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二度転生した少年はSランク冒険者として平穏に過ごす ~前世が賢者で英雄だったボクは来世では地味に生きる~  作者: 十一屋 翠
龍姫の儀編

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第125話 仲間との戦い

_:(´д`」∠):_「そろそろお盆が近づいてきましたね、あとソシャゲの水着イベも(違)」

_:(´д`」∠):_「退屈な移動時間などに書籍版二度転生(電子書籍もあるよ)などいかがでしょうか(ダイマ)」

_:(´д`」∠):_「え? もう持ってる? ありがとうございます(五体投地)」


いつも応援、誤字脱字のご指摘を頂きありがとうございます!

皆さんの声援が作者の励みとなっております!

「まさか私達が戦う事になるとはね」


「他の選手の試合を見ればこの展開は予想できた」


「アンタはいつも通りねぇ」


 私とメグリは、試合舞台の上で向かい合っていた。


「これは試合。なら全力で戦うだけ。その相手がミナであっても」


 そう、この試合は私とメグリの試合だ。

 トーナメント制なんだから、こうなる可能性がある事はわかっていたけれど、まさか準々決勝まで誰も負ける事なく勝ち進んじゃうことになるとは思ってもいなかったわ。


「ミナもメグリも頑張れよー」


「頑張ってくださーい!」


 ジャイロ達が観客席から気楽に応援してくる。


「まったく、私は魔法使いなんだから、こんな正面切って戦うのは性に合わないんだけどね」


 魔法使いは後ろから魔法で援護してナンボの職業。

 だから前衛もいない状況で敵と接近戦をするなんて普通じゃありえないわ。


 しかもメグリはこっちの手の内を知っているし、お互い飛行魔法を使えるから空から一方的に攻撃なんてこともできない。

 はっきり言ってこっちが不利にも程があるわよ。


 ……正直な話、この大会に勝たなきゃならない理由はないんだから、適当なところで負けたって構わないのよねー。


「勝ちに行く」


 けど賞金が欲しいメグリはやる気満々だ。


「負けんなよミナーッ!」


 こっちの気も知らずに、バカは気楽に応援してくれちゃって。


「しゃーない、ちょっとはマジメにやりますか」


 いや別にあのバカが応援してるからじゃないからね?

 わざと負けるのが性に合わないだけよ。


「それでは準々決勝、試合開始っ!」


「ふっ!」


 開始の合図と同時にメグリが矢のような勢いで飛び込んでくる。

 メグリは身体強化魔法で最大限に肉体を強化し、こっちが魔法を使う前に勝負を決めるつもりみたいね。


「でもそれは予想済みよ! ストームバースト!」


 メグリの行動を予測していた私は、瞬間的に嵐を巻き起こす風属性の範囲魔法を放つ。

 この魔法の良いところは、術の制御に集中する必要がないから発動が早く、しかも相手の回避が困難な範囲魔法だというメグリ相手には最適の魔法だった。

 さらに放たれた暴風によって相手を後方に押し返す効果もある。


「つまり、時間稼ぎに最適の魔法って事よ!」


 魔法が弱まるまで、メグリの侵攻速度は遅らせる事が出来る。

 その僅かな隙を突いて、私は本命の魔法を発動させた。


「フリーズアース!」


 試合舞台の床から氷が湧き上がり、私の周囲を守る様に覆っていく。


「これは⁉︎」


 氷は私の周囲だけでなく、試合舞台全体を埋め尽くしていく。


「うわぁぁぁぁっ!」


 湧き上がる氷に驚いた審判が慌てて場外へと避難していく。


「くっ⁉︎」


 メグリが回避を試みるけれど、氷は試合舞台全体から湧き上がってくるから逃げ場はない。

 何より、さっきの魔法でメグリは試合舞台の中央にいる。

 審判の様に場外に逃げる余裕なんてないわよ。


「なら空に……っ⁉︎」


 空に逃げようとしたメグリだったけれど、既に空が氷に覆われていた事に気づき愕然となる。


「ふふ、この氷は私の意思に従って動かせるのよ」


「ならっ! ウインドブラスト!」


 メグリが風の魔法で氷の壁を破壊していくけれど、それは焼け石に水。

 メグリが壁を破壊する速度よりも、氷が生成される速度の方が上だもの。


「その魔法、レクスに教わったみたいだけど、相性が悪かったわね。せめて火属性の魔法だったなら氷を溶かす事が出来たのに」


 メグリは諦める事なく氷の破壊を続けるも、とうとう氷の壁に覆い尽くされて姿が見えなくなってしまう。

 氷はさらに分厚く試合舞台を覆いつくし、遂にはメグリを完全に閉じ込めてしまった。


「はい、おしまい」


 試合舞台を埋め尽くした氷の上で、私は勝利を告げる。


「うぉぉぉぉ⁉︎なんだあの魔法⁉︎」


「凄い!試合舞台が氷漬けになっちゃった!」


「こんな魔法見たこともないわ!」


 観客達が氷漬けになった試合舞台を見て驚きの声を上げている。

 ふふっ、魔法使いとして、自分の魔法で観客を沸かせる事が出来たのは、ちょっと自慢できるわね。


 まぁ、お陰で魔力がゴリゴリ削れたんだけどね。

 正直見た目ほど余裕じゃなかったわー。


 レクスの教えてくれる魔法はどれも強力なんだけど、その分魔力の消耗が激しいのが問題だわ。

 一応魔力量が増大する修行ってのも受けてはいるんだけれど、魔力が増える端から魔力消費の多い魔法を覚えさせられてるから、あんまり魔力が増えた気がしないのよね。


 とはいえ、これを喰らえばメグリといえどもどうしようもないでしょ。

 回避する事を許さず閉じ込めるこの魔法は、軽戦士や盗賊にとって天敵と言えるのだから。


「けど閉じ込められたあの娘は大丈夫なのか?凍ってないか?」


 ふふ、その心配は無いわよ。

 レクスの作ってくれた防具は魔法に対する防御能力も高いんだから。

 それにこの魔法は相手を封じる事が目的の魔法、殺傷を目的とした魔法じゃ無いってレクスも言っていたわ。


 ……まぁレクスの説明だからちょっと怖いけど、そこはレクスの作ってくれた防具の性能を信じるとしましょう。

 なんだったら勝敗が決した後でジャイロに氷を溶かすのを協力させればいいものね。


「審判、勝敗の確認をしてくれる?」


「え? あ、はい!」


 呆然と試合舞台を眺めていた審判が私の声で我に帰る。

 そして試合舞台の外をぐるりと回って氷の中に閉じ込められたメグリを探す。

 氷が白く濁っているから、そんな事をしてもメグリの様子を見ることは出来ないんだけどね。


「けど、レクスが使った時には氷は透明だったのよね」


 レクスが同じ魔法を使った時は、もっと大きな氷がまるで宝石みたいに透明だったのに。


「何が違うのかしら?」


 やっぱり実力かしらね?

 認めるのはちょっと悔しいけど。

 なんて事を考えていたら、審判が一周して戻ってくる。


「メグリ選手の姿を確認出来ませんが、この状況では動く事は不可能と判断しました。故に、この試合!ミナ選手のし……」


 勝利、そう審判が告げようとした瞬間。


 ボゴンッ!


 私の足元の氷が砕けた。


「えっ?」


「はぁぁぁっ!」


 氷の下から現れたのは、メグリだった。


「嘘っ!? なんで!?」


「短剣で削ってきた!」


「はぁぁぁっ!?」


 何それ!? 削った!? どうやって!?

 完全にバランスを崩した私は、容易くメグリに組み伏せられてしまう。


「ど、どうやって……」


「魔法で氷を壊して隙間をたくさん作った。この短剣はレクスが作ってくれたものだから、切れ味が凄い」


「あれはそういう!?」


 そうか、メグリが魔法で氷の破壊を続けていたのは、逃げ場を作るためじゃなくて閉じ込められた先で氷を削りやすくするためのだったのね。

 そして身体強化魔法とレクスが作ってくれたバカみたいに切れ味の良い短剣を使えば、氷を掘り進んでくるのも不可能じゃないって事か。


「迂闊だったわ。レクスの装備の性能をもっと警戒するべきだった」


 防具の性能をわかってこの手を打ったのなら、武器の性能も考慮するべきだったわね。

 氷が不自然に白かったのも、メグリが手当たり次第に砕いていたのが原因だったって事か。

 もしかしたらアレは目くらましも兼ねていたの?


「っていうか、氷の塊を短剣で削って掘り進んでくるなんて思ってもいなかったわ」


 はぁ、これはメグリの発想力を侮っていた私のミスね。


「私の負けよ」


「ミナ選手のギブアップにより、メグリ選手の勝利ぃぃぃっ‼︎」


「「「「「おおおおおおおぉぉぉぉっ!!」」」」」


 審判の宣言を受け、観客席が騒然となる。


「一瞬で終わっちまったけど凄い試合だったぞぉぉぉ!」


「ああ、あんな状況で勝ったあの娘も凄いが、負けた子の魔法も凄かったな!」


「龍姫様の戦い以外でこんな凄い試合を見れるとは思わなかったぜ!」


「凄かったぞ嬢ちゃん達ーっ!」


「負けた方の姉ちゃんもまた戦ってくれよなーっ!」


 あら? なんだかわかんないけど、負けたのに好意的な反応ね。

 ちょっと意外だわ。

 とはいえ、こうやって観客の反応を見ると、自分が負けちゃったんだなって実感するわ。


「あー、負けちゃったか」


 あー、やっぱちょっとだけ悔しいわ。

 けど、仕方ない。

 そもそも魔法使いが接近戦をする時点で間違っているのよね。

 寧ろ今までの試合を勝ち残ってこれた事の方がおかしいんだから。


「おめでとうメグリ」 


 私は気持ちを切り替えてメグリを祝福する。


「ありがとう。けどこの勝利はやっぱり私に有利だったから手に入れる事が出来たもの。これが狭い会場内の試合じゃなかったら、遠距離からの魔法で近づく事も出来ずに負けていたと思うから」


「それこそたらればの話よ。アンタは勝ったんだから、もっと胸を張りなさい」


「……うん、ありがとう」


 もしかしたら、メグリも仲間に勝った事を申し訳なく思っているのかもしれないわね。

 けどそれを言うと、私も勝つためにかなりの事をしている訳だから、メグリを責める事なんて出来やしないんだけどね。


 ……ただまぁ、折角アイツに応援してもらったのに、負けちゃったのはちょっと残念だったかも。


 ◆


「お疲れ様」


「お疲れ様です!」


 試合を終えて観客席に戻ってくると、リリエラ達が出迎えてくれる。


「ジャイロ達は?」


「あの二人はそろそろ自分達の試合が始まるからって席を外したわ」


 そっか、男達も試合があるんだものね。

 わざわざギリギリまで試合を見ててくれたんだ。


「彼、試合中も貴女の事を応援してたわよ」


 ニヤリとリリエラが笑みを浮かべる。


「どうせメグリの事も応援していたんでしょ?」


「まぁね」


 分かってるわよ。あの馬鹿とは付き合いが長いもの。

 同じチームの仲間だからって、どっちも応援してたくらい分かるわ。


 と、そんな事を考えていたら、リリエラがけどねと付け加える。


「貴女が負けた時、彼凄く悔しがっていたわよ」


「……そうなの?」


「ええ、そうよ」


 ……悔しがっていた、か。

 ……うん、まぁ……負けちゃったけど……少しだけ悔しくなくなった気がするわ。

ミナ(:3)∠)_「負けたー(ショボーン)」

リリエラ(:3)∠)_「ジャイロ君に慰めてもらったら?(ニマニマ)」

ミナ(:3)∠)_「その言葉レクス相手でも言えんのかオラー」

リリエラ(:3)∠)_「ゴフゥッ!(ブーメラン)」

メグリ(:3)∠)_「(どんぐりが背比べしてる……)このメンツ恋愛弱者多すぎ」

リリ/ミナ(;゛゜'ω゜'):「本音が隠れてない⁉︎」

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