼んだのは幸貴の護衛の晴臣さんだった。

 というか、異国の地で名前を呼ばれたもんだから、てっきり仲間が私を探しに来たかと思ってビックリしたわ。


「私に何か御用ですか?」


 すると晴臣さんは苦々しい顔で頷く。

 うーん、私この人に嫌われているのかしら?


「それが……若様が貴公に再度依頼をしたいと仰せなのだ」


 ……おっと面倒事の予感だわ。


 ◆


「改めて護衛の仕事?」


 晴臣さんに連れてこられたのは、ついさっき幸貴を送り届けたばかりの藩主の屋敷だった。


 案内された部屋には、幸貴と大柄なお爺さん、それに細身だけど油断ならない気配の品の良いお爺さんの三人が居た。


「雪之丞よ、この者達がお主の言う腕利きとやらか?」


 見覚えのない大柄なお爺さんが、私達を見て首を傾げる。

 幸貴を呼び捨てにするって事は、この人が叔父さんって事かしらね?

 あと、やっぱり幸貴って偽名だったのね。


「はい叔父上。こちらのミナが余の命の恩人です。余の護衛達の命を奪った追手を、たった一度の魔法で殲滅してみせたのです」


「なんと、術師であったか」


 私が魔法使いだと分かると、幸貴いえ、雪之丞の叔父さんは納得がいったと頷く。


「ではそちらの者が武士か? 刀を持ってはおらぬが?」


 武士ってのは確かこの国の騎士の事だっけ。まだこの国に来て数日だけど、私もだいぶこの国の情報に慣れてきた気がするわ。


「ええとあっしは……」


 と、ゴブンがちらりとこっちを見てくる。

 ああ、そういえばコイツは私の護衛役っていう設定で連れてるんだった……けどよく考えると海賊なのよねコイツ。


「ええと、コイツは武士じゃなくて海賊なんです」


「「「何っ!?」」」


 戦力として数える予定だった筈が海賊だと言われて雪之丞達が目を丸くする。


「どういう事だミナよ!?」


「えーとね、コイツ等は自分達の船を貿易船と偽って私と仲間を誘拐して奴隷商人に売り払おうとしてたのよ。で、私の仲間が返り討ちにして、罪滅ぼしとしてこの国まで運ばせたって訳」


「なんと……」


「その様な事情が……」


 隠していた事情を聞き、雪之丞と晴臣さんが唖然としているなか、一人大笑いする人物がいた。

 そう、雪之丞の叔父さんだ。


「ははははははっ!! 海賊を返り討ちにして足代わりに使うとは! 何とも痛快! さすがお前の見込んだ娘よな!」


 実際に返り討ちにしたのはレクスだったんだけどね。

 それにしても、雪之丞達が困惑している中一人だけ大ウケするなんて、意外と肝が据わってるわねこの人。


「周囲を海と敵に囲まれた戦場で地の利がある海賊相手に一歩も引かなかったとは見事! 成る程確かにこれは期待が持てると言うものだ!」


「し、しかし何故海賊共を連れ歩いていたのだ? この天峰の地までくれば帰りは安全な船に乗れよう? もはや海賊共に用はないのでは?」


「あーそれがね、この国に到着する直前に嵐に遭ってね、その時に船から落とされちゃったのよ。で、コイツと一緒になんとか上陸できたもんだから、道案内として使っていたの」


 さすがに海に落ちた海賊を助けようとしたとは言えないものねぇ。今になって考えると、ほんと馬鹿な事したもんだわ。うーん、私もレクスやジャイロの事を馬鹿に出来ないわね……


「成る程な。それならば納得がいく。あの嵐は我々天峰の者も困らされておるからな」


 って事はやっぱりこの国の人間も良く分かってないのね、あのおかしな嵐。

 そして困らされているって事は、一度や二度の事じゃないと。

 これはレクスが言っていた通り、普通の嵐じゃないみたいね。


「ではその者はもう捕らえても良いのではないか?」


「へっ?」


 晴臣さんに指摘され、ゴブンが顔を青くする。


「あー、まぁ確かにそうね」


「あっ、姐さぁーん!?」


 いやそんな必死な目で見られても。アンタ等私達を売り払おうとしたじゃない。

 ……まぁ、一応この国の情報を色々教えてくれたし、この国まで運んでくれたから、命だけは助けてもらえるように頼んではみるつもりだけど。


「まぁ待て待て。そう殺気立つな晴臣」


 と、そこで仲裁に入ってきたのは雪之丞の叔父さんだった。


「お主、海賊であったと言う事は船の扱いには慣れておるのか?」


「へ、へい! 船の扱いなら誰にも負けませんぜ!」


「ほう、それは心強い。うむうむ」


 雪之丞の叔父さんは、何かを企んでいる様な笑みを浮かべる。


「よかろう。ではお主、儂の船の下働きになるが良い」


「へっ!?」


「え!?」


「叔父上!?」


秋津之(あきつの)(すけ)様!?」


 予想外の発言にこの場に居た全員が驚きの声をあげる。


「件の嵐の影響で多くの船乗りが命を落としておる。故に特例としてお主には船乗りとして働くことで罪を償ってもらおう。本来海賊は縛り首じゃからな。それを考えればかなりの恩情措置と言えるじゃろう?」


「へ、へい! 縛り首でないのならどんな仕事でもしまさぁ!」


 うーん、悪くない結果だけど、貴族にしては随分と甘い処置にも思えるような……?

 こっそり逃げ出したりしないのかしら?

 そしたら私の考えを察したのか、雪之丞の叔父さんは私の方を見て笑みを浮かべる。


「無論この者が逃げ出さぬよう、呪術で枷を与える。また海賊を捕らえたお主にはこの海賊が働く事で得られるであろう給金を対価として与えよう。これは海賊捕縛の報酬であると同時に、不足する船乗りを融通してくれた謝礼でもある。どうじゃ?」


 ああ成る程、ゴブンを活かすのはこっちへの配慮も兼ねているのね。

 自分は不足する船乗りの補充をして、私には人材提供の礼をと。

 多分コレ、雪之丞を助けた事のお礼も兼ねているんじゃないかしら?


 うん、それだったら海賊の処理を任せられるし、お金も手に入るから一石二鳥ね。

 まぁ捕まえたのはレクスだから、あとでレクスに渡さないとだけど。


「分かりました。そういう事でしたらこの海賊の身柄はお任せします」


「うむ。嘉島、この者を海軍の罪人詰所に連れていけ」


「畏まりました旦那様」


「姐さん、御達者でー!」


 嘉島と呼ばれたお爺さんに連れられてゴブンが部屋から出ていく。

 何か変に懐かれたわね。


 ゴブンが出ていった事で、会話が一旦途切れる。


「さて、ではそういう事で我が甥を頼むぞお嬢さんや」


「ちょっ! まだ仕事を受けるとは言っていないんですけど!?」


「何!? 受けてくれんのか!?」


 あたりまえだっての! 

 ここに来てからまともに話した事って、ゴブンの処遇だけじゃないの!


「晴臣さんからどうしても来てほしいと頼まれてやってきましたけど、そもそも護衛を受けるとは言っていません。そもそも、私じゃないといけない理由はないでしょう。この城には私よりも強い人なんてゴロゴロ居ると思いますし」


 少なくともこれだけの広さの屋敷を持つ領主なんだから、結構な腕利きを雇っている筈。

 わざわざ私みたいな小娘を頼るとは思えないのよね。

 すると雪之丞が声をあげる。


「ミナよ。追手から余を庇って命を失った護衛達は、この国でもかなりの腕前の武士だったのだ」


「え? そうだったの?」


「うむ。長い逃亡の疲れと数による不利もあったが、それでも我が国の精鋭が不覚を取ったのだ。それゆえ叔父上も下手な者を護衛にする事は出来ぬと困っていたのだ。だが、お主はそんな追手を軽々と打ち倒した。それゆえそなたに再び力を貸してほしいのだ!」


 雪之丞が興奮した様子で私に頼み込んでくる。

 これは……成る程そういう事ね。


 つまり雪之丞は勘違いしているんだわ!

 恐らく追手は殺された雪之丞の護衛によってかなりの痛手を負っていたんでしょうね。

 だから私の魔法であっさりと倒された。


 恐らく相手はこの国有数の護衛を倒したという自信と、しゃしゃり出てきたのが私のような小娘だったことで慢心していたのね。

 この程度の小娘が相手なら、もう一戦くらいしても大丈夫だろうって。


 けどそれが追手の命取りになった。

 そして護衛の実力を信じていた雪之丞だからこそ、私の実力を過大評価しちゃったのね。

 いくら私も成長したとはいえ、国一番の腕利きの戦士達より強いなんて自惚れてはいないし。


 うーん、これは状況が生んだ盛大な勘違いって奴ね。

 雪之丞の叔父さんも、雪之丞から得た曖昧な情報の所為で勘違いしてるっぽいわ。あとレクスの武勇伝の所為で。

 なんとか穏便に断る事にしないと。

 勘違いで危険な依頼を受けるわけにはいかないものね。


「事情は分かりました。ですが私ははぐれた仲間と合流しないといけませんので」


「仲間? おお、そういえばお嬢さんは異国の民だったな。では今はその仲間とやらを探しておるのか?」


「はい。嵐ではぐれた仲間の一人が居る場所が分かったので、まずはそこに行こうと思っています」


「ふむ、その仲間はどの町に居るのだ? お嬢さんが望むなら馬車を出すぞ」


 馬車かぁ、正直飛行魔法を使った方が早く着くのよね。

 とはいえ、貴族の厚意を断るのも失礼よね。


「仲間が居るのはハトバの港町というところだそうです」


「ふむ、ハトバの港町というと、隣の領地の中ほどにある町だの」


 うん、町の位置は辰吉さんから教えて貰った情報の通りね。


「ただのう、お主には申し訳ないが、隣の領地への関所は事実上の封鎖がされておるのじゃ」


 と雪之丞の叔父さんが申し訳なさそうに告げる。


「封鎖ですか?」


「うむ。何でも領内で危険な賊が出没しておる故、他領に逃げ出さぬように封鎖しておるとの事じゃ。一応馴染みの商人が金を払えば通してもらう事は出来るようじゃが、異国の民のお嬢さんでは通して貰えんじゃろう。下手したら賊の仲間と勘違いされるやもしれぬ」


 あーっ、さっき辰吉さんが言い淀んでいたのはそういう事だったのね!


「じゃが、賊云々は建前じゃろうな。目的は雪之丞が自由に移動できない様にする為じゃ」


「えっ!?」


 ここで雪之丞の事情が絡んでくるの!?

 あっ、この人このままなし崩しに依頼を受けさせる気だわ。

 そうはさせないわよ。

「ええと、護衛と言われましても、雪之丞(・・・)()を誰から守ればよいのかも聞いておりませんので」


 私はあえて幸貴ではなく雪之丞と強調しつつ、コイツ誰かに狙われているんだろうとカマをかける。


 状況的に魔物や盗賊相手の護衛じゃないのは間違いないし、場合によっては相手が悪人じゃない可能性すらあるのよね。


「おっと、そうであったな。確かに仕事を頼むのであれば、内容の説明と報酬はしっかり伝えんといかんのう……なかなかしっかりしたお嬢さんじゃ。ところで雪之丞は何故そんなに落ち込んでおるのだ?」


 言われて雪之丞を見ると、何故か彼は見て分かる程落ち込んでいた。


「ゆ、雪之丞様……い、いえ。気にしないでください叔父上。それよりも話の続きを」


 何かショックを受ける事があったのかしら?


「ぬ? そうか? ではまず依頼内容だが、これは簡単じゃ。ざっくり説明すると、雪之丞は一族の頭領でな。亡くなった父の座を継ぐために儀式をせねばならんのだ。しかしそれを良く思わぬ者達が邪魔をしているのが今の状況じゃ。隣の領主もその者達に唆されて関所を封鎖しておるのじゃろう。何しろ、儂の部下からは隣の領地を荒らす賊の情報など何ヶ月も聞いてはおらんかったからの」


 ああ、既に情報を入手済みだから盗賊云々が出鱈目だと分かっていたのね。

 けど内容としてはよくあるお家騒動って感じなのよね。


 いや平民の私が貴族のお家騒動に巻き込まれるって相当なんだけど。

 いけないいけない、最近ちょっとスケールの違う事件に巻き込まれ過ぎて感覚がマヒしてるわ。


「それ故お嬢さんには雪之丞を儀式の地まで護衛と儀式が邪魔されぬよう見張りをしてほしい」


「儀式が終わったら依頼は達成ですか?」


「いや、念のため儀式が終わったあとこの屋敷まで雪之丞を連れて帰ってほしい。それで依頼は完遂じゃ」


 依頼内容は一般的な護衛依頼と変わらないわね。

 ただ相手が国一番の戦士を倒すほどの凄腕って事なのよね。

 やっぱり依頼を受けるにせよ断るにせよ、レクスと合流するのが最優先だわ。関所の封鎖に関してはまぁ何とか出来そうだし。


「報酬だが、金貨1000枚でどうじゃ?」


「1000!?」


 予想外の大金に思わず驚く。

 っていうか、護衛依頼で金貨1000枚は流石に多すぎでしょ!?


「うむ、そしてもう一つ。先ほどはぐれた仲間の一人と言っておったの。という事は他にも仲間がおるのじゃろう? その仲間の行方を捜すのを協力しよう。関所を封鎖しておる領主は他にもおるらしくてな、お嬢さんの仲間も合流には四苦八苦しておるじゃろうて。どうじゃ? 無事依頼を達成すれば関所の封鎖は解かれ仲間と合流しやすくなる。一挙両得じゃろう?」


「むむ……」


 確かに、雪之丞の護衛をしたのも、この町に皆が居ないか確認する為だったものね。

 私が雪之丞の護衛をする事で関所の封鎖が解けるなら、皆も大手を振って合流の為に東国を移動できるか。

 そう考えると、関所が封鎖されている原因の解決に関われるのは運が良かったのかも。

 特にジャイロとか、放っておいたらどんな騒動を起こすか分からないものね。


「目的地はどこなんですか? ここから何日かかるんです?」


 とはいえ、どれだけ拘束されるか分からないとうかつに仕事を受ける訳にもいかないわ。

 

「うむ。目的の場所はこの国の中央にある霊峰アマツカミ山の麓じゃ。そこに儀式の場がある。ここからじゃと馬で3日なのだが、いかんせん関所がある以上素直に馬での移動は難しいじゃろうな。そうなると歩きなれない獣道を通って関所を抜ける必要がある故、徒歩で片道8日と言うところか」


 うわっ、結構拘束されるわね。往復で半月もかかるじゃない。聞いておいてよかったわ。

 しかも妨害がある事を考えると、もっとかかりそうよね。

 

 うーん、状況を総合的に考えると、この依頼受けた方がメリットが多いのよね。

 でも私一人だと不安要素も多い。っていうか私魔法使いだし、このメンツだと前衛が晴臣さんしかいないじゃない! 雪之丞は護衛対象だから論外だし!

 となるとやっぱり……


「……その依頼を受ける場合、直接目的地に行くよりも、別の道で行く方が良いと思います」


「ふむ? どういう事じゃ?」


「まずはハトバの港町に行って、私の仲間の一人と合流します。そうすれば、戦力が大幅に補充できます」


「大幅とな?」


「はい、そこにいる仲間は私よりも強いですから」


「ミナよりも強いのか!?」


 私よりも強いと言われ、雪之丞が驚愕の声をあげる。

 私よりも強い人間なんて沢山いるんだけどね。


「ええ、私達の師匠レクスが居るわ。護衛が必要なら、彼以上の適任は居ないわ」


「ふむ、お嬢さん以上の腕利きが居るとは世の中は広いの。そのレクスという御仁、ぜひとも手合わせしてほしいものじゃ」


「いや絶対死にますからやめてください」


 雪之丞の叔父さんがレクスと戦いたいなんて言うから、私は慌てて止める。

 レクスと戦ったら命がいくつあっても足りないわよ!?


「しかしハトバの港町まで行っては時間がかかりすぎるのでは? ここは少数精鋭でアマツカミ山に行くべきでしょう」


 そんな事を話していたら、晴臣さんが話題を引き戻す。

 晴臣さんはレクスとの合流を無駄な時間と思っているみたいね。

 まぁ気持ちは分かるけど。


「いや、ありかもしれんぞ晴臣」


「秋津之介様!?」


 けれどそんな彼に対し、雪之丞の叔父さんが私の案をアリだと言う。


「戦力が増えると言う事もあるが、ハトバの港町経由で霊峰に向かうのは良い目くらましになるやもしれぬ。連中も我らが急ぎ雪之丞に後を継がせたいと思っておるだろうからな。わざわざ遠回りするとは思うまい。逆に回り道の方が警備が手薄かもしれぬ。本当に黒幕がかの御仁なら、既に雪之丞が儂の下にたどり着いたと気づいて居るだろうしな」


「た、確かに……」


「いや、反対です!」


 けれど、何故かそこで雪之丞まで反対し始めた。

 

「我等だけで行きましょう! その方が余計な時間がかからなくていいですよ叔父上!」


「いや雪之丞よ、お嬢さんが太鼓判を押す実力者じゃぞ。ここは戦力の確保を重視した方が良かろう」


「いえ、戦力なら十分です! 他の男など不要です!」


「お主、まさか……」


「若……」


 すると雪之丞の叔父さんと晴臣さんは雪之丞の言葉から何かを感じ取ったのか、呆れたような眼差しで彼を見る。


「まったく、この非常時に何を考えとるかと思ったら……まぁそのくらいの方が次代を継ぐにはちょうど良い肝の太さなのやもしれぬな」


 え? どういう事?


「だがならぬ。優先順位を見失うな。まずは確実にお主が儀式を成功させる事こそ最優先とせよ。女に良い恰好を見せたいのなら、それに相応しい落ち着きを見せるのだな」


「う、うう……」


 雪之丞を沈黙させると、彼の叔父さんが私に視線を向けてくる。


「よし分かった。ではまずはお嬢さんの仲間と合流するが良い。確実に協力を仰げるよう仲間の分の報酬も出そう。そして戦力が整い次第、国の中央にある霊峰アマツカミ山を目指すのじゃ!」


 こうして私は仲間達と合流する為、新しい依頼を受ける事にしたのだった。


 ◆


 依頼を受けて数日後、ようやく儀式の準備が出来たことで私達は動きだした。

 まずは隣の領地にあるハトバの港町を目指すんだけど……


「うーむ、これは厳重だな」


 うん、隣の領地に入る為の関所はとても厳重で、関所に向かった旅人達の多くが追い返されているようだった。


「越後屋さんに頼んでハトバの町へ連れて行ってもらえないかしら?」


「いや、恐らく馴染みの従業員でなければ追い返されるであろうな」


 うーん、厳重ね。


「前はどうやって関所を抜けた訳?」


「うむ、あの時は関所から離れた、人の移動が困難な獣道を通ったのだ。かなり大変であったが、おかげで無事御美津藩の領内にたどり着く事が出来た」


「じゃあ今回も同じ方法で?」


「いえ、それは無理でした」


 そこに偵察から戻ってきた晴臣さんが会話に加わってくる。


「どうであった?」


「はっ、領地間の境界線に沿って一定間隔で兵が配置してあり、更に間を巡回する騎馬もおりました。これでは関所を避けての越境は無理かと」


 かなり厳重な警備ね。


「アマツカミ山へ向かう道から離れている割に厳重ではないか?」


「もしかしたら、我々が獣道を使った事がバレたのかもしれませぬ」


 なるほど、同じ手は使わせないと知らしめるために、この御美津領を囲んでいるってことかしらね。 

 これ、雪之丞の叔父さんが言った通り、雪之丞がここに居るってバレてるわよね。


「むぅ、これは困ったな」


「こうなると、夜闇に紛れて忍び込むしかありませんな。ただ、焚火台と見張りがお互いに確認できる位置に配置されておりますので、夜に動くとしても発見される可能性は高いと思われます」


「となると、叔父上の仕込みに頼った方が良いか」


 雪之丞の言う仕込みとは、彼等に似せた囮を用意する事。

 そして囮をわざと発見させてその隙に私達は獣道を抜けると言う算段。


「しかしこれだけ見張りが多いと、持ち場を離れない可能性もありますな。最悪敵は我々をこの地に長期間封じ込めればよいのですから」


「だがやるしかあるまい。長く手をこまねいていれば、それだけ奴めの力が増す」


 晴臣さんの言葉に、雪之丞が真剣な顔で呟く。

 うーん、流石にこれは悪い方向に気合が入りすぎてるわね。


「ねぇ、見つからずに領地の境界線を越えればいいのよね?」


「うむ。それが一番だが、こうも厳重ではそれも難しかろう」


「いえ、方法はあるわ」


「何っ!?」


 まさかこの状況をなんとか出来る作戦があると思っていなかったらしく、雪之丞が驚きの声をあげる。


「本当に何とかなるのか!?」


「に、にわかには信じられませぬぞ!?」


「たぶん大丈夫よ。まずは夜になるまで待ちましょう」


「……分かった。ミナの策をやってみる事にしよう」


「よろしいのですか?」


「どのみち囮を使うにしても夜まで待つ必要がある。他に良い方法があるのなら、まずはそれを試してからでも良かろう」


「……はっ。若の仰せの通りに」


「うむ。頼りにしておるぞミナよ」


「ええ、任せて」


 さて、それじゃあ夜になるのを待つとしますか。


 ◆


「お、おおぉーっ!?」


 雪之丞が興奮の声をあげる。


「ちょっ、静かにして! 見つかるわよ」


「す、すまぬ。だが余も空を飛ぶ経験は初めて故にな……っ!?」


 そう、私の提案した方法とは、空を飛んで関所を越える事だ。

 私達の国でも飛行魔法は失われた技術だったのだから、異国であるこの国でも同様だろうと思ったのが理由。

 そしてその考えは正解だった。

 生まれて初めて空を飛んだ雪之丞は最初こそ驚いたものの、今では子供の様にはしゃいでいる。


「はい到着。すぐに晴臣さんも連れてくるわね」


「う、うむ。頼むぞミナよ。しかし空を飛ぶ魔法とは凄いな! そんな魔法は初めて体験したぞ! よもや異国人は皆空を飛べるのか!?」


「……い、いやいや、空を飛べる人間なんてそうそう居ないわよ」


「ではやはりミナは凄腕の魔法使いなのだな!」


 雪之丞がキラキラした目でこっちを見てくる。


「いやいやいや、私はそんな大した人間じゃないから。私に魔法を教えたレクスが凄いだけだって」


「……レクス?」


 と、何故か雪之丞がピタリと静かになる。


「……そうか、やはりその男が……」


「? 良く分からないけど、とりあえず晴臣さんを連れてくるから、そこに隠れて待っててね」


 こうして私達は最初の難関を危なげなく突破した……のだけれど、雪之丞はどうしちゃったのかしらね?

雪之丞<(^言^)>「レクス、やはりはっきりせねばならぬようだな(ゴゴゴゴゴ)」

晴臣 ('-';)「若様が馬鹿な事をしようとしている気がする!」

ミナ(:3)∠)「あー、なんか今回妙にレクスの気持ちが分かった気がするわ」

雪之丞Σ( ̄ロ ̄lll)「レクスと気持ちが分かりあう!?」



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― 新着の感想 ―
[一言] ここまで読んでて思ったのが晴臣メッチャ怪しいw 前回依頼達成したあと報酬渡してすぐさよならとなったときも違和感あったし黒幕の1人っぽい気がする。 それが今回の話で余計にそう思えるようにな…
[良い点] 若様がミナにホの字だよ(笑) そしてレクスにメラメラと(笑)
[良い点] いい作品に出会えてよかった! [気になる点] 次が気になりまくるー [一言] 駆け足で180話見てきて思ったこと 章の作りが丁寧! 過去の内容にも触れていて 読んでいて 一緒に冒険をして…
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