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第168話 オーグの悩み?

作者_:(´д`」∠):_「ノートPCの熱が怖いな……おっ、丁度セールだったから超軽いパソコンを注文したぞー! これでお外で執筆が捗る」

ヘルニー|^・ω・)/ 「外? 外出するの?」

作者_:(´д`」∠):_「……(無言で崩れ落ちる)」

ヘイフィー|^・ω・)/ 「セールの魔力って怖いね」


いつも応援、誤字脱字のご指摘を頂きありがとうございます!

皆さんの声援が作者の励みとなっております!

 無事オーグさんを救出した僕達は、夕食を取る為に食堂を兼任している酒場へとやってきた……んだけど。


「うぉぉぉぉっ! 俺はどうしたらいいんだぁぁぁぁっ!」


何故かオーグさんがこの世の終わりの様な顔で叫んでいる場面に遭遇してしまったんだよね。


「ど、どうしたんですかオーグさん?」


 昼間はあんなにセリアさんと仲良さげに帰って行ったのに、一体何があったんだろう?


「ん? ……お、おおっ! レクスじゃねーか! 丁度いい所に来てくれた!」


 声をかけて来たのが僕だと分かると、さっきまでの絶望した顔が嘘のように明るくなる。


「そうだ、そうだよ! お前が居たじゃないか!」


「え? それってどういう意味ですか?」


「なぁレクス! 前にお前から貰ったドラゴンの鱗、まだ残ってないか!? あったら譲ってくれ!」


「え? ドラゴンの鱗ですか?」


 多分初めて会った頃にお礼として贈ったグリーンドラゴンの鱗だよね。

 あれは王都のオークションで売っちゃったからもう無いし、細かい欠片もつかっちゃったからなぁ。

 龍峰で手に入れたグリーンドラゴンの素材も、町を守る為の戦いで使い切っちゃったし……


「すいません、あれはもう一枚も残っていません」


「そ、そんなぁぁぁぁぁぁっ……ガクッ」


 グリーンドラゴンの素材が残っていないと告げると、オーグさんはガクリとテーブルに突っ伏す。


「一体何があったんですか?」


 あの明るくて自信に満ちた一流冒険者だったオーグさんが、こんな風に落ち込むなんてただ事じゃないよ。

 もしかしたらとんでもない事件に巻き込まれているのかも。


「俺の鎧……」


「はい? 鎧ですか?」


「ゴルドフのおっさんの所に持っていったら、もう直らないって言われたんだよ……」


「え?」


 オーグさんの鎧? ああ、そう言えばあの鎧は例の化け物オークとの戦いで滅茶苦茶になっていたからね。


「でもゴルドフさんの腕なら、壊れた鎧を鋳溶かして一から作り直せるんじゃないですか?」


 そう、あれを治すのは難しくても、もう一度作るのは問題ない筈だ。


「材料がないって言われたんだよ。残った鎧の欠片じゃ、前みたいな体を覆う様な鎧は作れねぇから、出来ても急所とかの一部を守る為にしか使えねぇって……あとスゲェ説教された。こんなにされる前にさっさと逃げろって……」


 あー、どちらかというと、お説教の方が応えた感じ……かな?


「武器もぶっ壊されちまった上にあの森で無くしちまったから、全部一通りそろえなおさないといけねぇ。けどそれでなんとか装備を揃えたとしても、材料が普通の鉄や魔物素材じゃ今まで使っていた装備の数ランクは下の装備。そんな状況でまたあの化け物オークと戦う事になったら……はぁ」


 成る程、オーグさんの悩みは装備の素材が無い事なのか。

 確かにオーグさんの装備をあんなにボロボロにする様な敵が相手なら、装備はしっかり揃えておきたいもんね。


 でも、なんでオーグさんはグリーンドラゴンの素材にこだわるんだろう?

 強力な敵が相手なら、わざわざ一番弱いドラゴンの素材にこだわらなくても、もっと強い魔物の素材があると思うんだけど。


 ああでも、ゴルドフさんが素材が無いって言っていたという事は、素材の流通が滞っているのかな?

 誰かが買い占めをしたり、どこかの国が戦争の為に買い集めたりとかして。

 だから質の劣るグリーンドラゴンの素材なら、手に入るかもと思ったのかな?

 

 それに、自分に不覚を取らせた相手に、装備の力で勝ったと思いたくないからこそ、あえてグリーンドラゴンの素材にこだわっているのかも。

 うん、大剣士ライガードも自分が不覚を取った敵とのリベンジマッチでは、あえて相手と同じ装備で戦い勝利する事で汚名を返上したんだよね。

 オーグさんも同じ事を考えているんだろう。


 うーん、そうなると是非ともグリーンドラゴンの素材を提供したいところだけど、アレはもうないからなぁ。

 せめて同格の素材なら……


「あっ、そうだ!」


 そこで僕は、つい最近丁度良いものを手に入れた事を思い出す。


「オーグさん、グリーンドラゴンの素材はありませんが、同格の魔物の素材ならどうですか?」


「……なに!?」


 僕の提案にオーグさんがガバッと起き上がる。


「本来なら上位の魔物なんですけど、僕が戦った時はかなり衰弱していたので素材の質も本来のものより数ランク落ちると思います。それでよければ提供させて貰いますけど」


「マジか!? 助かる! ぜひ譲ってくれ!」


 オーグさんは目を輝かせて僕の手を握ってくる。

 やっぱり同じ装備でリベンジしたかったんだね。


「よーし、そういう事なら夕飯は俺が奢るぜ! これでも高給取りの騎士様だからなーっ!」


 そうオーグさんが言った瞬間だった。


「「「「「オーグの奢りだぁぁぁぁぁぁぁっ‼」」」」」


 酒場に居た人達が一斉に立ち上がって雄たけびを上げたんだ。


「バッ、お前等じゃねぇよ!」


「おーいサティちゃん、タックルバフのステーキくれ!」


「俺はスピアバードの照り焼き!」


「私はネフティカ産のワインをお願いします」


 皆が一斉に手を上げて店員さん達に注文をしていく。


「馬鹿野郎! ここぞとばかりに高いメニューを頼んでんじゃねぇよ!」


「ははは、奢って貰って悪いなオーグ」


「ゴチになりますオーグさん!」


「流石騎士オーグ! 太っ腹だ」


「いよっ! 冒険者ギルドの出世頭!」


「ふざけんな! 今度は奢らねえからな!」


 あー、そう言えば以前オーグさんにご飯を奢って貰った時も、こんなノリで皆に奢る事になってたなぁ。


「ええと、私は自分で支払った方が良いのかしら?」


 そんな光景を見て、リリエラさんがどうしようと困った様子で聞いて来る。


「いやー、この流れなら奢って貰って大丈夫だと思いますよ」


「そ、そうなの?」


 と、そこにモフモフがテーブルによじ登ってくる。


「キュウーッ!」


 更に店員さんを呼ぶと、隣のテーブルのお客さんが食べていた肉料理を指さして器用に料理を注文する。


「キュッキュー」


 そして注文を終えたモフモフは、オーグさんの前までトコトコと歩いて行くと、前足を立ててサンキューとでも言っているかのような鳴き声を上げた。


「……え? コイツにも奢らなきゃならないの俺?」


 困惑するオーグさんの呟きは、皆の楽しそうな笑い声に消えていったのだった。

 という訳で僕も料理を注文しようかな。

酒場の客「「「「奢りだわっしょい!」」」」

酒場の店主「カモが来たわっしょい!」

オーグ(:3)レ∠)_「わーい新しい素材だチクショー!(ヤケ)」

????の素材←(:3)レ∠)_「出番来るー?」

モフモフΣ(:3)レ∠)_「何も知らんと幸せな男よ。おっ、これ美味いなモグモグ」


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― 新着の感想 ―
[良い点] 3日かけて全部読みました(漫画部分を除く) これからも更新楽しみにしてます
[良い点] 一か月かけて今日まで、一話から読ませていただきました。 レクスさんの無双っぷり半端ないっす。 次の無双っぷり、期待しています。 [気になる点] 本編も面白いですけど、 作者とヘルニーやヘル…
[気になる点] これで、オーグもジャイロ辺りならタメに闘えるかな? [一言] あー、あのでっかいカブトムシね…って、また伝説級の武具じゃねーか!
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