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第131話 魔人さん焦る

_:(´д`」∠):_「今日は二度転生三巻の発売日ですよー!」


いつも応援、誤字脱字のご指摘を頂きありがとうございます!

皆さんの声援が作者の励みとなっております!

 ◆ダルジン◆


 なんだこの小僧は!?


 タツトロンの町に向かっていた俺達は、小僧を先頭に据えた集団を発見した。

 その規模からしておそらくは龍帝派の迎撃戦力と判断した俺は、即座に先制攻撃を行ったのだがよもや避けられるとは思っていなかった。


 そして小僧は俺が連れてきた反龍帝派の残党どもを瞬く間に吹き飛ばして、その数を減らして行った。

 人間共の戦力がどれだけ減ろうとも俺達にとっては痛くもかゆくもないが、この力は侮れん。

 

『ダルジンよ。この小僧の攻撃、なかなかに速いぞ』


 小僧と切りあったアザムが厄介そうな感情を乗せて念話を送ってくる。


『人間に偽装したまま戦うのは面倒だ。正体を明かして一気に倒した方がよかろう』


 ふむ、確かにな。

 既に俺達が連れてきた人間共の数は龍帝派の数を下回っている。


 正直言ってここまで弱いとは想定外だったぞ。

 まぁ、俺達がここまで人間共の戦力を弱体化させたのだがな。


『よかろう。おそらくこの小僧は竜騎士かその見習いだ。ならばこの小僧を血祭りにあげる事で、我等の恐ろしさを人間共に知らしめてやるとするか』


『マナブレイカーで皆殺しにするのにか?』


『ああ、折角奥の手のマジックアイテムを用意したのだ。人間共には楽しませてもらわんとな』


 俺達の存在を明かすのは侵略の準備が完全に整ってからだ。

 それ故、俺達の正体を知った者は確実に始末せねばならん。


 アザムが正体を現し、小僧に襲い掛かる。

 その速度は人間に反応出来るものではない。

 あの小僧もこれで終わりだ。

 なまじ優秀であった事が不幸だったな小僧。


「なにっ!?」


 だが聞こえてきたのは小僧の断末魔の声ではなく、アザムの驚愕の声だった。


「おりゃあ!」


「ぐあぁぁぁぁっ!!」


 それどころか悲鳴まで聞こえてきた。

 なんだ!? 何がどうなったのだ!?

 いやそれどころではない! はやくアザムを援護せねば!


「ぬぅん!」


 俺の攻撃を警戒し、小僧が後ろに下がる。


「ダルジン、この小僧手練れだぞ」


『おいダルジン! この小僧ヤバイぞ!? なんだこの速さは!? とんでもなく痛いぞ!?』


 余裕のあるフリをしながらも、念話で聞こえてくるアザムの声は慌てに慌てていた。


『落ち着けアザム、俺達は二人だぞ』


『おおそうか! 二人がかりなら勝てるな! ぐふふ、小僧め、この私を傷つけた報いを受けさせてやる!』


 さすがに現金だと思ったが、まぁ相手が相手だからな。

 この時代に俺達と互角に戦える戦士の存在など、危険にもほどがある。


『さぁ行くぞ!』


「だが、俺達二人を相手にどこまで保つかな?」


 俺達の猛攻を受け、小僧の体が血に染ま……染ま……らない?


『『って、なんでだ!?』』


 俺達の攻撃は小僧に何度も命中しているというのに、小僧の体には傷一つついていない。

 なんだこの鎧は!? 寧ろ攻撃をしている俺達の武器の方が傷ついているのだが!?


 これでも俺達の武器はかつて貴様らの祖先が作ったマジックアイテムなんだぞ!?

 俺達は人間の戦力を弱らせるために、様々な手段で強力なマジックアイテムを集めてきた。

 これもその内のひとつで、現代の人間共にとっては十分過ぎる程に脅威な筈だ。 


 しかも悪夢はそれだけではなかった。


「あら、それならもう一人足せば二対二ね」


『『何か増えたぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?』』


 なんと小僧の味方と思われる魔法使いの娘まで現れたのだ。

 い、いかん!? これでは数の優位が無くなってしまう!


 ああこら小僧! 何ピンチの時に仲間がやって来たみたいな感動的な表情になっているんだ!

 寧ろ援軍が欲しいのはこっちだ!


「なら指示は任せるわリーダー」


「おうよ!」


『『おうよじゃないだろぉぉぉぉぉっ!!』』


「行くわよ! フレイムソーサー!」


 新しく現れた人間の娘が魔法を発動させると、俺達を囲むように無数の炎のリングが生まれる。

 炎のリングはそれぞれが重なり合って、円を描いていた。


「焼き尽くしなさい!」


 娘の命令を受け、炎のリングの内側から無数の炎の球が飛び出す。


「ぬぉっ!? ファイアーボールを大量に放つ魔法だと!?」


「ぐぁぁっ!?」


 アザムが攻撃を避けきれず炎の球の集中攻撃を受けてしまう。


「馬鹿がっ!」


 まずは炎の球を生み出すリングを破壊しようとするが、そこに小僧が飛び込んでくる。

 

「させねぇぜ!」


「なんだと!?」


 この小僧、自分が巻き添えになるのが怖くないのか!?


「小僧、貴様も死ぬぞ!?」


「おあいにく様! 俺の得意な属性は火なんだよ! だからアイツの魔法は俺の炎の属性強化でチャラにできんのさ! 確か属性同調とか兄貴が言ってたっけか」


「属性強化だと!? 上位の身体強化を使えると言うのか!?」


 かつて人間達が使っていたという高位の強化魔法をこんな子供が使うだと!?

 よもや現代の竜騎士は皆このレベルの魔法の使い手なのか!?


「かぁっ!!」


 俺は消耗を承知で大量の魔力を全方位に放つと、炎のリングを無理やりに破壊する。


「うぉっと!」


 魔力の余波で小僧も下がったが、あまりダメージにはなっていないか。

 まったく忌々しい。


 だがこれで態勢は立て直せる。

 俺は急ぎアザムに念話で作戦を伝える。


『仕方あるまい、こうなったら二手に分かれるぞ』


『何だとっ!?』


 表情は変わらずとも、アザムの意思に焦りと驚きが滲む。


『今の魔法を破るのに少々力を使い過ぎた。これ以上の長丁場は危険だ。故に俺は町へ向かい、マナブレイカーを発動させる。その間お前は連中の足止めを頼む』


『おいおいおいおい、無茶を言うな!? ただでさえ小僧が厄介だったのに、もう一人加わったんだぞ!?』


『心配するな、足止めに徹して正面から戦わなければなんとでもなる。間合いの外から嫌がらせをするだけでも十分だ』


『いやしかしだな』


『このまま戦えばこちらが不利。しかし龍帝を始末出来れば連中も浮足立つだろう。向こうも町の危機とあれば俺を追わざるを得ん。それをお前が後ろから攻撃して足止めすれば、相手は本気で戦えぬという寸法だ』


『な、成る程。相手を焦らせつつ全力で戦えなくするわけだな!』


『うむ、ではやるぞ!』


『ところでその作戦、役目を逆にしても良いのではないか?』


『……』


 俺は全力で跳んだ。


『おおぉぉぉぉぉい! 答えろぉぉぉぉっ!』


 済まぬアザム。

 お前の犠牲は無駄にはしないぞ!

ダルジン((( ;゜Д゜)))「あーばよとっつぁーん、俺は龍帝を倒しにいくぜぇー!」

アザム((( ;゜Д゜)))「まてぇーダルジーン! いやホントに待てや!」

ジャイロ/ミナ(:3)∠)_「じー」

アザム((( ;゜Д゜)))「ひぃっ!」


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