第165話 おいでよオークの森!?
作者(/・ω・)/「すいません、すこし投稿が遅れました」
ヘルニー(‘ω’)ノ「ごめんねー。お詫びに今週はもう一本追加します。作者が」
作者_:(´д`」∠):_「ごふっ」
ヘイフィー|^・ω・)/「まぁゴールデンウィークだしね。皆の娯楽は多い方が良いですよ。次回は5/2朝7時に更新ですよー」
ヘルニー(‘ω’)ノ「あっ、そうそう。おかげさまで二度転生のPVが6000万を突破しましたー。皆ありがとー!」
作者_:(´д`」∠):_「ありがとうございます!」
いつも応援、誤字脱字のご指摘を頂きありがとうございます!
皆さんの声援が作者の励みとなっております!
「オーグさんが皆さんの隊長!?」
驚いた事に、僕達が助けた衛兵さん達の隊長はオーグさんだったんだ。
「なぁ、こんな事を頼めた義理じゃないのは分かるが、オーグ隊長を助けてくれないか?」
「オーグさんをですか?」
「ああ、俺達は領主様の下に報告に行かないといけないってのもあるんだが、それ以上に俺達じゃあの化け物オークにはとてもかなわない。悔しいが俺達じゃ隊長の足手まといにしかならないんだ」
衛兵さんは悔しそうに地面に拳を叩きつける。
「だがこの空飛ぶオークを簡単に倒した君達なら、あの化け物オークからオーグ隊長を救出できるかもしれない!」
「私からも頼む! こんな事を頼めた義理じゃないのは重々承知だが、我々はあの人に死んでほしくないのだ!」
「皆さん……」
衛兵さん達は真剣な表情で僕達にオーグさんの救出を頼んで来た。
「……大丈夫ですよ」
僕は衛兵さんの手を握り、笑みを浮かべる。
「丁度僕達もこの平原に依頼を果たしに来たところです。もし偶然オーグさんを見つける事があったら、必ず助けますよ。なんたって、冒険者は助け合いですからね!」
「君達っ!」
衛兵さん達が感極まった様子で僕達を見つめる。
「しゃーねぇな。あのおっさんには特に借りとかねぇけど、その化け物オークって奴は興味あるしな」
「そうね、依頼対象の魔物を探している最中にその化け物オークに遭遇する可能性は高いわ。冒険者は自己責任だけど、元冒険者じゃその限りじゃないものね」
「その理屈は強引過ぎる」
「うっさいわね!」
「「「はははははっ!」」」
良かった、皆も付き合ってくれるみたいだ。
「リリエラさんも……」
「構いませんか? なんて聞くのは無しよ。いい加減気を使う間柄でもないでしょ?」
おっと、リリエラさんに確認しようと思ったら先を越されちゃった。
「どのみち、依頼を達成するつもりなら、その化け物オークと遭遇する確率も高いでしょうしね。幸い、衛兵隊からの要請を受けた事で、領主側の戦力とトラブルになる心配も無くなったと言えるわ」
うん、こういう時理解のある仲間の存在はありがたいなぁ。
「よし、それじゃあオーグさんを最優先で探しつつ、依頼をこなすよ!」
「「「「「おーっ!!」」」」」
◆
衛兵さん達と別れた僕達は、彼等が逃げて来た方角へと向かって飛んでいた。
「衛兵さん達が化け物オークと遭遇したのは、この先にある鬱蒼とした森の中って話だったね」
「あの森かー、結構広いな」
「木が密集していて上からじゃ探しにくいから、森の入り口で一旦降りて、地上から探した方がいいかもね」
「そうですね」
「あっ、オークが居た!」
一旦地上に降りようかと話していたところで、メグリさんがオークを発見する。
「アレが例の化け物オー……ク?」
オークを見つめたメグリさんが、途中で言葉を小さくして首を傾げる。
「うーん、あれは普通のオークみたいね……ってアレ? なんかおかしくない?」
「ええと、森の中に居る普通のオークに見えますけど……」
「そうね、上から見ると普通のオークよね」
僕達は一体だけ見えるオークに向かいながら、しかし感じる奇妙な違和感に首を傾げていた。
「あれ? ちょっと待って? 上から見える?」
と、そこでリリエラさんが声をあげる。
「どうしたんですかリリエラさん?」
「いやだって、あれは森でしょ? なのになんで上空から森の中に居るオークが見えるの?」
「「「「「……あっ!」」」」」
リリエラさんの言葉に、僕達は違和感の理由に気付いた。
そうだ、言われてみれば確かにあの鬱蒼とした森の上からオークが見えるなんておかしいような気が……
「え? じゃあ何か? あのオークって森の木よりもデカいのか!?」
「で、でも、あのあたりの木って結構背が高い筈なんですが……」
その時だった。
件のオークがこちらに気付いて雄たけびを上げたんだ。
「この距離で見つかったのか。結構目が良いんだな」
「なんて言ってる場合じゃないわよ!」
更に次の瞬間、オークは傍に生えていた木を引き抜くと、僕達の方に向かって投げつけて来た。
「おわぁぁぁぁっ!?」
「危なっ!」
皆が慌てて飛んできた木を回避する。
「って、なんて大きさ! あんなものを投げつけて来たの!?」
ミナさんの言う通り、オークの投げつけて来た木はとても大きかった。
「あんな物を棒切れを投げるように投げてくるなんて……やっぱりあのオークは相当な大きさですよ!」
木の大きさから森に居るオークがとんでもないサイズだとノルブさんが悲鳴を上げる。
「グオォォォォォッ!」
それだけでは終わらず、巨大オークは次々と木を引き抜いては投げつけてくる。
「とっ!」
「うわったったっ!?」
「結構危ない」
僕達は巨大オークの攻撃を回避しながら近づいてゆく。
「近くで見ると本当デカいわね……!?」
「オークエンペラーよりも大きい……まるで巨人だわ」
接近した事で、巨大オークの正確なサイズが分かってくる。
この大きさだと、大体20メートルはあるね。ちょっとした城サイズだよ。
「流石にこのサイズは……」
「お、お前等、ビビッてんじゃねーよ! 俺達ゃドラゴンを倒したんだぜ! それにデカさじゃメガロホエールの方が全然上だろ!」
ジャイロ君が巨大オークに気圧されている皆を叱咤する。
こういう所にちゃんとリーダーらしい振る舞いが出来るジャイロ君は、やっぱり大物になる素質があるよ。
「いやまぁ、確かにメガロホエールに比べれば小さいですけど……」
「このサイズの人型はあれとは別種の迫力がある……」
まぁ皆の気持ちも分からないではないよ。
僕も初めて巨人を見た時は本当に驚いたからさ。
なんていうか、子供の頃に見知らぬ大人を前にした気分になるんだよね。
「だらしねぇ事言ってんじゃねぇよ! こんなんただデカイだけだろうが!」
そうだね、ジャイロ君が云う通り、大きければ強い訳じゃない。
何より、今はオーグさんが待っているんだから、さっさと終わらせないとね!
「邪魔だよ! マナバーストソード!」
僕は魔力で編み出した大剣を振るって、巨大オークを一刀両断にする。
「見てろお前等。俺がアイツを……って、一撃ぃっ!?」
「キュウッ!」
モフモフが巨大オークに向かって飛び込んでいく。
ソイツはもう倒したから大丈夫だよ。
「こんなオークが居たって事は、どうやらオーク帝国の生き残りがまだ居るみたいだね」
僕は討伐した巨大オークを魔法の袋に収納しながら、現状を推測する。
「キュウッ!?」
「こんな巨大オークは初めて見るけど、大した強さじゃなくて良かったよ」
「キュウウッ!!」
「いや大した事あるって」
「あれだけ大きかったらそれだけで脅威でしょ」
「そんな事ないよ。属性強化の使える皆なら大した敵じゃないさ。コイツだって、大きいだけで見掛け倒しの相手だったよ」
「いやいやいや、流石にそれは違うと思いますよ……」
そんな事はないんだけどなぁ。
「それより皆、オーグさんを探しに行こう! 他にもまだオーク帝国の生き残りが居るだろうから気を付けて!」
「あ、ああ! 分かったぜ!」
「キュウウッ!!」
ところでモフモフ、なんでさっきから僕の足に前足を叩きつけてるの?
◆
巨大オークを倒した僕達は、そのまま地上からオーグさんの探索を開始する。
まずは探査魔法を使って、森の中を調査する。
「……魔物の反応が多いね」
「ホントだわ……っていうか、いくら何でも多すぎじゃない!?」
ミナさんが驚いた通り、この森で行動している魔物の数は驚く程多かった。
「この数は異常ですね。やっぱりオーク帝国の生き残り……いえ、本隊が居るのかも……」
「オーク帝国の本隊って……!? まさかこの間以上の数のオークがいるって訳!?」
「反応している魔物が全てオークならその可能性があります。ただ、そうでなかったとしても、森の規模に比べてこの魔物の数は異常な事に変わりありませんが……」
どうやらオーク帝国の危険はまだ去っていなかったみたいだね。
いや、寧ろ以前遭遇したあのオーク帝国は小さすぎたからね。
もしかしたらと思ってはいたけれど、こういう嫌な予感が的中しちゃっても良い気分にはなれないね。
僕は意識を集中して人間の反応を探す。
そしてすぐ近くに人間の反応を確認した。
「……居た、あっちに人間の反応がある! でもかなり弱ってる!」
探査魔法で反応した人間の生命反応はかなり弱まっている。
急いで助けに行かないと。
「おっしゃ! 行こうぜ兄貴!」
僕達は身体強化魔法を使って森の中を駆け抜けてゆく。
「前方に魔物の集団の反応! 先制攻撃して一気に突っ切るよ!」
「「「「「了解っ!」」」」」
「今度こそ俺が蹴散らしてやるぜ!」
「キュウッ!」
強化された足はすぐに魔物の輪郭を捕捉する。
「よし、今……だ?」
狙いを定めながら駆けていた僕達は、その姿がはっきりと見えた瞬間魔法を放とうとした……んだけど。
「「「「「「何あれっ!?」」」」」」
その姿を見て、僕達は思わず攻撃の手を止めてしまったんだ。
「え? 馬!? 豚!?」
「下半身が馬……ケンタウロス? いや上半身はオーク!?」
「あっちは下半身が……イカ!?」
「あ、あれを見てください! あっちには鳥みたいなオークが居ますよ!?」
「「「「「「なんだこれーっ!?」」」」」」
僕達の前に立ちはだかったオーク達は、全てが違う形をした異常な集団だった。
「ええっ!? 何これ!? こんなオーク見た事ないわよ!?」
僕だけじゃなく、皆も見た事のないオークに目を丸くしている。
こんなオークは前世でも前々世でも見た事が無い。
これじゃあまるで……
と、その時だった。
「キュウウーッ!!」
動きを止めていた僕達を飛び越えて、モフモフが奇妙なオークの群れに向かって飛びかかって行ったんだ。
「あっ、モフモフ!」
「「「「「ブモォォォォォッ!!」」」」」
自分達に向かって飛び込んで来たモフモフに気付いたオーク達は、雄たけびを上げてモフモフを迎え撃つ。
馬……ケンタウオークがモフモフを踏みつけようとして両前足を持ち上げる。
するとモフモフはスルリとケンタウオークの胴体に下に潜り込み、後ろ脚を噛み千切って通り過ぎる。
「モグバリキュウ!」
「ブモォォォッ!?」
足を噛み千切られた痛みと、バランスを保てなくなった事でケンタウオークが転倒する。
「ブモモモッ!」
それを見た下半身がイカのスキュオークが沢山の足を鞭のように叩きつけてモフモフに襲い掛かった。
大量の足による連続攻撃は地面の土を削り取る様に吹き飛ばしてゆく。
「キュキュウ」
けれどモフモフはそれらの攻撃を全て読み切り、華麗に回避しながら全てを噛み千切って平らげていた。
「グニモグキュウッ!」
それどころかもっと寄越せと手招きをする始末だ。
「ブモォォォッ!?」
気圧されて逃げようとしたスキュオークだったけれど、半分近い足を噛み千切られた状態では満足に逃げる事も出来ず……っていうか、そもそも陸上でイカは満足に動けないよね。
「キュッキュッキュ」
「ブモォォォォォン!」
哀れスキュオークはモフモフに全ての足を平らげられてしまった。
「キュッフッフッフッ」
そしてメインディッシュだと言わんばかりの眼差しで、モフモフは羽の生えたオーク達を見つめる。
「「「ブモッ!?」」」
捕食者に見つめられ……ええと、こっちはハーピーみたいなオークだから、オーピー? 達は体を震わせる。
「「「ブモォォォォッ!!」」」
そして飛んで逃げ出そうとしたオーピー達だったけれど、彼等は余りにも運が無さすぎた。
何故ならここは鬱蒼とした森の中で、逃げるには上空の木の枝が邪魔だった事。
そしてもう一つは、モフモフが空を飛ぶ事が出来た事。
なにより、最後の一つが致命的だった。
「キュウゥゥゥゥン!!」
モフモフは、羽が大好物なんだよねぇ。
「「「ブモォォォォォォォンッッッッ!!」」」
憐れ、奇妙な姿をしたオーク達は全てモフモフのご飯となってしまったのだった。
「お、俺の出番……」
あっ、出遅れたジャイロ君が寂しそうにしてる。
モフモフ(/・ω・)/「わーいお肉がいっぱーい!」
オーク達(´;ω;`)「「「ひぃー!!」」」
ノルブ(:3)レ∠)_「ちなみに僕達が巨大オークに驚いたのは、強敵に対する警戒や恐怖もありますが、どちらかと言うと生理的なものが大きいです」
メグリ(:3)レ∠)_「戦艦(巨大鯨)を上空から見ても大きいなーって思うだけだけど、お台場にある人型のアレ(巨大オーク)が自分のすぐそばで動き出したら踏みつぶされない様に逃げまどうんじゃないかなって感じ?」
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