マロンの焦燥と毒舌の略奪者
王宮のメインフレーム謁見の間では、レオニウス卿が左右非対称の髪を振り乱していた。
伝令「レオニウス様! 街外れで魔王軍による略奪と破壊が開始されました! そして……魔王から言伝パケットが届いております!」
レオ「えー、なに、もー! 『プリズン・ブレイク』観るどころじゃないじゃーん! で、組織の連中……じゃなくて、魔王がなんてなんて?」
伝令
「はっ……
『勇者を寄越せ、ゴミは要らん。この栗頭め。あ、あと、バーカバーカ』
……以上です!」
レオ「……なっ! あっ!! ちょっとー! あの勇者呼んでー! もう頭に来てるー! 何かが頭にスコーンって? スコーンフィールド?って来てるー! おいベリック!! 早く呼んできてぇえええ!」
一方、噴水広場。
佐藤「あー、え? あいつ、困ってんじゃね? 困り、散らかしてる、うん。おそらくぅ、コマリーがそこかしこ! うん、散らかりまくり! ボリビア、越えて、いま、コマリー共和国。どこそれw ねぇw 知らんけどw 入国、した、うん!」
ヘッペ「ふん。いいか? アルヴィスよ。レオニウスが誘いに来ても、決して応じるな」
アルヴィス「どうしてですか!? それではこの世界がほろ――」
ドーン!!! グワシャッ!!(遠くの建物がクラッシュ崩壊する音)
佐藤「やばい。やばくない? これ、ねえ。来てる、うん。もう来てるよコマリー共和国が!」
ヘッペ「ふん。世界など知ったことか。狼狽えるんじゃない。絶対に断るんだ。アルヴィス、信じろ」
そこへレオニウスの部下たちが血相を変えてログイン乱入してきた。
部下「あぁ! いたいた。レオニウス卿がお呼びだ! 早く城まで来るんだ!」
ヘッペ「断る」
アルヴィス「っ! いええぇーー嘘です嘘! 今行きま――」
佐藤「てぇーーーーーーーーい」
「あーおい、お前らうるせーな、さっきからよぉ!!」
ベンチで横になっていた小柄な少女が仏頂面で起き上がった。
「おい、人が昼寝してんのにピーヤラヒーヤラうるせーんだよ! あぁ? 死ねよカス! ついでにその鼻の下、ペンチで引きちぎるぞ!」
佐藤「かっわいい。あの、タイプ? うん。でもね、あのね、ピーヤラもね、ヒーヤラも言ってない何一つw うん。ねね、名前なんてーの? なんてなんて、ねぇ」
「ボフッ!!」
(※この物語はフィクションであり、佐藤の膝の皿には特殊なダンボールクッションが当たっています)
佐藤「いったーーーーーーーーーぃ、。もう、ダメ。膝の皿ハードディスク、。粉砕!」
アルヴィス「貴様! 私たちの仲間に何てこ……っ! き、君は!! 大盗賊のメイ!!」
メイ「あぁ? 俺を知ってんのか。なら話は早ぇな。おい佐藤とか言ったな、テメー鼻の下伸ばしてこっち見てんじゃねーよ、キメェんだよ! 迷惑料だ、金貨20枚だ。早くしろ、ブチ殺すぞ!」
ヘッペは、耳の「ソッ(靴下)」をたなびかせ、不敵に笑った。
ヘッペ「メイ、とやら。いい話があるのだが……聞かぬか? 金貨20……いや倍以上になる話なんだがな」
メイ「あんだ? 奇妙な女だな……? 良いか、テメー。嘘だったら、その靴下みたいな耳、ちぎってデリート塩辛にすっからな。わかってんだろうなぁ?」
こうして、世界を救うはずの勇者一行に、口の悪すぎる狂犬武闘家 メイが加わった。果たして、この不条理な契約アドウェアは、どこへ向かうのか。
魔王城、玉座の間
側近「魔王様、ヤツらに言伝が伝わったみたいでございます」
魔王「ふふふ。効いてるぞぉ……バーカバーカって言っちゃったもんねぇw 怒り散らかして勇者を差し向けてくるぞーw きへへへ!
あ、今の笑い方かっこよかった? もう一回やる? きっ、きへっ、きへへへへ!!」
側近「(……本当に、このまま待ってていいんだろうか……)」
武闘家 メイが勇者パーティに絡んできている…
ヘッペ「ちょっと聞いてくれ…」
メイはヘッペの問いかけに耳を傾ける
ヘッペ「メイ。いいか? 金貨倍増、興味はないか? 魔王討伐など破棄だ。……やることは一つ。『何もしない』だ」
メイ「はぁあ? あんだそりゃ? テメェ、舐めてんのか? 魔王でも討伐しなきゃ金にならねーだろ!」
ヘッペ「まぁまぁ落ち着け。その内、栗のような頭の男レオニウスが、。自らATM自動現金預け払い機となって、。……ここへログイン参上するはずだよ。」
一方 王宮
レオニウス卿は、髪を振り乱しながら左右に行ったり来たり。
レオ「ヤバ散らかす?ヤバ散らかすとは! ヤバ散らかすとはこの事かぁー! ベリック! そうだベリックどこだよ!あーー 続きも観たいしおしっこしたいし、もう限界突破ーっ!」
その時、レオニウスのスマホのようなモノがけたたましく鳴る。
スマホ「レオ様ぁあー助けて〜! なんかぁ、ニョロニョロしたやつがキモいきゃぁあ!! ツーツーツー……」
レオ「!!!!っ!! マリンちゃん!? おーいおーい!! 俺のマリンちゃんがぁあ!!」
こうしちゃ居られん! と、。レオニウスは私欲エゴの塊となって城を飛び出した。
噴水広場では、アルヴィスが佐藤と談笑し、ヘッペは床に微笑んでいる…
ヘッペは地面に這いつくばり、床に散らばる珍しい埃を指で摘みながら、頬を赤らめ興奮していた。
ヘッペ「むっふふ…この|未発見の粒子データ。たまらない♡」
レオ「あっす……もー、なんでっ、(はぁはぁ…)
城に来いって……呼んだじゃーん! あ! ベリック! おま何やってんだよーマジでー!」
そこには、口に「しゃもじ」をねじ込み、悦びに浸るベリックの姿があった。
ベリック「ひべれないろれふ! ふみまへん! あんか……いいれふねこふぇw」
※喋れないのです!すみません!なんか…いいですねコレw
佐藤
「無駄だよ。彼はいま、しゃもじをー、口にー、ネジこむ?ネジこむ事にー、どうしようもない程のー衝動!衝動に駆られまくっている!
この魔法、名付けて『シャモズ』! ははは!
僕のは白魔法だからね、補助的な? 幸せにする系の? ヤツだよ、うんw」
メイ「テメェなんの効果だよそれ! もっとマシな魔法ねーのかよ」
アルヴィス「素晴らしいですね佐藤さん! 見てください、ベリックのあの幸せそうな顔www」
レオ「ちょっと……w なにこれーねー緊張感? 緊張感どこにもなくねえ? マリンちゃん今やべーっすマジで、なー! 早く魔王やっちまってきてくんねー? なる早で!いや?ちょっぱやで!」
ヘッペ「(埃を摘んだまま)
断る。悪いが今、床の埃に…
♡夢中なの。ほわぁ…」
レオ「え……? ちょ、。……ええええええ!?」
壊れゆく街、ニョロにあんな事やそんな部分をちょちょってされてるマリンちゃん…
どうなってしまうのかっ!!




