第154話 大魔獣復活!?
作者_:(´д`」∠):_「本日二度転生コミック2巻の発売日でございますー!」
ヘルニー(:3)レ∠)_「書籍第4巻は2/15日よ!」
作者_:(´д`」∠):_「店舗別特典の情報はアーススターノベルさんの公式ホームページに記載されていますよー!」
ヘルニー(:3)レ∠)_「キョロキョロ」
作者_:(´д`」∠):_「お前が主役の特典SSなどない」
ヘルニー(:3)レ∠)_「ガーン!」
いつも応援、誤字脱字のご指摘を頂きありがとうございます!
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腐蝕の大地の弱まった封印を再封印しようとしたその時、封印を傷つけた張本人が僕達の前に姿を現した……んだけど。
「そうとも、私が腐食の大地の封印を破壊した張本にゲホゴホガホッッ!!」
犯人である魔人は何故か死にかけていたんだ。
「ってなんで魔人が死にかけてるの!?」
「クッ、ククク……残念だったな人間共。封印の貼り直しの為にやって来たのだろうが、封印はもはやこの有様よ!」
「むしろ貴方の方がこの有様じゃない?」
リリエラさんの言う通り、魔人はもう虫の息だ。
全身が痙攣を始めていて、明らかに衝魔毒に侵されている。
魔人の強靭な肉体でなかったらとっくに死んでいるよ。
けど、なんで魔人が衝魔毒に侵されているんだろう?
前世の魔人は殆どの毒を無効にするレベルで毒に強かった筈なんだけど……まさか!?
「気をつけてくださいリリエラさん」
「レクスさん?」
「魔人が死にかける程の猛毒です。封印されている存在はもしかしたら僕の想像を遥かに超える存在かもしれません」
僕の危惧を肯定するように、魔人が壮絶な笑みを浮かべる。
「ク、クククッその通りよ!この地に封印されているのはかのゴホゴホゴホッ……大魔獣ヴェノムビート! 大陸一つを容易に毒で満たすと言われたあの毒虫よ!」
「大魔獣ヴェノムビートですって!? あの伝説の!?」
やっぱりか。衝魔毒はヴェノムビートが撒き散らす厄介な猛毒、ならこの地に封印されているのはヴェノムビートに他ならない。
けど、厄介なのはそこじゃあない。
本来ヴェノムビートの毒程度じゃ、魔人を毒で侵すことなんて出来やしないってことなんだ!
つまり、この地に封印されているヴェノムビートは、僕の知っているヴェノムビートなんかより遥かに危険な、おそらくは突然変異で生まれた特殊個体、もしくは古代の魔法使い達によって改造された生物兵器の可能性が高い。
成る程、だから封印なんて手段が取られたんだね。
前々世でも改良出来たは良いけど、代わりに制御ができなくなったから仕方なく封印したとか言う話は毎日の様に聞いたからね。
「よもや封印に亀裂を入れただけでこの身が毒に侵される程とは思いも寄らなかったが……これならば人間共の世界を破滅させるに十分! 人間共がヴェノムビートの毒で滅んだ後に我々がこの世界を支配してくれよゴホゲホガホッ!」
「えっと、ちょっと聞いていい?」
と、リリエラさんが魔人に対して手をあげる。
「フッ、なんだ人間の娘よ? 命乞いの方法でも聞きたいのか?」
「そうじゃなくて、魔人である貴方でも耐えられない猛毒に世界が侵されたら、貴方達自身が暮らせなくなるんじゃないの?」
「……」
「……」
「……」
「……あ」
「「考えてなかったんかーい!」」
ちょっと待って待って!本当に何も考えてなかったのこの魔人!?
「し、仕方がなかろう! 私とてここまでの猛毒とは思ってもいなかったのゲホゴホガホッ!」
魔人が血を吐きながら自己弁護するけど、それは流石に無計画にも程があるんじゃ。
「諦めて治療の為に帰った方が良いんじゃない?」
「ク、クククッ、残念だが仲間からは手の施しようがないと匙を投げられたわ。そしてこの計画を成功させなければ、私に帰る場所はない! 故に、なんとしてでもこの計画は成功させる!」
うーん、どうやら猛毒に侵されてヤケになっているだけみたいだね。
「敵ながら世知辛いわね……」
「そっちの事情は分かったけど、だからといってヴェノムビートを目覚めさせるわけにはいかないんだよ」
封印するしか対処のしようがなかった程の猛毒を持つ特殊個体、目覚めたらどれだけの被害が発生するか分かったもんじゃない。
さっきリリエラさんに説明した被害予想なんか比較にならない被害が出るだろう。
「お前を倒して封印を掛け直す!」
「ク、ククク、それはどうかな」
けれど魔人は相変わらず不敵な笑みを浮かべていた。
「2対1ってだけじゃなく、毒で死にかけているのに随分と自信満々ね」
「ふっ、確かにな。だが言ったはずだ。私の手によって封印は崩壊寸前だとな。それはつまり、ほんの僅かなキッカケだけで封印は完全に破壊されると言う事だよ! ハアァァァァッ!!」
魔人が魔力を全開にし、僕達との戦いを始めようとしたその時。
「これだけで十分なのだよ」
魔人がニヤリと笑みを浮かべると、後ろからパキン、と封印の壊れる音がした。
「しまった!」
まさかそこまで封印が弱まっていたなんて!
「結界をっ!」
「させるかぁっ!」
慌てて僕が結界を張ろうとした瞬間、魔人が飛びかかってきた。
自分が死ぬ事も厭わずに僕の妨害をするつもり!?
予想以上に躊躇いのない行動に、僕は困惑する。
ここまで弱った魔人の攻撃なら防ぐ事自体は簡単だ。
でもそれじゃあ壊れた封印から溢れ出た猛毒を封じるのが、一瞬だけど遅れる!
そうなったら近隣に暮らす人々がヴェノムビートの猛毒の犠牲になってしまう!
「させないわよ!」
その時だった。魔人の行く手を遮るかのように、リリエラさんが立ちふさがったんだ。
「ハァッ!」
リリエラさんは魔人の攻撃を受け止めると、その力を受け流して魔人を弾き飛ばす。
「ぐぅっ‼︎」
それと同時に、僕の結界魔法が間に合った。
「グランドエリアサンクチュアリ!」
僕の発動した大規模結界は、吹き出した猛毒が周辺に広がる前に完全に閉じ込めることに成功する。
「だ、だが結界を張れば今度は貴様達が毒で死ぬぞ!」
分かっているさ! 僕はすぐに解毒魔法を発動させる。
「ハイグランドアンチドート!」
僕は最上級解毒魔法を展開して自分達に襲いかかる猛毒を即座に解毒した。
全方向から迫ってきた禍々しい色の猛毒の風が、瞬く間に正常な空気に浄化されてゆく。
「な、何だとぉぉぉっ!?」
「リリエラさん上に逃げます!」
「わ、分かったわ!」
僕達は毒の空気から逃げる為上空へと避難する。
いくら毒の空気を浄化しても、発生源であるヴェノムビートを始末しない限りイタチごっこだからね。
僕らが十分な高度まで避難すると同時に封印の神殿が建っていた小山が振動を始めた。
「何? 地震?」
「いえ違います。ヤツが復活するんですよ」
上空から見るとヤツが目覚める光景がハッキリと見えた。
楕円形の小山から放射状に伸びた七本の峰が崩壊し、中から細い光沢を持った巨大な金属の柱と見紛う足が姿を現す。
それらは地面に突き刺さると、真ん中の小山を持ち上げる。
「山が……動いてる……」
小山に建てられていた神殿は完全に崩壊し、山の表面に積もっていた草や土がこぼれ落ちてゆくことでその下に眠っていたモノの姿が露になる。
その色は闇のように黒く、ミスリルでも切断は不可能だと言わんばかりの硬質な外殻。
何より目を引くのは、天に向かってそそり立つ一本の長大な角。
「あれがこの土地に封印されていた大魔獣……」
「はい。最強の猛毒を持つ昆虫魔獣の王、毒と瘴気の超越者、またの名を甲虫大王者ヴェノムビートです!」
腐蝕の大地改めヴェノムビート٩(ˊᗜˋ*)و「大ふっかーつ!」
神殿(:3)レ∠)_「だから山のそばに建物を建てるなと……」
封印(:3)レ∠)_「ハァーッ!で破壊される身にもなって……」
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