表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/47

ドラゴン討伐(ドラゴンはどこ?)

こんがりと焼けたポテトミートグラタンとルビーのもらったフランスパン(俺は1切れ、リコは3切れ)を食べ終え、食事も終盤に差し掛かかりダイヤモンドがデザートを出してきたタイミングで俺は午後の予定を話し始めた。


「今回はダイヤモンドとルビーにいっしょに来てもらう。サファイアはリコの面倒を見てやってくれ」


3人とも異論はないようで小さく頷く。リコは幸せそうにデザートを食べていた。


「じゃとりあえず食べ終わったら俺とダイヤモンドとルビーは準備しよう」


今回は久々に後衛なので準備がいつもと違う。いつもより少し時間がかかるだろう。


「今が...12時ぴったりだから13時30分にギルドに集合でいいな?俺は先に行ってクエストを申請しておくから」


「「了解です」」


予定が決定したところでデザートを食べようとすると目の前の皿が空になっていることに気づいた。そしてリコが新しいデザートに口をつけるところだった。慌てて取り返すとリコは不機嫌そうにイスから降りて寝室の方に向かっていった。


「あーあ、拗ねちゃった。ゲンマさんデザートぐらいあげればいいじゃないですか」


「いや甘いもの好きの俺からデザートを取るのは何があっても許さない。というか俺はパン取られたから順番的に次はお前が分けてやる番だろ!」


「絶対に嫌です」


そんな男達の惨めな戦いを女性陣は呆れながら見ていた。



13時になり、準備できた俺はダイヤモンドに声をかけた。


「俺は準備できたから先に向かうぞ?」


「はい、わたしは今片付けが終わったので用意ができ次第ギルドに向かいます」


「了解!じゃサファイア、リコを頼んだぞ」


「任せてください。ゲンマさんもお気をつけて」


「じゃ行ってくる」


サファイアに夜には帰ってくると伝え、俺はギルドに向かった。




ギルドに着くとなにやら受付が忙しそうだ。話しかけるのも悪いのでクエスト掲示板に直接向かうことにした。SSランクのクエストを物色していると後ろからいきなり蹴られた。


「あんたのせいで受付が忙しすぎるんですけど!!」


蹴られた上に文句まで言われた。俺はなにもしてないのに...理不尽だ


「はぁ、ユリさん..俺なにもしてないけど」


この荒い性格の人はユリさんといいギルドにおける俺たちパーティの世話係みたいな人だ。


「自分の身内が働き頭のリーダーを病院送りにしといて午後になってやっとクエスト受けにくる怠け者がなに言ってんの??」


「たしかにクエスト取りに来たのは午後になったけどさ、文句を言うなら俺じゃなくて姉貴に言ってくれよ」


「それができないから苦労してるんじゃない。これはただの八つ当たりよ!!」


「うわー理不尽だなー」


「とにかくこのクエスト今日中に終わらせてきて!」


そう言って一枚の紙を渡してきた。紙に書いてあったのは俺たちが元からやるつもりだったドラゴン討伐だった。


「わかりました。みんな揃ったらすぐに向かいますよ」


「はいはいよろしく。失敗しないでね手続きめんどくさいから」


そう言って受付に戻っていった。俺は心の中でギルド職員がめんどくさいからクエスト失敗するなとか言うなよと思いながら、掲示板を見渡す。すると普段見慣れないSSSSランククエストが張り出されていた。


[ファルナの捕獲および連行 SSSSランククエスト 先日勇者に怪我をさせて逃亡しているファルナを捕獲してギルドまで連行してください。 報酬金貨1万枚]


ギルドから正式に身内の捕獲クエストが発注されていた。しかもSSSSランクって魔王討伐レベルと同等のクエストである。俺はかなりの頭痛を覚え、ユリさんに怒られても仕方ないと思い心の中で謝っておいた。


「お待たせしました」


ダイヤモンドとルビーが準備を終えて集合したみたいだ。


「よし、じゃあ行くか」


一旦姉貴のことは忘れてクエストをこなすことにした。





クエストの情報によるとこの辺りか


ドラゴンがいるのは街外れにある遺跡らしい。俺たちは1時間ほどかけて遺跡に到着した。


「でもおかしいな。遺跡はかなり大きくてドラゴンが隠れられる場所はいっぱいあるけど、これだけ近づいて気配が全くない」


2人にも聞いてみたがやはり気配は感じないらしい。


「でもなんか不気味なんだよな」


「なにがですか?」


ルビーは感じないらしい。


「ダイヤモンドはわかるか?」


「微かにですが魔力を感じます」


「だよな。しかもこの魔力なんか姉貴の魔力に似てる気がするんだけど」


「姉上様が魔法でドラゴンを討伐したのでしょうか?」


「いやそれはないな。姉貴は魔法で戦ったりしない。姉貴の戦闘スタイルは拳で殴り倒す以外にはない」


そう、姉貴は魔法で戦うのがつまらないと言って、戦闘を行うときは基本的に自分の拳で攻撃する。ドラゴン相手といえどそのスタイルは絶対に崩さない。


「可能性でいえば...転移魔法でここまできたのちにドラゴンを撲殺したって線だけど」


これはまずありえない。魔法は人によって適正がある。姉貴はほぼ全ての魔法が使えるが転移系の魔法は苦手だった。


「姉貴は今追われている身だしドラゴン討伐なんてしてる場合じゃないだろうしな」


となると別の奴か、まったく見当もつかない。


「とりあえず遺跡に何か痕跡がないか調べるか。何か見つけたら知らせてくれ」


「「了解しました」」


そうして各々調査を開始した。調査をしていると不審な点はいくつもあった。まずいたるところにドラゴンのものであろう血が発見された。そしてその血の周りは決まって荒らされていた。

最後にドラゴンが守っていたであろう宝物は手付かずのまま放置されていた。


「これは誰かがドラゴンを殺したとみて間違いないな」


「ゲンマ様、宝は..宝は持って帰っていいですか?」


ルビーが興奮していた。


「まぁ問題ないだろう」


そう言った瞬間にルビーがカバンに宝物を詰め始めた。

その姿を見ていると何かうめき声みたいなものが聞こえてきた。


「ダイヤモンド確認してきてくれ」


「了解しました」


そう言って声の聞こえた方にダイヤモンドが向かった。少しして戻ってきたダイヤモンドの手にはなぜか猿轡を噛まされ、手足を拘束され、目隠しをされたサファイアがか変えられていた。


とりあえず拘束を全て外すとサファイアが


「SSランク任務でもなんでもついていくので子守だけは勘弁してください」


と俺に泣きついてきた。サファイアの身になにが起きたのか俺たち3人は全く想像がつかなかった。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ