妄想はほどほどにね! 高校入学編 ~1~
いまをときめく高校生 彼女は今年の春高校に進学したばかりだ
可もなく不可もなく無事中学を卒業し、高校受験には近所にある高校に推薦入学するぐらいの
ごくごく平凡な当たり前の日常で育った ふつーの高校生である
彼女には秘密がある。 それは 妄想が得意であるということ・・・・・
おはようございまーす
桜はもう大分散り始めた四月の初旬 卒業式からまもなく一ヶ月がたとうとしていた
今日、四月五日は入学式である。
私立桜ノ宮第一高等学校に無事合格した桜 渚(さくら なぎさ が通う高校であり
卒業した中学校の近くであり、家からさほど遠くない場所にあり、歩いて通うことのできる高校だ。
期待に胸をふくらませながら、彼女は今日新しい学校に早くなじもうと・・・・・していたのかもしれない。
「ん~今日から高校生やわーw 新しいわーw これは妄想もはかどりそうね!」
朝から何を言っているのかわからないと思うが、これが彼女の日常。
「とりあえずっと・・・・角を曲がったら急いで歩いてきた男の子にぶつかるってゆめよねー」
妄想中~
はぁ 遅刻遅刻! いそがなきゃ・・・
今朝彼女は遅刻しそうになっていた
目覚ましがならずに慌てて起きた時にはもう遅く 7時30分をまわるところだった
学校まで急いでも25分かかってしまう。始業の時間はもう40分もないぐらいだ。
「やばい! 遅刻しちゃう!!! もうーなんでおこしてくれなかったのー???」
そう問い詰めたのは彼女の母である つまりマザー。
「お母さーん!! ちゃんとおこしてよー!!」
「母さんおこしたわよ? あなたが起きなかったんじゃないの・・・・。どうせまた夜更かししてたんでしょ? 自分のせいじゃない。」
そんな朝の小言をよそに、彼女は急いで支度をしていた。
「制服 制服~ 靴下 靴下~ あっと かばんかばん!」
「いってきまーす!!」 元気な掛け声とともに家を早々に出発した。