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姉貴の娘の名前判明

「午後のクエストのことなんだが、サファイアに別の任務にあたってもらうからルビーに頼むんだがSSランク任務でいいか?」


ルビーはまだSランクなのでSSランク任務はかなりきつい仕事となる。しかしルビーは即答で


「いいですよ。今回はどんな任務なんですか?」


と内容を聞いてきた。サファイアと違って頼もしい。


「まだギルドに行ってないからわからないけどたぶん昨日から張り出されているドラゴン討伐になると思う」


「ドラゴン討伐ですか?久しぶりですね。ドラゴンなら臨時収入がありそうなので大歓迎です」


「ルビーはサファイアと違ってSSランク任務に拒否感ないんだな」


「そうですね。私はまだSランクなのでSSランク任務は相当きついですよ。でもSSSランクのゲンマ様がわざわざSSランク任務を受けているのって私たちのためですよね?」


こういうところはルビーはかなり鋭い。しっかりと本質を見抜いている。


「つまりゲンマ様は私たちにこなせない任務は与えません。違いますか?」


「その通りだよ。俺とダイヤモンドだけならSSSランク任務でも受けられる。でもそれでは意味がないんだ。俺たちはもっと上を目指している。上に行けば行くほどパーティ内のランク差は致命的なんだ」


「ですよね。私ももっと強くなってゲンマ様とダイヤモンド様の力になれるよう努力しないと」


ルビーの向上心はもしかしたらうちのパーティで1番かもしれないな。そしてSSランク任務に行きたくないと言うサファイアに見習ってほしい。そう心の底から思うのだった


「今回はルビーメインでクエストをこなそうと思ってる。」


「えぇ!?私がメインですか、大丈夫でしょうか?」


たしかに少し厳しいかもしれない。だが最近の彼女の成長を考えるとずっとサポート役をやらせるのはもったいない。


「少し厳しいかもしれないな。でもダイヤモンドと2人で組んでもらって俺がサポート役に回る。これでいつもと同じ布陣だ。大丈夫だよ、危なくなったら俺とチェンジしてサポートに回ってもらうから」


ルビーは少し考え、覚悟を決めたのか俺のことを見て


「わかりました。任せてください。なんとかやってみます」


そう宣言した。


「よろしくな。そうだ、今回は前衛に出てもらうから報酬は多めに渡すことにするよ」


「経験値もお金も手に入る。一石二鳥ですね」


そう言ったルビーの顔は少し頬が緩み普段より幼く見えた。

たぶん次は子供達のためにどうお金を使うか考えてワクワクしていたのであろう。



そんなことを話しているうちにダイヤモンドたちが待つ家に着いた。


「ただいまー」


「おじゃまします」


家に入ると食事の準備が順調に進んでいるようでとてもいい匂いがした。


「あっゲンマさんお帰りなさい。ルビーは久々だね」


「はい、お久しぶりです」


ルビーとサファイアは軽く挨拶を済ませる。


「ダイヤモンドはまだキッチンか?」


「焼き上がりを待ってます。自分はもう席座って待っててと言われたので」


「あっなら私はこのパンを切ってきますね」


そう言ってルビーはキッチンに向かった。

俺はサファイアの向かいに座った。


「思ったより早かったですね」


「あぁルビーと武器屋の前で会ったから家まで行かずに済んだ」


「武器屋ですか。装備の調達ですか?」


「いやバイトしてた」


「あーいつもの金欠ですね」


サファイアはそう言い1人で納得していた。うちのパーティではルビーの金欠はデフォになってきている。


「それにしても金欠って..この前のクエスト報酬かなりあったはずですけど...」


「子供たちにおもちゃ買ってやったらしいぞ」


「はーよくやりますね。まぁルビーらしいですけど」


そんな話をしてるとダイヤモンドたちがキッチンから食事を運んできた。


「あら、ゲンマ様?姉上様の娘さんはお呼びになっていないのですか?」


「あっいっけね忘れてた。ちょっと連れてくるわ」


そう言い、寝室に向かった。

ドアを開けると出かける前と同じ場所に同じ体勢で転がっていた。


「飯ができたぞ、起きろ!」


声を掛けるとさっきと違いすぐに目を開けた。


「ごはん!!!!」


食い意地がすごかった。


食卓に連れて行き椅子に座らせると目を輝かせて料理を見ていた。

すぐに食べ出そうとしたためスキル(金縛り)を使って動きを止める。しかし3秒ほどで振りほどかれた。ダイヤモンドでさえ10秒は動けないのに。化け物であることを思い知らされた。


「まず自己紹介をしろ。食事はそれからだ」


そう宣言すると。伸ばした手を止め仏頂面になりながら


「リコ、8さい」


そう言って止めた手を動かし始めた。

もう少し何かあると思っていた俺たちは何も反応できずただリコを見つめていた。しかし年長のダイヤモンドが持ち直し自己紹介を始めた。


「ダイヤモンドです。よろしくお願いします」


そしてみんな後に続く。


「ルビーです。よろしくね」


「サファイアです」


「ゲンマだ」


全員名前を言い終えると同時にリコは自分の前にあった2切れのパンを食べ終わり俺の皿のパンに手を付けた。


「それ俺のなんだけど」


「リコのパンは0こ、ゲンマのパンは2こ、だからはんぶんこ」


こいつすでに自分が2切れ食べていることをなかったことにしてやがる。

ちなみにこのやり取りをしてる間に他の3人はパンを1つ完食した。


「はぁ...別にいいけどよ」


そう呟き、気持ちを切り替えて俺も昼食を楽しむことにした。


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