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歌えない僕は
いつかさ、また会おうよ
そう彼は私に言い残していった。
僕が
いつか歌手になったら、必ず会いに行く
いつも彼が私に言っていたこと。
そして私は、彼のために絵を描く。
彼はいつも、私の絵をほめてくれた。
まだまだな私の絵を。ダメなところの指摘も欠かさずに。
そして私は彼へ、歌のアドバイスをする。
それがいつもの日課だ。
歌は____________嫌いだ。
私が、‘‘僕‘‘だったころのことを思い出してしまう。
あの頃は、失敗作だった私は
私になることで、完成品になれた。
今は、それでいいのだ。
あんなくさった毎日なんて捨てて、新たな人生を進む。そう決めたのだ。
だから___
ごめんね
もう歌は歌えない