下層2
忙しくて更新できていませんでしたが少し落ち着いたためペース遅めですがUPしていきます。
食事が終わり、進み始めて3時間ほど経つと階層主のところまでたどり着いた。下層の階層主はこちらから攻撃しない限りは反撃してこない。基本寝ているのだ。なので基本的にこの層はみんな階層主を倒さない。だが俺たちは違う。
「ダイヤモンド、あいつの素材は確かサファイアの防具に大量に使われているよな?」
「はい、確か90%ほどはあの素材を使っていると話していました」
「じゃあ昇格祝いも兼ねて久しぶりあいつを狩るか」
「わかりました」
「ダイヤモンドはどっちやりたい?」
「最近は前衛ばかりでしたので後衛の勘も取り戻しておきたいです」
「わかった。なら今回は俺が前衛な。できるだけ素材が痛まないように倒したいから魔法攻撃するときは気をつけてくれ」
「わかりました」
「じゃ行くぞ!」
俺が一発攻撃を入れ、階層主が目覚めると同時に下層での久々の階層主戦が始まった。
下層の階層主は倒すたびに性質が変わるため最初は様子を見なければならない。ゲンマが一撃入れてから一回距離をとったのはそのためである。
「前回倒したときは近戦闘ができなかったからな...」
前回の階層主は全身を複数の針状の状態にすることで相手から身を守るという性質を持っていた。実際ゲンマは近戦闘で一気に倒そうとしたため、上着がボロボロになった。
「今回はちょっと慎重にいくか」
ゲンマが距離を詰めると階層主の目が赤く光る。確実にゲンマを敵と認識している。奇襲は成功してダメージがあるため相手は動けないが守りにてしている分相手のほうが有利な状況である。
攻め方を考えているとゲンマの両脇から火球と水球が階層主に向かって飛んでいった。ダイヤモンドが近づきやすいようにアシストしてくれた。俺は火球の陰に隠れ、階層主に近づいて行った。
結果から言うとこの二分の一は大きな分岐点だった。階層主は火球と水球の両方に雷属性の攻撃をぶつけた。火球へぶつかった雷撃は威力を相殺しただけで済んだ。なのでこの後ろに隠れていたゲンマはただ一撃を入れることだけに専念できたのだ。結局この一撃で大きなダメージを負った階層主は反撃もできず、討伐できた。
しかしあの時、ゲンマが水球の後ろを選んでいたら雷撃の当たった水球が四方八方に飛び散っていたので確実にダメージを食らっていただろう。そうなれば戦闘が長引いたことは確かであった。
倒した階層主の素材を集めながらダイヤモンドと話す。
「やっぱ戦闘勘が鈍ってるか?」
「あそこで火球の後ろを選んでいるので勘が鈍っているわけではないと思いますが」
「うーん...でも考えなしに火球の後ろを選んだからな。ここから先はその辺まで考えて戦わないと命を落としかねないから気をつけないとな」
「そうですね。実際まだ下層だからと気が緩んでいたかもしれません。私もあの場面で敵の性質がわからないまま火球と水球を選んだのは軽率でした」
「その辺も含めてダンジョンに潜っている間に勘を取り戻すか」
「はい」
ゲンマは自分の想像以上に戦闘勘が衰えていたのでしっかり元のレベルまで戻すことを心に決め、深層へ向かった。
深層に入るとこれまでの階層とは明らかに雰囲気が違うことを感じ取った。前回来た時にはなかった肌寒さと誰かに見張られているような嫌な感じが漂う。ダイヤモンドはすでに警戒度マックスで周辺の様子を注意深く観察していた。俺も警戒を強める。しかしリコはあくびをしていた。
「リコ、お前も少し警戒しとけよ。深層は何が起きるかわからないからな」
「だいじょうぶ」
リコは自信満々に答えた。なにが大丈夫なのか全く理解できないがリコ自身がそう感じるなら大丈夫であろうと判断した。そして自分の身は自分で守れよと伝え、先に進み始めた。




