蒼い狐
掲載日:2026/01/23
後味悪いです。
とある日常の学校帰り。
その日はいきなり雨が降り出した。
今朝の天気予報では一日中晴れの予報。
もちろん、彼は傘なんて持っていなかった。
しかし、雨は止む所か次第に激しく大地を叩く。
避けられない雨に、彼は仕方なしに走った。
走る度の跳ね返りで、靴の中までぐしょぐしょだ。
いつもの通学路。
ふと目をやると、ひっそりと朱い鳥居が立っていた。
こんな場所に神社なんてあっただろうか?
見慣れぬ参道を雨宿りできればと怪しみながらも抜けると、狛犬ならぬ狛狐が神社を護っている。
そうして不思議なことにその狛狐、傘が縛り付けてあったのだ。
何年も昔に誰がくくりつけたのか、傘は錆びて穴だらけ。
無いよりはいいかと、彼は傘を拝借する。
傘をさして参道を歩き、鳥居を潜るといきなり雨は止んだ。
大きい虹が空を渡る。
彼は不要になった傘を道の脇に投げ捨て、帰路に着いた。
その姿を、虹に座りながら見詰める青い姿。
狐のように見えたそれは、宙をクルッと回ると消えた。
――数日後、彼は居眠り運転のトラックに轢かれて亡くなったと言う。
因果が巡るとしたら、原因はあなたにもよく分かるはず。
おしまい。
読んでくださりありがとうございました。




