第152話 中心部と衝魔毒
作者_:(´д`」∠):_「二度転生書籍とコミックの宣伝コーナーでーす!
ヘルニー(:3)レ∠)_「書籍第4巻は2/15日に、コミックス第2巻は2/12に発売よー!」
作者_:(´д`」∠):_「あと確定申告の書類作成やらなんやらで、しばらくの間分量が少なめになりそうです。ご了承くださいませ」
ヘルニー(:3)レ∠)_「そこは気合入れろや作者」
作者_:(´д`」∠):_「無茶言うな」
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「ここが腐食の大地の中心地みたいだね」
僕とリリエラさんは、腐食の大地の最奥へとやってきた。
「ここが……腐食の大地の中心部なの?」
「ええ、ここが1番毒素が濃いですから。中心部と考えて間違いないでしょう」
「なんだか……変な形ね」
リリエラさんが言う通り、腐食の大地の中心部は不思議な形をしていた。
というのも腐食の大地の中心部は、上空からみると細長い楕円形の小山を中心に、そこから7方向に細長い山が繋がっていたんだ。
そしてその内の一本の山だけが、一際高くそびえ立っていた。
「自然に出来た形状には見えないですね」
といっても、誰かが意図的にこんな形にしたのかと言われるとやはり意図が読めない。
「うーん、これは一体何なんだろ……ん?」
とそこで僕は小山の上にあるものの存在を見つけた。
「あれは……建物?」
そうだ、アレは間違いなく人工の建築物だ。
もしかしたらアレが腐蝕の大地の原因?
「調べてみましょうリリエラさん」
「え、ええ……」
僕達は小山に立っている建物に向かって降りて行く。
その時だった。
「ゲホッゲホッ!」
「リリエラさん!?」
突然リリエラさんが口から血を吐きながら苦しみだしたんだ。
僕は飛行魔法の制御を失って落ちかけたリリエラさんを抱きかかえると、彼女の症状を調べる。
リリエラさんは吐血しただけでなく、顔色が土気色になっていて、体は小刻みに痙攣している。
「これは……もしかして衝魔毒の症状!?」
リリエラさんが具合を悪くした原因が判明した僕は、即座に解毒魔法を発動させる。
「グランドアンチドート!」
解毒魔法の輝きがリリエラさんの体を包むと、体の痙攣が収まり、土気色になっていた顔に赤みが戻ってくる。
「良かった、ちゃんと効いたみたいだね」
「……うっ、私一体……?」
症状が収まりリリエラさんの意識が戻る。
「大丈夫ですかリリエラさん!? リリエラさんは衝魔毒の症状にかかっていたんですよ」
「衝……魔毒?」
「はい、衝魔毒は文字通り体が激しい衝撃を受けたように痙攣する毒の事です。最初は吐血と軽度の痙攣から、でもすぐに痙攣の度合いが大きくなり体が跳ねるように痙攣をする様になるんです。そして大きくなった痙攣の衝撃で身体中の骨が折れ、神経や血管が断裂して最後には体がバラバラに引きちぎれてしまう恐ろしい毒です」
「怖っ!? 何なのそのデタラメな毒は⁉︎」
「すみません、正直油断していました。衝魔毒はある魔物が由来の毒なので、まさかこんな所でそんな危険な毒に遭遇するとは思っていなかったんです」
「ある魔物由来……これって魔物の毒なの?」
「ええ、今までは中心部から遠く離れてた事で毒が拡散して弱くなっていたみたいです。だから気付くのが遅れてしまいました。本当にすみませんリリエラさん」
「い、いえ、助けられたのはこっちだし。むしろ私がお礼を言わないといけないくらいだわ。ありがとうレクスさん」
僕の不注意で毒に侵されてしまったのに、リリエラさんは僕を怒るどころか感謝までしてくれた。
こんなに優しい人を危ない目にあわせてしまったなんて、本当に申し訳ない思いだよ。
「けど、それじゃあ迂闊に降りる事は出来ないわね。レクスさんの解毒魔法で治療できるとしても、何度も治療してたらそれこそ命がいくつあっても足りないわ」
「あっ、それは大丈夫ですよ。さっきのグランドアンチドートは解毒するだけじゃなく、しばらくの間毒を無効化する効果を持っていますから」
「そう、じゃあやっぱり無……って、え? 無効化?」
「はい、数時間は大丈夫ですよ」
「……」
僕が答えると何故かリリエラさんが無言になってしまった。
「あれ? どうしたんですかリリエラさん?」
もしかしてまだ具合が悪いのかな? だとしたらもう一度解毒魔法をかけた方が良いかも。
「待って、ちょっと待って。レクスさんは今の魔法で私が死にかけた猛毒を解毒したのよね? なのにその魔法は猛毒を治療するだけじゃなく、毒を無効化なんて出来るの!?」
「はい、出来ますよ。時間制限はありますけど」
「ちょっとちょっとちょっと!? それっておかしくない⁉︎猛毒を治療するのと毒を無効化するのって別の魔法なんじゃないの!? なんでさらっと無効化まで出来ちゃうの!?」
「いやぁ、また後で再解毒するのも面倒ですし、だったら解毒する際に毒を解析して一時的に抗体効果を持たせる魔法にした方が楽かなって」
「それ絶対楽じゃないから! 普通の魔法使いはそんなちょっと手抜きしちゃおっかなーってノリでとんでもない魔法作ること出来ないから!」
「でも毒を解毒するだけだと、すぐにまた毒に侵されての繰り返しですし、効率を考えると無効化できる方が良いと思いませんか?」
「そ、そりゃまぁそうだけど……」
「つまりはそういう事です。ただ問題を解決するだけじゃなく、次からは同じ問題に躓かない様にあらかじめ対策するのが効率的な技術の使い方なんです」
「うーん、そう……なの……かな?」
うんうん、リリエラさんも納得してくれたようで何よりだよ。
本当なら永続的に毒の無効化をしたいところだったけど、魔法である以上は効果が切れてしまうのは仕方ないからね。
それにその為にマジックアイテムが存在している訳だし。
うん、帰ったら衝魔毒にも対抗できる解毒マジックアイテムを作らないとね。
ここで採取できる素材を使えば、それを作る事も出来るからね。
「よーし、それじゃあ今度こそあの建物に行ってみましょうか!」
「お、おおー……?」
リリエラ(ノ゜Д)ノ*.「ってやっぱ納得できるかーっ!」
レクス(:3)レ∠)_「え!? 何でですか!?」
リリエラ(ノ゜Д)ノ*.「その方が便利だと思ったからって理由で『出来ちゃう』のがおかしいのよぉーっ!」
レクス(:3)レ∠)_「そんな事ないと思うけどなぁ」
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