第161話 騎士オーグとオーク帝国
作者(/・ω・)/「ご報告です!おかげさまで二度転生シリーズが累計25万部を突破しましたー!」
ヘルニー(‘ω’)ノ「これも買い支えてくれた皆と私のお陰ね!」
作者(*´Д`)「お前は仕事の邪魔をしていただけだろ!」
花粉症ことヘイフィー_(:3)∠)_「僕も手伝ったよ」
作者(*´Д`)「お前も邪魔してただけだr……」
作者/ヘルニーΣ(・□・;)「名前が付いてるーっ!?」
ヘイフィー(*’ω’*)「ちなみに花粉症はヘイ・フィーバーって言うんだよ。勉強になったね(作者が)」
作者/ヘルニー(; ・`д・´)「(知らんかった」」
作者(‘ω’)ノ「あと今週は重版記念で前後編だよー」
ヘルニー(‘ω’)ノ「本当はうっかり書き過ぎたのが原因だよー。木曜日にも更新だよー」
いつも応援、誤字脱字のご指摘を頂きありがとうございます!
皆さんの声援が作者の励みとなっております!
「オーグさんが……騎士!?」
久しぶりに帰ってきたトーガイの町の冒険者ギルドが凄い事になっていたのには驚いたけど、今度はオーグさんが騎士!?
「き、騎士って何がどうなって騎士になったんですか!?」
「はっはっはっ、まぁ色々あったんだが、要約すると俺の有能さが領主様の目に留まったって訳さ」
と、オーグさんは何でもない事の様に語る。
「で、でもオーグさんって平民ですよね? 平民から騎士になるのって凄く大変なんじゃないですか!?」
たしかに平民でも騎士団に所属する事は出来るけれど、基本は雑用や一般兵が普通だ。
出世しても従士がせいぜい。
騎士の地位は大抵貴族の子弟で埋まっている。
そんな中、平民が騎士になるには相当の功績が必要な筈だ。
「まぁな。正直、冒険者を続けるか迷ったさ。俺はAランク冒険者だから下手な下級貴族より稼ぐ自信があるからな。だが、領主様から是非にと言われちゃあ、それを断るのも野暮ってもんよ」
確かに、Aランク冒険者は強力な魔物を討伐する事が出来る実力者達だ。
以前僕が討伐したイーヴィルボアですら金貨1000枚になったんだから、熟練の冒険者であるオーグさんなら相当稼いでいるに違いない。
正直、討伐が面倒なイーヴィルボアの子供を簡単に討伐できる程の実力を持つオーグさんがいまだにAランクのままなのか、分からないくらいだもんね。
……いや、もしかしてオーグさんも僕の様に何らかの事情で実力を隠しているのかも。
だからわざとAランクにとどまっているんじゃ!?
成る程、そう考えると全ての辻褄が合うよ!
あえてランクを上げない事で実力を隠す。
流石はオーグさんだ!
領主が欲しがるのも納得だよ!
「だがまぁ、冒険者ってのもいつまでも続けられる仕事じゃないし、いつ死ぬか分からねぇ仕事でもある。前のパーティを解散した時から、身の振り方をどうするかは考えてはいたのさ」
そう言えば僕、オーグさんの過去って知らないなぁ。
Aランク冒険者ってことくらいしか聞いてないや。
実力を隠している事といい、もしかしたら何か深い事情を隠しているのかもしれないね。
うん、それを聞くのは野暮ってもんだよね。詳しく事情を聞くのは止めておこう!
「再会話はそんな所で良いか? そろそろ仕事の話をしたいんだが」
しまった、ついオーグさんとの世間話に夢中になっちゃったよ。
「すいませんギルド長!」
「はっはっはっ、旧交を暖めるくらい構わんさ。これから一緒に仕事をしてもらうんだからな」
「一緒に、ですか?」
それはどういう意味だろう? オーグさんはもう騎士になったから、冒険者ギルドとは関係ないよね?
「ああ。お前さん達には、いや正しくはお前さんにこのトーガイの町周辺で起きている事件を調査して欲しいんだ」
「調査ですか?」
ギルド長は黙ってうなずくと、依頼の内容を語り出す。
「近頃トーガイの町近辺で、異常な数のオークが目撃されるようになった。最初は他の群れとの戦いに敗れて土地を追われたオーク達が逃げて来たのかと思ったが、どうやら違ったらしい」
そこまで言ってギルド長は溜息を吐く。
「採取に出かけていた新人やら護衛仕事をしていた連中が立て続けに襲われてな、こりゃあ一度大規模な討伐をしないと仕事にならんと言う事になって、騎士団と合同でオークの討伐を行ったんだ」
あれ? でも僕達がこの町に来るまでに、かなりの数のオークと戦ったよね?
「もしかして倒しきれなかったんですか?」
しかしギルド長は首を横に振る。
「いや、町近くの森に潜んでいたオークの群れは退治した。実際その後暫くはオークの出現は無かったんだが……」
「またしばらくしたら現れた?」
苦虫を噛み潰したような顔で、ギルド長が頷く。
「その通りだ。暫く経ったらまたオーク達の群れが姿を現す様になった」
その話が本当なら、相当な数のオークがこの町からさほど離れていない場所にいるって事だね。
「もしかして、オーク帝国ですか……?」
僕は脳裏によぎった言葉を口にしてギルド長の反応を見る。
「……やっぱり、そう思うよなぁ」
オーク帝国、それは突然変異によって発生したオークの上位種が、他のオーク達を纏め上げて作った国の事なんだ。
なお、この場合の帝国とは僕達の様に町や都市を作り、その土地を統治する事ではなく、人間や上位の魔物から隠れて少しずつ数を増やしたオーク達が、不足した食料を求めて一気に略奪に動く事を言う。
飢えたオーク達の群れは近隣の村や町、それに穀倉地帯を襲い、そこで子を産み更に数を増やす。
更に近隣の集落から別のオークの群れも合流するもんだから、オーク達の数はどんどん増えていく事になる。
そうして手に負えない数のオークの集団になる事を、オーク帝国って言うんだ。
「お前さんの言う通り、オーク帝国が現れたんじゃないかと領主様が警戒してる」
「領主様が? じゃあ騎士団が動いてるんじゃないんですか?」
領主が動いているのなら、領主お抱えの私設騎士団が動いてると思うんだけど。
「ああ、当然騎士団の方も動いている。だがオークが近隣の村の畑や家畜を狙ってくるらしくてな、そっちの対応で調査までは手が回らないらしいんだ」
成る程、それで僕達冒険者に調査を依頼したいと。
「オーク帝国の存在をもっとも簡単に確認するには、群れの中心に居るボスを確認するのが一番だ。だがボスを確認したとしても、万が一見つかったら周囲をオーク達に囲まれて退路を断たれちまう。そうなったら逃げ切るのは至難の業だ。帝国の規模がデカい程危険が高まるから、猶更下手な連中には頼めない」
「それで僕ですか?」
僕は何故王都のギルド長から指名依頼を受けたのかを理解した。
いくら重要な書類でも、それだけの用事で仮にもSランク冒険者を動かすとはおもえないもんね。
寧ろこっちが本命だったって訳か。
確かに、上位種のオークエンペラーやオーククイーンが大量発生して居たら大変だもんね。
「ああ、Sランクのお前なら万が一の事があっても自力で切り抜ける事が出来るだろう」
「分かりました。そういう事ならお引き受けします!」
トーガイの町は僕が初めてやってきた、いわば第二の故郷と言える町だ。
それにこの町の人達は良い人達ばかりだし、オークなんかに踏みにじられてたまるもんか!
「そう言ってくれると助かる。ついでにその際にはそこのヘッポコ騎士も同行させてほしい」
「誰がヘッポコだ!」
え? オーグさんも同行するの?
でもオーグさんは騎士になったから、もうギルドからの指名依頼や強制招集は受ける義務はない筈なんだけど?
「あー、俺は領主軍からの出向ってヤツになるんだ。元冒険者だからってのもあるからさ、俺が一緒にオーク帝国を調べれば、領主様の騎士団の面目も立つって訳さ」
成る程、オーグさんは元冒険者だから、僕達冒険者のやり方も知っているし、少人数での偵察の仕方も良く分かっている。
そう考えると確かに騎士団からの援軍としては適任と言えるね。
「まぁ実際は騎士団からのお目付け役を押し付けられただけだけどな」
「それを言うなよギルド長」
お目付け役か。やっぱりそういうのはいつの時代もあるんだなぁ。
「まぁお目付け役と言っても、そりゃ正規の騎士団側の事情だ。お館様としちゃ、そっちの方が俺が自由に動けるから良いと思ってるみたいであっさり許可をくれたけどな」
へぇ、意外とこの町の領主は話の分かる人みたいだね。
よく考えたら、オーグさんをスカウトした人だし、けっこう柔軟な思考が出来る貴族なのかもしれないね。
「そういう事なら、これからよろしくお願いしますオーグさん!」
「ああ、こっちこそ」
僕とオーグさんは堅く互いの手を握り合う。
「そういえば、オーグさんと一緒に冒険をするのは初めてですね」
「そういやそーだな」
「騎士にスカウトされたオーグさんの仕事ぶり、勉強させて貰います!」
「……い、いやー、そんなに期待するほどのモンじゃねーと思う、ですよ?」
オーグさんの実力をこの目に出来ると興奮した僕に対し、オーグさんはあくまでも自分は大したことないと謙遜する姿勢を崩さない。
成る程、誰が相手でも自分のペースを崩さない。それがオーグさんの強さなんだろうね!
「うーん、こりゃあ何も言わない方が話がうまくまとまりそうだなぁ」
と、僕達の会話を聞いていたギルド長が何かを納得した様にうんうんと頷いていた。
◆
ギルド長との話し合いが終わった僕は、オーグさんと共に皆と合流し事情を説明する。
「という訳で、僕達はオーグさんと一緒にオーク帝国の調査をする事になったんだ」
「よろしくな!」
「え~、このおっさんと一緒かよぉー」
オーグさんがニッと笑みを浮かべて挨拶をすると、ジャイロ君が嫌そうな声をあげる。
「ジャイロ君、オーグさんは元熟練のAランク冒険者だし、今はその活躍を認められて騎士になったほどの人なんだ。オーグさんの仕事ぶりはきっと僕達にとって勉強になると思うよ」
「俺は兄貴の仕事ぶりの方が凄ぇと思うんだけどなぁー」
あはは、そう言って貰えるのは嬉しいけど、オーグさんは冒険者の先輩だからね。
前世と前々世の記憶はあっても、冒険者としてはまだまだ僕は素人同然だ。
これを機にオーグさんから熟練のテクニックを学ばせてもらおう!
「レクスさんとパーティを組ませてもらっているリリエラです。よろしくお願いします」
「おう、よろしくな!」
リリエラさんと挨拶を交わしたオーグさんだったけれど、何故か僕の方を見ながらニヤリと笑みを浮かべる。
「どうしたんですか?」
「いやなぁ、お前さんもやるもんだなと思って」
あれ? 僕何かしたっけ?
「こーんな可愛いカノジョさんとパーティを組むたぁ、上手い事やったじゃねぇか」
「か、彼女っ!?」
オーグさんに彼女と言われて、リリエラさんが顔を真っ赤にする。
「そ、そんな彼女だなんて……まぁ歳の近い男女がパーティを組んでいればそう見えない事もないけれど、でも私とレクスさんはまだそういう関係という訳じゃ……」
「オーグさん、リリエラさんは僕の仲間ですよ。そういう関係じゃありません」
「え? マジ? 付き合ってねぇのお前等?」
「はい! 付き合っていません! 仲間ですから!」
リリエラさんは僕が知らない冒険者のイロハに詳しいとっても頼りになる仲間だ。
そんな凄い人と恋人だなんて、流石にリリエラさんに失礼だよ。
「……」
「あれ? どうしたんですかリリエラさん?」
何故かリリエラさんがこっちをジーっと見つめているんだけど、どうしたんだろう?
「……何でもないわ」
ホントにどうしたんだろう?
あっ、もしかして熟練の冒険者であるオーグさんに出会った事で緊張してるのかも!?
リリエラさんはAランクになって間もないから、オーグさんの振る舞いを見て、実力を隠しているのを察したんじゃないかな。
だからオーグさんの冗談みたいな発言にもわざと大げさに反応しているのかもしれない。
その真の実力を探る為に。
「一応私達も挨拶しておいた方が良いわね。ミナよ。元々ここのギルドに在籍していたけれど、レクスと一緒に王都のギルドで活動しているわ」
「メグリ。同じく元ここのギルド出身。今はレクスと一緒に行動してる」
「ノルブです。こうしてお話するのは初めてですね」
「ほらアンタも挨拶しなさい」
皆が挨拶すると、ミナさんがまだ挨拶をしてないジャイロ君を引っ張り出してくる。
「あたたたたっ、痛ぇよ、無理矢理引っ張んなって! ったく。ジャイロだ、よろしくなオッサン」
「あんたねぇ」
どうもジャイロ君はオーグさんとソリが合わないみたいだ。
これから一緒に仕事をするんだから、仲良くなって欲しいんだけどなぁ。
「おっしゃ。それじゃあ挨拶も済んだし、さっそく周辺の調査に向かおうか」
「ちょっ、いきなり行くの!? 今回は調査なんでしょ!? 先に食糧や道具の買い出しが必要なんじゃないの!?」
いきなり調査に向かうと言い出したオーグさんに、ミナさんが目を丸くする。
「おいおいオッサン、しっかりしてくれよ。あんたそれでもAランクかよ」
するとオーグさんはニヤリと笑みを浮かべる。
「甘いな嬢ちゃん達。今回の依頼は大量のオークの群れを潜り抜けながら相手の本隊を探す厄介な依頼だ。しかも時間が経つにつれて危険度は増していく。そんな状況で闇雲に探すのはそれこそ時間の無駄だ。まずは近場を調査して、オークがどっちの方向からやってくるのかを調べるのが先さ」
「「「「方向?」」」」
ジャイロ君達がキョトンとしていると、リリエラさんは成る程と声を上げる。
「オーク達の来る方向が分かれば、その方向が馬を使える場所か、食料以外の装備が必要な険しい山や動きにくい湿原地帯かが分かるって事ね。それによって必要とされる装備も大きく変わってくるといったところかしら?」
「正解だ。それに重い荷物を背負ってあちこち動き回るのは単純に足が遅くなるし疲れるからな。労力は最小限にしようぜ」
リリエラさんの回答に、オーグさんは満面の笑みで正解と告げる。
流石はリリエラさんだ。オーグさんの真意にすぐに気付いたよ。
そしてオーグさんも、相手がオークでも微塵も油断をしていない。
これが本当の熟練の冒険者の心構えなんだね!
「へぇ、流石元Aランクね」
「……まぁ、やるじゃん」
ちょっとふてくされつつも、ジャイロ君もオーグさんの真意を理解して不承不承納得したみたいだ。
「分かりました。それじゃあ周辺の調査に向かいましょうか!」
「「「「「「おーっ!」」」」」」
メグリ(:3)レ∠)_「オーグがオークと闘う……プッ」
ミナ(:3)レ∠)_「メグリ、アンタ……」
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