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第162話 オークを探せ!

作者(/・ω・)/「いえーい! 今週二話目ー!」

ヘルニー(‘ω’)ノ「作者の無計画な執筆の副産物だよー!」

ヘイフィー|^・ω・)/「なんで四千文字書いて完成してたのに、ちょっと書き足すかって言って一万文字になっちゃうかなぁ」

ヘルニー(‘ω’)ノ「おかげで分割前後編になっちゃったんだよね」

作者(´;ω;`)「つ、つい書き過ぎちゃったんだよ!」


いつも応援、誤字脱字のご指摘を頂きありがとうございます!

皆さんの声援が作者の励みとなっております!

 さっそく調査に向かう事になった僕達は、まず町の外へと出る。


「それじゃあ空から周辺を確認しようか」


「え?」


「だな!」


 僕が飛行魔法で空中に上がると、ジャイロ君達も続いて空へと上がる。


「な、なななっ!?」


「さて、オーク達はどっちから向かってくるかな……」


 皆がそれぞれの方向を向きながらオーク達の姿を探し、僕も探査魔法を併用して群れで動く魔物の気配を探る。

すると地上からオーグさんの驚く声が聞こえてきた。


「なんっじゃそりゃぁぁぁあぁー!」


「どうしたんですかオーグさん!? あっ、もしかしてオークの群れを発見したんですか!」


「ちっげーよ! つーかなんでお前等当たり前のように空飛んでんだ!?」


「え? 飛行魔法ですけど?」


「飛行魔法っ!? なんだそりゃ!?」


 あれ? オーグさん、飛行魔法を知らない?

おかしいな、そんな珍しい魔法じゃないんだけど。

そう言えば前も街中で使ったら町の人達に驚かれた。もしかしたらこの辺りは立地的に飛行魔法を必要としない土地なのかな?


前世でも空を飛ぶ魔物の多い土地は、飛行魔法を控えて地上での移動を推奨していたりしたし、僕の知らない事情があるのかもしれないね。


「そういう事なら、オーグさんは僕が抱えますね」


「え? 抱える?」


 僕はオーグさんを抱えると、再び空へと舞い上がる。


「おわぁぁぁぁっ!? と、飛んでる! 飛んでる!?」


「レクスさんにお姫様抱っこ!?」


「リリエラ、落ち着きなさい」


 あれ? 今度はリリエラさん達が騒いでいるけど、どうしたんだろう?


「皆、東の方角、何か動いてる」


 とその時、メグリさんが東の方角を指さしながら僕らに声をかけて来た。


「東? どこだ?」


「言われてみれば、何か遠くで動いているような……」


 探査魔法で東の方向を探ると、確かに魔物の反応が多く感じ取れる。


「うん、普通の魔物にしては数が多すぎるから、多分オークだろうね」


「数はどれくらいだ?」


「ええと……大体20000といったところですね」


「に、20000!? ウチの騎士団より多いじゃねぇかよ!?」


「オークは繁殖力が高いですからね」


「高いってもんじゃねーぞ!」


 以前王都周辺で行った大規模討伐を思い出す数だけど、あの時とは違って今回は魔物達が密集し過ぎている。これは同族、もしくは共生関係にある魔物特有の距離感だ。


「20000かぁ、流石に数が多すぎるわね」


 確かに、この数が攻めてきたら、町を守る衛兵さん達も大変だろう。


「どのくらいで町に到着する?」


「あれだけの集団ですから、おそらく2時間くらいだと思います」


「2時間……住民を避難させるには短すぎる……それなら門を閉じて中に立てこもった方がましか? その間に馬を走らせて、他の町の領主に援軍を求めればなんとかいけるか?」


 群れの到着時間を逆算して、オーグさんがどう対処するかを考える。

 まず最初に町の人達の避難を考えるあたり、オーグさんの人柄の良さが分かるね。


「兄貴! 戦おうぜ! ドラゴンに勝てる俺達ならやれるぜ!」


「馬鹿、数が多すぎるわよ。あそこまで数が多いと、先に私達の魔力が切れる方が早いわ」


「それにオークジェネラルやオークソーサラーの様な上位種がいる可能性も高いですよ」


「オークの上位種となると、Bランク、もしオークエンペラーが居たらAランクに届くかもしれない。レクスなら楽勝で勝てるけど、私達だと上位種の群れは相性が悪い」


「数の暴力は強いですからねぇ」


「町に立てこもって、土魔法や氷の魔法で町の防壁を分厚くした方が現実的かしらね? どうするレクスさん?」


 リリエラさんの言葉に、皆の目が僕に集中する。


「僕もジャイロ君の意見に賛成だね。オーグさん、調査の前にあのオーク達を討伐しましょう」


「そうだな、どのみち襲ってくる以上は戦う必要があるだろう。まずは騎士団と冒険者ギルドに連絡だ。どっちも我が強い連中だから連携は難しいだろうが、町の運命が掛かっているからお互いしのごの言ってられないだろう! よし、町に戻るぞ!」


「あっ、戻る必要はありません。僕が倒しておきますから」


「そうか、分かっ……って、え?」


「ジャイロ君、オーグさんをお願い」


 僕はジャイロ君に向かってオーグさんを放り投げる。


「おわぁぁぁぁっ!?」


「お、おおおっと!?」


 身軽になった僕は町から離れ、オークの群れに向かってゆく。


「あっ、あぶっあぶっ! お、おい! レクス、倒すってお前、どうするつもりだ!? 相手は20000だぞっ!?」


 オーグさんの言う通り、20000体のオークを倒すには大規模攻撃魔法で殲滅するのが一番だ。

 でもそれにはオークの群れは町からあまり離れていない事が問題だった。

 あまり強い魔法を使ったら衝撃波で町に被害が出てしまうからね。


 それに広範囲に影響を及ぼす魔法は、周辺の自然も傷つけてしまう恐れもある。

 そうなると、オークの群れの近くにある森で採取される筈の薬草が吹き飛ばされ、動物達も逃げてしまうから狩人さん達が獲物を狩れなくなってしまう。


 そうしない為にも、使う魔法には細心の注意が必要だ。


「よし、この魔法で行こう! マナバーストシューティングスコール!!」


 僕は高密度に圧縮した魔力の塊を上空へと打ち上げる。


「な、なにあれ!? あんな小さな塊なのに、信じられない魔力を感じるわ!?」


 魔力塊を見たミナさんが驚きの声をあげる。

 うん、この魔法は効率が悪いんであまり使い手が居ない魔法だから、ミナさんが見た事ないのも当然なんだよね。


「昔知り合いに教えて貰った魔法ですよ。さぁ、オークに向かって攻撃だ!」


 僕の指示に反応し魔力塊が半分に割れる。


「割れた!?」


 更にそれぞれの魔力塊が半分に割れ四つに、また半分に割れて八つとどんどん数が増えてゆく。


 そして無数の小さな魔力塊が出来たところで、僕は魔力塊の群れをオークに向かって射出した。


「いっけー! オークの群れを貫けーっ!」


 小さく分割された魔力塊が、広がりながらオークの群れに向かって降り注ぐ様は、さしずめ流星雨だ。


「綺麗……」


 その光景を見ていたリリエラさんが、ポツリと呟く。

 と同時に、地上から大雨の様なドドドドドッという音が響いてくる。


「……よし、討伐完了です」


「「「「「「えっ? もう!?」」」」」」


「ええ、それじゃあ討伐部位の回収に向かいましょうか」


 僕達はオークの群れを討伐した場所に向かって飛んでいく。


「え? 倒したってマジで?」


「今の魔法何!? ねぇレクス、今の魔法ってどんな術式なの!?」


「……っていうか、俺いつまでこのおっさんを抱えてないといけないんだ?」


 ◆


「なんだこりゃあ……」


 地上にやってくると、そこには無数のオーク達の死体が転がっていた。


「なにこれ、魔法が全部オークの心臓を貫いてる!?」


「それにこれだけの数のオークを倒したのに、地上の被害は小さく浅い穴が無数に空いているくらいです」


「一体何をしたのレクスさん……?」


 皆が興味津々な様子で聞いてきたので、僕は種明かしをする事にする。


「この魔法はマナバーストシューティングスコールといって、敵の数だけ分割した魔力塊で相手を貫く、それだけの魔法さ」


「敵の数だけっていうけど、全部一発で仕留めてるわよねコレ。ただ魔法をバラ撒いている訳じゃないんでしょ?」


「その通りですミナさん。この魔法は相手の魔力反応を感知して、自動的に分裂、相手の魔力の一番大きな心臓めがけて飛んでいく半自動術式なんです」


「半自動術式!? 何それ聞いた事ない!?」


「心臓めがけてピンポイントに攻撃するので、大規模魔法と違って周囲に無駄に攻撃魔力をバラ撒かないのがこの魔法の利点です。その分制御に魔力が必要になるんですけどね」


 そう、この魔法は大量の敵だけをピンポイントに倒し、周辺の施設や自然を傷つけない為に作り出された魔法だ。

 とはいえ、無数の敵を捕捉して狙う為に大量の魔力が必要となるから、結局大規模魔法と大差ない魔力を消費するから、あまりコストの良い魔法じゃないんだけどね。


「凄いのは分かったけど……」


 リリエラさんが溜息をつきながら周囲を見回す。


「これだけの数のオークの討伐部位を狩るのって相当大変じゃない?」


「あ、あはは……いやまぁ」


 うん、そうなんだよね。 前世でも施設を守るためにこの魔法を使ったんだけど、残った魔物の死体処理で皆大変な目にあったんだよね。

 だから廃れたんだよなぁこの魔法。


「いっそ普通に魔法で吹き飛ばした方が良かったんじゃ……」


 うう、それを言われると……


「モグモグキュウ」


 あっ、モフモフがオークを食べてる。


「……討伐証明部位だけ残すように言って、残りはモフモフに食べさせたらどうかな?」


「いやいや、さすがにそれはムリでしょ。20000体よ?」


「モグモグモグ」


 うーん、良い考えだと思ったんだけどなぁ。


「……はっ!? お、おわっ!? なんだこりゃぁぁぁぁっ!?」


 なんてことを話していたら、突然オーグさんの驚く声が聞こえてきた。


「あっ、オッサンが正気に戻った」


「お、おいおいおいおい、こりゃ一体どういう事だよ!?」


「ええと、かくかくしかじか」


「モグモグモグ」


「成程そういう事か……って何だそりゃ!? 魔法ってそんなに何でもありなのか!?」


「無理無理、レクスの魔法が特別なのよ」


「ですね。僕達じゃこんな魔法とても使えませんよ」


「モグモグモグ」


 いや、ちゃんと魔力制御と魔力容量向上の修行をしていけば、ミナさんやノルブさんでも使えると思うよ。


「それに魔物の討伐部位を狩る作業は手作業ですからね。ギルド長に報告する為にも手間はかけないと」


 それだけは面倒くさいんだよなぁ。


「ん? それならギルドに依頼を出して、暇してる連中に刈り取りの手伝いをさせたらどうだ? 20000体も倒したんだ。上位種も居るだろうし、手伝いの代金を含めても黒字だろ?」


「「「「「あっ」」」」」


「モグモグモグ」


 い、言われてみればそうかも。


「「「「「天才だ……さすが元Aランク」」」」」


「ん? まぁな。人を上手く使う事も騎士には必要だからな」


 流石はオーグさん。この問題をあっさり解決しちゃったよ!


「よーっし! それじゃあトーガイの町に戻って冒険者さん達を雇おう!」


「「「「「さんせーい!」」」」」


「モグモグモグ」

レクス「やっぱりオーグさんは凄いよ!」

オーク「やっぱり僕達は酷い目に遭ったよ!」

ジャイロ「オークとオーグ、何処で差がついたのか……」

オーグ(*’ω’*)「ちなみに俺がパーティを解散した事については、二度転生コミック第一巻の巻末おまけ小説に載ってるぜ!(ダイマ)

イーヴィルボアの子供(´;ω;`)「そして僕のパパやママ達が居なくなったのは、第四話が原因だよ」

モフモフ(/・ω・)/「わんこオークモグモグ」


面白い、もっと読みたいと思ってくださった方は、感想や評価、またはブクマなどをしてくださるととても喜びます。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 22話で『一回転してお姫様だっこ』とあるが、一回転する前はリリエラがレクスの背中に馬乗り状態❓
[一言] 手伝いが来た頃にはあらかた食い終わっているに1票
[一言] ŧ‹”ŧ‹”( ‘ч’ )ŧ‹”ŧ‹” また育ちそうです
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