ダンジョンへ出発
リビングにはサファイアの家から帰ってきたダイヤモンドも含め全員が揃っていた。席について朝食を取りながらダイヤモンドに話しかける。
「悪かったな。サファイアのこと完全に忘れてて」
「いえ、ルビーが朝食作ってくれたので時間がありましたし、個人的にいくつか話したいこともあったので」
「個人的に話したい事?」
「はい、以前から戦闘の際の動きについていろいろ聞かれていたので今回クエスト中にアドバイスできない分話しておこうと思って」
「あぁ確かに戦闘スタイルで言ったらサファイアはダイヤモンド寄りだもんな」
「ルビーがゲンマ様によくアドバイスを受けているので私のほうでサファイアの方は少しアドバイスしておきました」
「実際、ダイヤモンドの説明のほうが伝わりやすいだろうな。魔法系のことならうまく説明できるんだが、体術系はどうも表現が難しくて伝えたいことの半分くらいしか相手に伝わらないんだよな」
「私も感覚に頼っているところはあるので説明しにくいところもありますが普段から近戦闘が多いので何とか説明できているという感じですね」
「まぁ近戦闘の説明はこれからもダイヤモンドに任せるよ。俺は中・遠戦闘の方を中心に面倒見ることにするから」
「わかりました」
そこからはルビーとクエストの話をしたりサーヤたちに迷惑かけないようしっかり留守番しているように頼んだりといろいろ話すことが多かったがとりあえず食事が終わるまでに話すべきことはすべて話し終わった。
食事が終わるとルビーとフラーレンがクエストに向かう。ルビーは洗い物が終わったら行くと言っていたがダイヤモンドがやっておくから早く行きなさいと言うと素直に従ってクエストに向かって行った。
「ダイヤモンド、出発は12時くらいでいいか?」
「はい、大丈夫です。荷物類は昨日まとめて玄関においてあるので」
俺もある程度は準備していたのであとは着替えるだけである。しばらく会えないからサーヤと少し遊んでおくことにする。部屋に行くとサーヤは本棚においてあった魔法の本を読んでいた。この本はかなり難しいことが書いてあるので大人でも理解できない人が多い本だ。
「サーヤその本の内容が理解できるのか?」
「んーちょっと難しいけど読めなくないかも!」
「そうか、サーヤは賢いんだな。そしたらもう少しわかりやすく書いてある本があるからそっちから読めばわかるかもな。俺の部屋にあるから持ってくるよ」
そう言って自分の部屋からその本よりも少し簡単に書かれたものを取り出してきてサーヤに渡した。
「わーありがとうゲンマ!ゲンマが返ってくるまでにこれ全部わかるようになるね」
俺が返ってくるまで約5日間。この期間であの本を理解できるようなら王都で教授をできるくらい賢い。あのダイヤモンドですら完全に理解するのに1か月かかった。
「わからないことがあったらギルドの受付にいるユリさんって人の所に教えてもらいに行ってこい。たぶんわかりやすく教えてくれるぞ」
「ユリさん?アリスが言ってた怖い人?」
「怖くないぞ。少し乱暴なだけだ。サーヤみたいに可愛い子にはすごい優しいから大丈夫!」
「うんわかった!わからないところあったら行ってみる」
「そしたら今のうちに基礎の部分を教えておいてやろう」
そう言って時間の許す限りサーヤに魔法の基礎について教えた。基礎の部分さえしっかり知っておけば後は発想力や想像力の世界なのでどうにでもなる。それにユリさんを紹介したのはその辺の知識に関しては俺より詳しいからだった。なぜならこの難しい方の本の著者はユリさんのお母さんだからだ。ユリさんは昔からそのお母さんに魔法の勉強をさせられていたのだから俺より理論のことは詳しいのは当たり前だ。
12時前にダイヤモンドが呼びに来るまでサーヤに魔法の基礎を話していた。しっかり理解できているようなのでもっと教えたくなったが時間が来てしまったのでサーヤに出かけることを伝える。
「サーヤ、俺たちはそろそろダンジョンに向かうがまだ何かあれば聞くぞ?」
「じゃあね..ちゃんと無事に帰ってきてね」
破壊力抜群の励ましに俺はいっそうやる気が出た。
「わかった。帰ってきたらまたお勉強の続きだな」
「うん!」
「じゃ行ってくる」
「いってらっしゃい」
サーヤに見送られ俺たちはダンジョンに向かった。




