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初めてのリタイア、三度目のリスタート  作者: 好きjaね
第1章 二度目の始まり
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詳細不明のSクラスとその全貌

今日中にもうに加算本上げます。



「え?カケル見つかった?マジ?」


『ええ。ドローン飛ばしたらいつもの屋上で座ってました。あそこはロボ登れないんで大気にやらせてください』


強盗事件を解決し教室に戻ってくると白川先生がスピーカー電話していた。相手の声は聞いたことがない。


「先生ただいま!カケルみつかったみたいだね」


「最上、話は聞いたか?」


「聞きました!カケルのいる場所に行ってこいってことですね」


「そういうことだ。頼んだぞ」


「りょうかいでーす」


「私も言っていいですか?」


今にも窓から飛び出しそうな最上くんを声で抑えて問いかける。だがその質問には質問で返ってきた。


「なんで早瀬が行く必要あるんだ?お前とカケル...時崎はまだ顔を合わせて間もない。前から知り合いの大気だけで十分だろう?」


「それはそうなんですけど....。私のせいで彼は気分を害したみたいだったから謝らないと...。それに....」




彼のことをどこかで見たことがあるんです_____



そんな憶測で連れて行ってもらえるはずがない。開きかけた口を閉ざして下を向く。胸の奥を痛める衝動を噛み締めながら....




「何か理由があったかもしれないが今回はどちらにしろ無理だ。早瀬には今から私と個人面談をしてもらう予定だしな。まぁ時崎と何があったかは()()()()()()()()がこれから同じクラスなんだ。話す機会は必然的に訪れる。その時にしてくれ」


「......はい」


「そういうことだ最上。裏もとれたしこれから早瀬と面談をする。カケルのところに行ってきてくれ」


「はいはーい。ならささっといってきます!!」


そういうと彼は一つ崖開かれた窓から悠々と出ていった。一見、飛び降りに見えたもののその後空を飛んでいた。先ほどの強盗犯確保の時も犯人を浮かせていたため人や物を浮かせる念動力系統の異能力者かもしれない。


「それでだな。早瀬にはもう一つ大事なことを教えないといけなかったんだよな。まぁだいぶ長い話になるしこれでも飲んでから始めようか」


先生がそう言って取り出したのは透明な水でもなく緑鮮やかな緑茶でもなく、水色と紫と足したような何色かもわからない飲み物を出された。多分だけどこの世の全ての人はこの液体を飲み物とは認定しないだろう。もちろん私も。


「ちょっと待ってください。なんだか私の人生で最も怪しい飲み物なんですけどできれば商品のラベルとか見せてもらえませんか?私アレルギー体質ですし」


「安心しろ。お前にアレルギーがないことも知ってるし、この飲み物にアレルギーに反応するようなものは一切入っていない」


「いやでもこの見た目はちょっと……」


「この液体にはすごい効果があってな…」


「え、今液体って言いましたよね?これって飲み物なんですガッ!!」


「ごちゃごちゃうるさいから飲め!!」


コップを無理矢理押し込まれ正体不明の液体が流れ込んでくる。味はなぜかしなかったが、頭の中が掻き回されているような気がする。今日まで生きてきた自分がまるで走馬灯のように......





「これは....誰?」


そこに写っている人物は間違いなく私だ。そして彼だ。だけどあんな服を着た覚えも、あんな家に住んでいたことは.........ない?


「オーケーオーケー、順調みたいだな。早瀬、それはお前の過去の記憶だ。最も異能によって偽物の記憶と入れ替わった前のやつだがな」



一体いつから?思えば心当たりがないわけでもない。私がこの異能都市に来た前に少しだけ何も覚えていない期間があった。正確にはずっと真っ暗な世界、記憶のフィルムで例えればそこだけをカットされた感じだ。その時に記憶をすり替えられたとしたら?あり得ない話ではない。


「…………」


いきなりの情報開示に私はただ呆然とするしかなかった。


「まぁ当然の反応だな。5年間ずっと騙され続けていたなんて聞いて信じられるわけがないよな。でも事実だ。5年前この都市が完成してからその当時のこの都市のトップ本島にいる全ての異能者をこの都市に運ばせた。そして輸送機できた君を含む全てな異能者が検査と称した隔離期間に入っている時に上層部のとある作戦を私達は知ってしまったんだ」


「…作戦?」


私は脳が揺れているのを自覚しながら問いを出した。心なしか話す先生の声も暗くなる。


「その作戦は簡単に言えば兵器化とある人物の殺害だった。標的は不明だが未来ある子供も大人も全て平気として有効利用しようとしていたんだ。私含めSクラスの教師4人はそれを阻止しようと当時11歳の代だった少年4人含む当時のSクラス生5()()とある女性とら共にクーデターを起こした。順調だったんだ。ほとんどの構成員を捕獲して残りは幹部含めて10人ほどだった。だけど我々の中の裏切り者(ユダ)のせいで全てが台無しになった。死人をだした。あの人も.....。最悪の一歩手前として我々は上層部をこの島から追い出すことに成功した」


それが私の記憶になかった間に起こったことなのだろうか?突拍子すぎて信じることはできないがなんでかしっくりした。私のさっきまでの違和感と記憶がバッチリあったからだ。これが何歳のことかはまだ分からない。だけどその記憶に映っていた彼は間違いなく........


「この学校は君達が眠っている間の1ヶ月で作ったものだ。君たちの記憶に埋め込まれた風景を模して作ったものだ。1人建築ができる奴が仲間にいたからな。あとは知っての通り、5年間ずっと何も知らない訪問した異能者が生活し続けていた」


「ならなんでこの液体を全員に配らないんですか?この液体があれば全員が今の状況を理解してくれるんじゃないですか?」


「そうしたいのは山々なんだがこの液体は開発に大量のコストと時間を要する。今飲んだのが一人用なんだが作るのに2年ほど掛かるんだ。この都市全員に配るとすればそれは一体何世紀後になるか、っていう話だ」


「.....そんな情報を開示して何が目的なんですか?私に何をして欲しいと」


だんだん頭痛が治まってきて楽になった。私は先生の目を見る。脅迫をしようという感じではない。どちらかと言ったら懇願をしようという人の目だ。


「私たちの力となって共に悪を倒せとは言わない。それはなすべきことをなさなかった私たちの責任だ。だがSクラスの君の学力や異能の力量は聞いている。どうかその力をここにいる人達に使ってほしい。君の知っての通りこの都市には度重なる理不尽に襲われる。奇しくもそれも本国にある上層部のせいなんだけどな」


「えっ!!じゃああの怪物がっ!!」


私は立ち上がった。あの怪物たちが人為的に発生された物だったなんて。怪物のせいで昔、芽衣が大怪我をした記憶が蘇った。あれは確か4年前、ってことは作られた人為的な記憶だけど怒りが露わになる。ここまで私を、この都市全員を弄んだその上層部の人間に......


「先生、その上層部の人間っていうのは誰なんですか?」


「それはお前が知る必要はない。言ったろ?復習に手を借りるつもりはないと」


「ですがっ!!私は許せません。こんなに大勢の人を私利私欲のために利用しようとしているその人た.....」


「........一つ言えるのはアダム教と関係していることだ」



ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリ!!!!!!!!!!!!!!!


突然の警報。現在、この異能都市では2パターンの警報が存在する。一つはサイレン音、街中に異能を駆使した犯罪者がいるという警告だ。もう一つはこの街に怪物が、凶暴化した異能者崩れが降ってくるという目覚まし音。今回の場合は後者だ。


「怪物だ。早速だが対処に当たってもらう。もちろんこの話は口外禁止だ。私に質問することもな」


それだけ言って先生は教室を後にする。追いかけたい気持ちがあった。たくさんの質問をしたい、誰がこんなことをしたのか?何でアダム教を信仰してはならないのか?だが私の身勝手な行動で怪我をする人を見たくはない。





私は自分の異能を発動して現場へと向かった。






「本当に全てが似ていますよ。先輩_________________________」




誰もいない教室で白川が声に出したその言葉はなぜか震えるほど弱々しく聞こえた。




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