ワシだって若返って青春したいんじゃーあ!
ワシの人生は、苦悩と漁師の仕事だけの人生じゃった!
子供の頃は、8人兄弟のワシは長男で母親に甘える事もできんかった。
父親は漁師で、朝早くから海に出て魚を取る仕事。
ワシは小学校もろくに行かずに父親の漁師の仕事を手伝わされた。
だからワシは、読み書きがあまり得意ではない。
弟や妹達には、ちゃんと学校に行ってほしいとワシは父親の後を継ぐ。
必死で80年間、がむしゃらに頑張ってきた。
ワシは18歳の時に、地元の女の子と結婚して娘が2人産まれた。
今では娘2人とも、地方の男と結婚で嫁いで行った。
ワシと連れ添った嫁も10年前に亡くなってしもうた。
ワシは一人、今でも海に出る。
もう歳だと言われても、まだ体が動くうちは漁に出ると決めたのじゃ!
ワシの後を継ぐ者もおらん。
ワシは生涯孤独の身じゃあ。
家に買っても一人でおるのが辛すぎて、町に一軒しかないスナックに
よく足を運ぶ。
ワシが昔から知っておる、【寿子さん】とお酒を飲みながら話すのが
好きじゃった。
・・・でも? 寿子さんが3日前に心臓発作で77歳という若さで
亡くなってもうた。
もうこの町で、昔から知っておる者が随分と減ってしまうたわい。
ワシだって若返って青春したいんじゃーあ!
何度そう思った事か。
今まで、若い時に羽目を外して遊ぶこともなく。
ひたすら頑張って生きてきた。
【ワシの青春が、もう一度戻ってやり直せるなら?】
そんな事を何度も思ったのじゃあ。
・・・だが、そんなある日突然! ワシは若返ってしもうた!
『・・・えぇ!? これがワシか!?』
『これなら、ワシの青春をやり直せるはずじゃあー!』
ワシは若者が着そうな服をまず買いに行った。
今までファッションに興味を持った事がないワシは何が似合う
のかさっぱりわからん!
『いらっしゃいませ~』
『・・・うーん? 何がワシに似合うんじゃあ?』
『どんな服をお選びですか?』
『・・・それが、ワシにもさっぱりわからんのじゃあ!』
『もしよければ? 私がお選びいたしましょうか?』
『いいのか?』
『勿論でございます!』
『じゃあー頼む!』
お店の店員のお姉さんは、今時流行っている服をコーディネート
してくれてワシに選んでくれたんじゃあ。
『物凄くお似合いですよ。』
『ほ、ホントか?』
『えぇ、お似合いです!』
『じゃあ、これで!』
『全部で7万5680円になります。』
『・・・なかなかするんじゃな。』
『そうですね。』
『ありがとう。』
『ありがとうございました。』
今まで服にこんだけ! 金を使う事がなかった。
3枚で500円のTーシャツや1000円のズボン。
安物ばかりで見た目より安いものを買っておったが、、、。
まさか!? 店員さんに選んでもらった服で外を歩くと?
若い女の子達が、ワシに声をかけて来たんじゃあー!
『・・・あ、あのう、今お時間ありますか?』
『えぇ!?』
『良かったら? お茶でもしませんか?』
『ええよ! ワシでよければ喜んで!』
『わーあ! 嬉しい!』
ワシはモテモテ! 今までのワシの人生で最大のモテ期じゃあー!
*
・・・数年後。
ワシは若い妻を5人も射止めた!
正確には、籍は入れておらん!
内縁の妻が5人! その妻5人共に子供がそれぞれおる!
青春ってもんは、最高じゃーあ!!!
このまま、ワシの青春を謳歌するぞ!
最高の青春! ワシの二度目の青春じゃあー!
最後までお読みいただきありがとうございます。




