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お風呂入ります

しばらく考え事をしていると夕飯ができて、ダイヤモンドとルビーが大量に料理を運んできた。


「おい、これ4人分にしては多くないか?」


「久しぶりにダイヤモンド様と一緒に料理したら楽しくなってしまって...大丈夫です食べられますよ..たぶん」


ルビー笑いながら誤魔化していた。


「まぁいいか、残ったら明日の朝にまわそう」


そんな会話をしている間にもリコはフォークとスプーンを手に取り早く食べさせろと訴えるかのように俺のことを睨んでいた。

こいつはケーキ2個も食っといてまだ食事を欲しがるのかと呆れながら食事を始めることにした。


食事をしながらさっき決定したことを2人に話す。


「明日のクエストにリコも連れて行くことになった」


「「えっ!?」」


2人とも目を丸くして驚いていた。なので理由を説明する。


「どうせ家にいても転移魔法でついてくるだろうし、なら最初から目の届くとこに置いておいた方が安全だろ?」


「そうかもしれませんが..クエスト中はどうするんですか?」


ルビーが心配そうに聞いてきた。


「SSランクなら余裕だとさ。ドラゴン1人で倒すくらいだからサファイアより強いし心配ないだろ」


ここでルビーよりも強いと言わなかったのはしょげてしまうからだ。しょげたルビーは可愛いけど明日まで引きずられても困る。


「ダイヤモンドは一応リコの面倒を見ながら任務にあたってくれ」


「わかりました」


こうして明日の説明をしながら食事を続けた。結果的に言うと作りすぎたと思った料理は完食してしまった。ちなみに1番食べていたのはリコだった。本当に胃袋が異空間に繋がってるんじゃないかとみんな思っただろう。しかし誰もそのことについては触れなかった。

そして食事が終わり、夜も更けてきたので解散することになった。


「じゃあ今日はこれで解散だな、ルビーは俺が送っていこう」


「ありがとうございます。あっでも片付けをしないと..」


「大丈夫ですよルビー、あまり遅くなるのもよくないので早く帰りなさい」


「わかりました。ダイヤモンド様、後はよろしくお願いします」


ルビーはダイヤモンドに礼を言い、リコの方に行って、


「明日はよろしくお願いしますね、リコちゃん」


と言って頭を撫でた。

リコはいきなり頭を撫でられて一瞬ビクッとしたが、撫でられるのが少し照れたようにうずくまり、小さな声で


「よろしく」


と返事をした。

俺はその2人のやり取りを玄関から眺めて、あの2人は仲良くやっていけそうだなと思い少し安心した。


ルビーと一緒に家を出ると空には月が登り、星が輝いていた。この街の西側は森が広がっているため空気がキレイで星がよく見える。


「わぁーすごくキレイですね」


ルビーはそう言って目を輝かせた。そして少し空を眺めた後に少し真面目な顔をして


「ゲンマ様はダイヤモンド様と...いえ、なんでもありません」


何かを言いかけ、そして少し悲しそうな顔をして、静かに俺の腕に自分の腕を絡ませてきた。


「ちゃんと家まで送り届けてくださいね」


そう言っていつもの笑顔に戻った。


しばらくしてルビーの家に着き軽く挨拶を済ませる。


「送ってくれてありがとうございます。明日もよろしくお願いします。ではおやすみなさい」


「あぁよろしく、おやすみ」


挨拶が済むとルビーは家に入っていった。俺はルビーと組んでいた腕が少しずつ冷えていくのを感じながら小走りで帰路についた。


家に着くとダイヤモンドが片付けを終え、風呂を沸かし終えたところだった。


「お疲れ様です。お風呂沸いているので温まってきてください」


と言ってタオルを渡してきた。


「ありがとな、ダイヤモンド」


礼を言ってタオルを受け取る。そして脱衣所に向かった。脱衣所で服を脱ぎ鏡を見る。自分の顔が珍しく少し疲れていることに気がついた。


「まぁ色々あったからな..」


そう呟きながら風呂に入っていった。

風呂に入ると先程まで感じていた寒さは嘘のように消え去った。

風呂に肩まで浸かりリラックスしていると誰かが脱衣所に入ってから音が聞こえた。

ダイヤモンドが何か伝えにきたのかと思い耳を澄ませていると、パサパサと服を脱いでいる音が聞こえる。ダイヤモンドが風呂に入ろうとしてるのかと思い混乱した。それは混乱する。だってダイヤモンドは大人の女性でスタイルもかなりいい。そんな彼女の裸体を間近で見てしまったら年頃の男の子は大抵ひとたまりもない。

それはまずいとかなり遅れて結論が出て、風呂に入ってくるのを止めようと声を出そうとした瞬間、風呂場のドアが開いた。

まずい!!と思い、とっさに目を閉じた。

目を閉じるとすぐにシャワーの音が聞こえてきた。混乱している俺は慌てて話しかける。


「ダイヤモンド!まずいって、俺まだ入ってるから!」


そう言うと体を流し終えたのかシャワーの音が止まった。やっと気付いて出て行ってくれると思い、ホッとしているとまさかの浴槽に入ってきた。俺は焦りすぎて変な声が出た。


「ひぃゃぁ!?」


それに対してやっと返事が返ってきた。


「うるさい..こっちせまい..もっとそっちいって」


「...........ほぇ?」


俺はアホみたいな声を出して目を開ける。すると目の前にすっぽんぽんのリコがいた。

混乱していなければすぐにわかることである。ダイヤモンドはタオルを用意していてくれたのに俺が入っているのを忘れるはずがないのだ。入ってくるとすればその場にいなかったリコしかいない。


「なんだお前かよ、よかったー危うく大人の階段登っちまうところだったぜ..って別によくねぇよ!なんで入ってきてんだよ!!」


ダイヤモンドほどでないにしろリコと一緒に風呂に入るのも相当まずい。4歳くらいの頃ならまだしもすでに少し成長を始めた少女の身体は目に毒である。


「きょうはさむかった。だからおふろはいってあったまる」


だめだ会話が成立しない。


「あぁもういいよ俺が出るから。しっかり温まってこいよ」


そう言い残し風呂から出ようとするとリコが足を掴んできた。


「ゲンマまだあったまってない」


お前のせいだろ!とキレそうになりながらも心を落ち着かせリコに話しかける。


「お前も裸見られたら恥ずかしいだろ?」


「ぜんぜんまったく」


「だろ?だから俺は出て行ってお前が恥ずかしかないように...え?恥ずかしくないの!?」


「ゲンマならだいじょーぶ」


何が大丈夫なのか分からず、ほぉーとしているとリコが俺の手を引っ張った。思ったより引きが強かったのと俺が気を抜いていたのもあって2人して風呂にダイブした。

かなり大きな音がしたのかダイヤモンドが心配して脱衣所までやってきた。


「ゲンマ様大丈夫ですか!?」


「んっあぁ大丈夫だ、ちょっと滑っただけ」


「そうですか、気をつけてくださいね」


「おう」


リコと一緒に入っていることは気づかれていないらしい。危うくロリコン認定されるとこだった。

しかしリコとの混浴は避けられず、髪を洗わされたりしながらもなんとか風呂から無事生還した。

そしてダイヤモンドに風呂が空いたことを伝え、寝室に移動した。

リコはもう眠いのか、寝室に入ってすぐベットに入って行った。

俺も少し疲れていたのでベットで横になり、目を瞑りながら、明日はリコの初陣だから細心の注意を払っておこうと心に決めた。

そして自分でも気づかないうちに深い眠りにつくのだった。



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