第05話 アダムスの太刀と金
7が揃う。
キィィィーン!!キィィィーン!!キィィィーン!!
キュイィーン!!!キュイィーン!!!キュイィーン!!!
けたたましい音がなり台とんでもない光量で光りだす。
400Cと書かれていた差込口上の表示が見る見る上がって行く。
102,000,400Cという表示になるまでこの音と光りは止まらないんだろう。
そして光りと音が出ると共になんだなんだと人が集まりだした。
「えっ!??あの台で当たりがでたのか!!!」
「すげぇ!初めて当たってるところみたぜ!!」
「まじやばくね」
「おいお前誕生日なのか!?」
「角じゃないのに出ただと!?」
と集まった人たちが一気に騒ぎだす。
中には、おめでとう、すげーなお前、金よこせボケコラカス、と言ってくれる方々もいた。
遠くの方ではカジノの支配人らしき人が泣いているのが見えた。
それから20分程経ち、ギャラリーも少なくなった頃に表示がやっと102,000,400Cとなった。
また当ててもいいが、それはさすがに怪しまれる。
ここで終わるのがベストだろう。なによりこのまま続けるとカジノにハマってしまいそうになると思ったので辞めることにする。
差込口からカードを抜き、カウンターへ持って行く。
先ほどZをCに交換してもらったお姉さんにカードを渡す。
「お客様あの台でお当てになるとは凄いですね。 それではこちらのCはZに換金なされますか?それとも・・・」
「ああ、あそこに飾っているアダムスの太刀と交換してください」
カウンターの奥に飾られているアダムスの太刀を指差す。
「かしこまりました。少々お待ちください」
そう言いお姉さんはアダムスの太刀を持って来てくれる。
「ではこちらがアダムスの太刀になります。残りの2,000,400Cはどうされますか?」
「換金でお願いします」
「はい。それでは換金レートが1C=80Zですので160,032,000Zになりますね」
やばい。一気に億万長者だ。この超幸運とかいうスキル本当にやばすぎる。
しかしこの金は多すぎる。持ち運びもできないので
「じゃあ32000Zだけ頂いて残りは銀行に預けておいてもらえますか?」
カジノはこういうときの為にこんなサービスもしてくれている。
カジノで遊ぶ為には登録が必要で、その際に銀行口座も登録するのだ。
カジノで使う電子カード見たいな物が実生活であれば、買い物や大金の持ち運びなんかも楽なんだけどそういったものはないのでこういうサービスをしてくれている。
「かしこまりました。本日は当カジノをご利用頂きありがとうございました。今後もあなたに幸運があらんことを」
うん。俺には超幸運があるから。今後一生幸運だから。
お姉さんに手を振りながら意気揚々とカジノを出る。
背中にはアダムスの太刀、スキルには超幸運、金も大量にある。
自分の現状を噛み締め気が大きくなる。
手持ちは32000Zだけしかないけども。
あっ!?そういえば
「超幸運状態が解けてるな」
いつからか分からなかったが10分経っていたのか。
昨日身につけたばかりなので制限があることを忘れていた。
忘れたまま打ち続けていたらと思うとゾッとする。
カジノでの滞在時間が短かった為時刻はまだ昼前。
超幸運の力も試せたので特にこれからすることもない。
となればカジノで手にいれたアダムスの太刀の威力を知りたいので
「んじゃまあモンスターでも狩りに行くとするか」