プロローグ
新連載は、テューラ・ア・ダンマーク王女の人生やり直し戦記物です。
恋愛あり、技術開発有り、戦争有り、もりもりのお話になる予定です。
”1945年5月9日、帝国ついに無条件降伏す”
だいぶ黒っぽい新聞の見出しはでかでかと書かれた戦争終結の文字。
私が生き返ってから早62年、今では見事な老婦人になっていた。
「どうしました?そんなに新聞を眺めて」
私の目の前にいる旦那のニールスが声をかけてくる。
「長かった…と思っただけよ」
まさか前世で結婚できなかった私が、結婚し3人も子をなすとは思わなかった。
輪廻したと気が付いたのは3歳のころ。
ダンマーク王国の王女として2度目の人生を歩むことになった私は、より良い国とするために歴史に干渉することにした。
そこから47年、自分の知る歴史知識を駆使して、そしてかけがえのない仲間たちと共に二回の世界大戦を生き残るために最大限努力してきた。
「少し昔を振り返っていただけよ」
「テューラはとても働き者だよ。今も働きすぎだと思うけれど」
「ニールスから見て私は今も健康そのものでしょう?」
「そうだけど、私も君ももう歳なのだからあまり無理をしてはダメだよ」
ニールスの言う通りだけれど、ニールスのほうがもっとおじいちゃんなのよ。
77歳にもなってまだお医者様として仕事をしているんですもの。
私は今年で65歳、前世ではこの歳に亡くなった。
確かにそろそろ身の回りの整理をしてもいいかもしれない。
試しに自叙伝でも書いてみることにしてみましょうか…