最終話 全部独り言?
レオ「ちょ、え……? 埃? 埃って言った? 今、。魔王軍がマリンちゃんのお店を物理破壊クラッシュしてるって時に、。埃摘んでんのぉおおお!? ねぇ! 冗談きついっすマジでー!!」
ヘッペはレオニウスを見向きもせず、。摘み上げた埃を日光に透かし、。恍惚とした表情で呟く。
ヘッペ「ふん。いいか? 栗頭。世界が滅亡デリートしようと、。マリン私欲が損壊エラーしようと、この埃データの美しさは、不変スタティックだ。磨け。その|不純物まみれの|命乞いを」
レオ「ひぃいいいい! 怖い! この女、。目がマジっす! ベリック! 助けて……あぁ、。お前はしゃもじシャモズで幸せの絶頂バグだったぁああ!!」
レオニウスは、。もはや頼れるものが勇者一行バグの塊しかいないことを悟り、。石畳に額をずりずりと擦り付けた。
レオ「お願いしますぅううう! 何でもします! マリンちゃんさえ、。マリンちゃんのお店さえ無事なら、。国家予算ATM全部あげちゃう! 暗証番号も教えちゃう! だから、。お願い……助けてぇえええ!!(号泣)」
ヘッペ「(ゆっくりと立ち上がり、。レオの頭上から冷徹な視線を落とす)
いいか? レオニウス。『何でもする』コストの提示遅いんだよ。|メモリが不足オーバーフローしている。お前が今まで踏みにじってきたデリートしてきた|民草の嘆きログその累積エラー罰を、。今ここでキャッシュ清算する時が来たのだ」
メイ「おい、。靴下。こいつ、。暗証番号教えるってよ。 ついでに、。その不揃いな髪マロン、俺が|物理的に刈り取ってデリートやろうか? 邪魔なんだよ、。土下座の角度が甘めーんだよ!」
ヘッペ「待て、。メイ。…レオニウス。お前の地位権力。財産パケット。虚栄心アドウェア。それら全てを、|土下座という名の初期化フォーマットに捧げろ。世界を救うのは、ついでバックグラウンド処理だ。お前が、。|完膚なきまでに|人間を辞めるデリートするのが、先だ。」
佐藤「あー!デコから血!デコ血栗頭!これはもうアレだ、ルビーデコレーションマロンなにかスイーツ!うん。」
レオ「ルビー!? 血が出てルビーって……! はぁああ!!痛い! 痛いし怖いし
マリンちゃんんんんん!!(絶叫)」
ヘッペ「これを見ろ、これが何に見える?」
ヘッペはレオニウスに両耳に垂れ下がる靴下をピーんと上に伸ばして見せた。
レオ「ひぃいいい!!鬼!怖い!鬼!?」
ヘッペ「良いか、これは絶対だ。お前はこれに絶対に逆らえないのだ。」
レオ「俺は心を入れ替えたー!チーーン、はい、ご主人さま!!なんでしょうか?なんでもー、おっしゃってー、いっちゃってーうぃっした!」
こうしてヘッペの催眠術的な何かでレオニウスは何でも言うことを聞く様になった。
————
レオ「はい、ご主人さま! マリンちゃんを電子レンジで加熱して、醤油をいっちゃってー、うぃっした!」
佐藤「あー、え? 魔王、エリンギ。一本折れて、エリンギだねぇ」
メイ「あぁ? エリンギなら俺が千切りにしてやるよ! そのデコ血をメルカリの送料に上書きしろ!」
会話はもはや、言葉の形を保っていなかった。
ヘッペ「おい、貴様らどうかしたのか!? しっかりしろ!」
ヘッペが戸惑い、仲間の肩を掴もうとしたその時、三人が一斉に静かになり、慈愛に満ちた表情でヘッペを見つめた。
アルヴィス・佐藤・メイ・レオ
「さよなら、ありがとう。ここは……」
光の中に溶けて消えていく仲間たち。
「……っ!!」
ガバッ、と六畳一間のボロアパートで、煎餅布団から跳ね起きたのはヘッペだった。
額には大量の汗が流れている。
ヘッペ「……あれ? 夢か? ……そんなはずは! みんなっ!」
心臓の鼓動が耳元でうるさく鳴る。ヘッペはなりふり構わず、裸足のまま玄関のドアを勢いよく蹴破るように開けた。
しかし、その視線の先にあったのは、いつもの日常の風景。
排気ガスの匂い、遠くで聞こえる工事の音、色褪せたアスファルト……。
石畳も、草原も、騒がしい仲間たちも、そこにはどこにもいなかった。
ヘッペ「……。……。……」
すべて夢だったとでも言うのだろうか。
ヘッペは力なく肩を落とし、開け放たれたドアをゆっくりと閉めた。
ヘッペ「ふん。変な夢を見たな……。だが、関係ない」
ヘッペは再び、静まり返った部屋の中央に座り直した。
そして、誰もいない壁に向かって、朗々と声を張り上げる。
ヘッペ「ふん。
私は独り言マスター、ヘッペ忽必烈だ!
今戻ったぞ! さあ、みんな、魔王討伐の作戦会議を始めようではないか!」
壁のシミに向かって不敵に笑うヘッペの姿を映しながら、物語は静かに幕を閉じる。全てヘッペの妄想だったのか…或いは…
(完)




