第167話 騎士と令嬢
作者_:(´д`」∠):_「ふぃー、今回は特にいう事も無いなぁ」
ヘルニー|^・ω・)/ 「お? 魔女の一撃いっとく?」
作者_:(´д`」∠):_「いらんわ! たまには平和な日を満喫させろよ!」
ヘイフィー|^・ω・)/ 「コンビニで買ったお高いいちごミルクが甘すぎたんで、紅茶に混ぜたらビックリする位不味かったですとか?」
作者_:(´д`」∠):_「やめろ、その事件は財布と胃に痛い……」
ヘルニー&ヘイフィー(:3)(:3)レ∠)_「「おっしゃノルマ達成」」
いつも応援、誤字脱字のご指摘を頂きありがとうございます!
皆さんの声援が作者の励みとなっております!
「いやー、まさか生きて町まで戻れるとはなぁ」
無事オーグさんを救出した僕達は、本来の目的だったオークの情報を入手出来た事もあって、一旦トーガイの町まで戻ってきた。
「僕達はギルドに戻って依頼達成の報告に行きますが、オーグさんはどうしますか?」
「あー、俺も報告だな。元々オーク共の生き残りが居ないかを調査する為の出動だったからな」
今この場に居るのは、僕とリリエラさんとオーグさんの三人だ。
本来の目的だった空飛ぶオークの情報は手に入ったんだけど、それを調べる為のダミーとして受けた魔物の討伐が残っていたんだよね。
オーグさんは怪我も治ったから自分は一人で帰れる。だから僕達は依頼を優先して構わないって言ってくれたんだけど、流石に装備が使い物にならなくなった丸腰のオーグさんを放置する訳には行かない。
そしたらジャイロ君が魔物の討伐は自分達が行うから、僕達にはオーグさんを町まで送って欲しいって言ってくれたんだよね。
あんまり役に立ってないから、ちゃんと仕事がしたいって。
そのおかげで僕達は安全にオーグさんを町まで連れ帰る事が出来たんだ。
もちろんその代わりとして、皆で受けた依頼の報酬はジャイロ君達が貰う事にした。
皆はそこまでする必要はないって言ってくれたんだけど、それとこれとは話が別だからね。
リリエラさんもそれには納得してくれたのがありがたかったよ。
リリエラさん曰く、
「空飛ぶオークの情報と、討伐したオーク達の素材買い取り代金は別で貰えるしね。だったらついでで受けた依頼の報酬は必要ないわ」
との事だった。
こういうところ男前だよね、リリエラさんって。
「じゃあここでお別れですね」
「おう、今回は本当に助かったぜ。お前等が助けに来てくれなきゃ本当に死んでただろうからな。この礼は必ずするぜ!」
そうして、オーグさんと別れ冒険者ギルドへ向かおうとした時だった。
突然通りの奥が騒がしくなったかと思うと、一台の馬車が爆走してきたんだ。
「何アレ!? 街中であんな速度を出すなんてなに考えてるの!?」
「もしかして暴走してませんか!?」
「いや、御者が慌てていない。それに先導する騎士が居るから、一応人避けはしてるみたいだ」
と、馬車を見たオーグさんが暴走ではないと否定する。
あっ、ほんとだ。よく見ると馬に乗った騎士が町の人達に道を開けろって警告の声をあげている。
「何か緊急事態でも起きたのかしら? ……っていうか、あの馬車こっちに向かってきてるような……?」
リリエラさんの言う通り、明らかにこの馬車はこっちを目指してやってきている。
先導する騎士達がこっちを指さしてるし。
そして馬車は僕達の下までやってくると、急減速して止まった。
なんか馬車の中でフギャッ!? っていう悲鳴が聞こえた様な気がしたけど気のせいかな?
「「「「……」」」」
僕達は一体誰が出て来るのかと固唾を呑んで待ち構える。
けれど何故かいつまでたっても馬車からは誰も降りてこない。
いい加減帰っても良いのかなと思った頃、困惑した騎士達が馬を降りて馬車の扉を開き、中を確認する。
「うわっ!? 大丈夫ですかお嬢様!?」
「だからもっと速度を落とした方が良いと言ったんですよ!」
「はう~……」
「「「……」」」
どうやら勢いよく止まり過ぎた所為で、座席から転げ落ちて目を回しているみたいだ。
……大丈夫かな?
「っていうかお嬢様?」
騎士達の言葉に疑問を抱いていたら、馬車から一人の女の子がフラフラと危ない足取りで姿を現した。
女の子は儚げな印象の美人で、ふわふわの髪の毛に派手ではないものの上質な生地のドレスが彼女の雰囲気にマッチして上品に仕上がっている。
明らかに貴族の女の子だ。
「お、お嬢様っ!?」
「……っ!? オ、オーグ様ぁーっ!」
最初はフラフラとしていた女の子だったけど、オーグさんの声を聞くや否や、ハッとした表情でオーグさんに向かって駆け出した。
「オーグさん、お嬢様って?」
「あ、ああ。領主様の娘さんのセリア様だ」
「「領主様の娘さん!?」」
何だって領主の娘がこんな所に!?
「オーグ様、ご無事ですか!? 恐ろしい魔物に襲われたと聞きました!」
セリアと呼ばれた女の子は、心配そうな様子でオーグさんを気遣う。
「え、ええ大丈夫ですよ、危ない所でしたが、知り合いが助けてくれましたので」
そう言ってオーグさんは僕達の方を見る。
「まぁ! そうだったのですね! 私の名前はセリア=デル=グリモアと申します。この度はオーグ様の命をお救いくださって誠にありがとうございます」
セリアさんは僕達に向き直ると、屈託のない笑顔で感謝の言葉を述べて来る。
「いえ。そんなお礼を言われる程の事じゃ……」
「そのような事はありません! オーグ様は我がグリモア領の宝です! 噂の龍殺し様ではありませんでしたが、恐ろしいイーヴィルボアを単独で討伐する程の実力を持ち、騎士として取り立てられてからは大盗賊団の壊滅、危険な魔物の群れの掃討や悪質な犯罪者の取り締まりと、八面六臂の大活躍なのです!」
「凄い! 大活躍じゃないですかオーグさん!?」
流石オーグさん、騎士になってからも大活躍だ!
「あー、いやまぁな……ハハ」
「へぇー、結構やるのね。流石は腐っても元Aランクだわ」
リリエラさんはオーグさんの活躍を軽く流しながら誉め言葉を送るけど、その表情は油断のならない相手だと警戒とも賞賛とも言えない感情を覗かせている。
それだけオーグさんの実力に敬意を表しているんだろうね。
「冒険者と騎士は色々とやり方も違うでしょうに、この短期間でそれだけの功績を上げるのは大したモノだわ」
「お二人もそう思いますよね! オーグ様は本当に凄いんです! お父様もオーグ様の事を誉めていらっしゃいました!」
お父様って事はこの町の領主の事か。
領主から直接スカウトされたって言ってたし、流石はオーグさんだなぁ。
「そ、それにしてもなんでまたこんな所に?」
あんまりにも褒められるのが気恥ずかしくなってきたのか、オーグさんは耳を赤くしながら話題を変える。
「そうなのです! 戻ってきたオーグ様の部下達から、オーグ様が魔物に襲われたと聞いたのです。だから私、心配で心配で。すぐにオーグ様を探しに行こうと思ったのですが、家臣達から私を町の外に出す訳には行かないと言われて……。ですがつい先ほど、オーグ様が戻っていらっしゃったとの報告を聞いて私居ても立ってもいられなくなって馬車を走らせてきたのです」
おおー、儚げな印象の割に凄い行動力だ。
どうやらセリアさんは本当にオーグさんが心配でここまでやってきたみたいだね。
「それでわざわざこんな所まで……」
「聞けば相当に恐ろしい魔物だったとか。本当にお体は大丈夫で……ああっ!? オーグ様の鎧がっ!?」
セリアさんは大きく引き裂かれてボロボロになったオーグさんの鎧を見て、悲鳴をあげる。
「そそそそれに血で真っ赤で傷が酷い事に!? た、たたた大変です! すぐにお医者様に見て貰わないと!」
セリアさんはアワアワと動揺しながら、騎士達に医者を呼ぶように命じる。
「大丈夫ですよお嬢様。血で汚れていますが、傷は回復魔法で治療して貰いましたから」
「そ、そうなのですか!? よかった……オーグ様に何かあったらと思うと私……」
セリアさんは再び涙ぐんでオーグさんの無事を喜ぶ。
「ねぇ、どういう事なのかしらアレ? なんで貴族のお嬢様がああも親し気に話しかけている訳?」
「え? ああ、そう言えばそうですね」
そうだよね、普通貴族のお嬢様は屋敷からほとんど出ずに大切に育てられるから、他人とは、特に男とは関わらないものだ。
家族と婚約者以外の男と親しくしているところを見られたら、質の悪い連中に悪い噂を流されるからね。
前世でもそれを利用して僕を利用しようとする貴族のお嬢さんと結婚させられそうになったからなぁ……
ああいう面倒な経験は二度とごめんだね。
「でもまぁ、オーグさんは領主様から直々にスカウトされたって話だし、お嬢様と知り合いでもおかしくはないんじゃない?」
「そうだけどそれでもアレはねぇ……やっぱりあっちの方が狙ってるのかしら?」
と、リリエラさんはセリアさんの接し方が気になって仕方がないみたいだ。
というか狙うって何?
「それにしても、オーグ様の自慢のドラゴンの鎧がこんなになるなんて……本当に恐ろしい魔物に襲われたのですね……」
ボロボロになった鎧を見て、セリアさんは蒼い顔になって身を震わせる。
「あ~……な、なぁに、次は不覚をとったりしませんよ! なんせ俺はこれでも元Aランク冒険者ですからね!」
けれどオーグさんが笑ってセリアさんの不安を吹き飛ばす。
「そ、そうですよね! オーグ様が本気になれば、どんな恐ろしい魔物であっても敵ではありませんよね!」
「そ、そうですとも! 俺に任せてください! だからお嬢様は、安心して普段通り暮らしてください!」
「頼もしいですわオーグ様!」
ハハハハッと頼もし気に笑うオーグさんの姿に、セリアさんはうっとりとしながら安堵の溜息を漏らす。
ただやっぱり疲れているのか、オーグさんの笑い声にはちょっと力が籠っていなかった。
きっとセリアさんを不安がらせない為に疲れを見せないようにしてるんだね!
「さぁ、碌に護衛もつけずにこんな所に居たら危ないですよ。俺がお送りしますから、早く屋敷に帰りましょう」
「オ、オーグ様と一緒に!? わ、わかりましゅた!」
あっ、噛んだ。
自分でも噛んだ事に気付いたのか、セリアさんが顔を真っ赤にして俯いている。
けれどオーグさんはそれを指摘したりせず、あくまで紳士的にセリアさんを馬車へとエスコートする。
「レクス、そういう訳で俺はお嬢様を屋敷まで送っていくから、礼は今度改めてさせてもらうわ」
「わかりました! 期待させて貰いますよ!」
「はははっ、お手柔らかに頼むぜ」
別れの挨拶を終えると、オーグさん達は馬車へと乗り込んでいく。
そして馬車は来た時とは打って変わってゆっくりと元来た道を戻っていった。
「結局、私達は何を見せられていたのかしらね……」
「え? どうしたんですか急に!?」
去っていく馬車を見つめながら、何故かリリエラさんがなんとも言えない微妙な表情で呟いた。
ええと、一体何事?
「ううん、何でもない。何でもないの……」
そんな感じでオーグさんと別れた僕達だったんだけど……。
◆
「うぉぉぉぉっ! 俺はどうしたらいいんだぁぁぁぁっ!」
その後夕食を食べにやってきた酒場で、何故かオーグさんが叫んでいる場面に遭遇してしまったんだ。
リリエラさんといいオーグさんといい、一体どうしたの!?
リリエラ( `皿´)「リア充どもが……」
レクス(i|!゜Д゜i|!)「リリエラさんがヒロインのしてはいけない顔をしている!?」
モフモフΣ(:3)レ∠)_「ポン(憐れみを込めたまなざしでオークの骨を差し出す)」
リリエラヽ(゜Д゜)ノ「要らんわ!」
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