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ロリ部屋

「黒ローブですか...私は心当たりありませんね」


「私もないです」


「だよな。俺も心当たりないんだよな」


「このタイミングで癒しの神殿というところが少し引っかかりますね」


ダイヤモンドも俺と同じ所に目をつけた。


「そうなんだよ。俺たちがこの話を始めたのは今日、しかもルビーたちに話したのは手紙をもらった後、ということはこの話を知っているのは俺とダイヤモンドと...あとまぁユリさんくらいなんだがユリさんはあぁ見えてギルド職員だから口を滑らせることはないと仮定すると確実に誰かが俺たちの話を盗み聞きしてるんだよな」


「それも私たちに気づかれないレベルの盗聴となるとかなり慣れていますね」


「盗聴のレベルだけで言ったら俺らより上のレベルだな。そこまで盗聴を極めているとなると俺らではどうしようもないな。それで相談なんだが癒しの神殿に行くべきだと思うか?」


「そうですね。私たち2人の時ならリスクは少ないので行ってみてもいいと思います」


「ルビーはどう思う?」


「私も確認を兼ねて行ってみたほうがいいと思います。ゲンマ様とダイヤモンド様なら相手に後れを取るなんてことはないと思いますし」


「そうだな。一応俺たちをルビーたちから引き離す陽動である可能性もあるからクエストの際は細心の注意を払ってくれ」


「わかりました。このことは2人にも伝えておいたほうがいいですか?」


「いや2人はクエストに集中させてやってくれ。ルビーに負担が増えてしまって申し訳ないが」


「いえ、大丈夫です。最悪、遭遇した場合は全力で退避でいいですか?」


「あぁ不審な奴に遭遇したらクエストのほうは諦めていい」


「わかりました」


「よろしくな」


とりあえず可能性は薄いがルビーのほうにも気を配っておく。そして俺たちの方は癒しの神殿で相手がどんなやつなのか探ることにした。


「なんか面倒なことになったな」


ルビーが風呂に行ったあとダイヤモンドと2人で少し話す。


「そうですね。でも力を試したいなんてファルナ様みたいなことを言いますね」


「あぁでも黒ローブの奴は姉貴ではなかった。背丈も違うし声も違った。仮に姉貴だったらこんなまどろっこしいことしないでいきなり殴りこんでくるだろうしな」


「さすがにファルナ様の相手はしたくないですね。たとえゲンマ様と一緒でも」


「俺だって嫌だよ。でもおれの予想だといつか絶対に来ると思うんだよな」


そう、あの姉貴が俺にちょっかいを出してこないわけがない。それが俺の理想のパーティが完成したとなったらなおさらだ。


「その時はゲンマ様に前衛は任せますね」


「まぁそうなるよな」


そんな風にしばらく話しているとルビーが風呂から上がって来たのでダイヤモンドとの話を打ち切り寝ることにした。部屋に帰るとベットはリコが占領していたがいつも通り端にどけて、横になった。


「姉貴か...」


そんなことを呟くとリコが寝返りをして俺の方に体を向けた。目は開けていないため別に姉貴という言葉に反応したわけではないらしい。俺はリコをじっと見つめながら姉貴はいつこいつを迎えに来るのかと考えたが気まぐれで行動する姉貴の行動を予想することは無駄なことだと気づき、目を閉じた。


朝、違和感に気づき目を覚ます。


「んっ?ベットが広い...」


まだリコが来て数日しかたっていないのに窮屈なベットに慣れてしまったらしい。人間の適応力はすごい。そんなことを考えているとドアが開いた。


「ゲンマごはん」


「俺はお前の飯じゃねぇ」


「ごはん」


「...わかったよ。というかお前今日は珍しく早起きだな。どうしたんだ?」


リコが朝早く、しかも1人で起きていることが今までなかったため聞いてみた。


「きのうはまほうつかってないから...」


「ふーん魔法使わなければ普通に起きられるのか?」


「きぶん」


なんかあんまり関係なさそうだ。しかし魔法を使うと眠りが深くなるのはみんなそうなのでいつもは魔力回復で遅くまで寝ているのは確かだろう。確かに昨日以外は前日にかなり魔力を消費している。


「まぁいいや、ダイヤモンドは多分起きているだろうから何か作ってもらおう」


とりあえずのその辺はこれから検証していけばいいとして今はダイヤモンドのもとに向かう。この時間だと多分洗濯物を干しているだろうと思い、庭を覗く。しかしダイヤモンドの姿はない。部屋に向かおうとするとキッチンから音が聞こえた。ダイヤモンドが既に料理を始めてるのかと覗くとルビーがいた。


「あっゲンマ様おはようございます」


「おはようルビー。ダイヤモンドは?」


「サファイアに今日からの予定を説明しに行きました」


「あぁあいつに説明がまだだったか。完全に忘れてた」


「サファイアはいつもそんな扱いですね。あっ朝食のはあと15分ほどでできるので待っていてくださいね」


「じゃサーヤたち起こしてくるわ」


ルビーが朝食の準備をしてくれている間にサーヤとアリスを起こしに向かう。ドアをノックする。返事はない。まだ寝ているらしい。起こさないといけないので部屋に入る。やはり2人ともぐっすりだった。サーヤはもちろんのことアリスも黙っていればそれなりに可愛いため、寝ている2人を見ると幸せな気持ちになる。だがもたもたしていると朝食ができてしまうので早速2人を起こしにかかる。


「おい、2人とも起きろ。朝だぞ!」


するとサーヤがもぞもぞして目をこすりながら起きた。


「ん~ゲンマおはよう~」


「おはよう、サーヤそろそろ朝ごはんができるから起きれるか?」


「うん!顔洗ってくる」


サーヤはそう言うとベットから降りて、顔を洗いに行ったあとはアリスだ。こいつは劣化版リコみたいなやつだから飯で釣れば起きるだろう。


「お~いアリス、早く起きないと朝食が全部なくなっちゃうぞ」


するとアリスはカッと目を見開いて勢いよく体を起こした。しかし俺はアリスに近づいて声をかけていたため、勢いよく起きてきたアリスを避けることができなかった。結果、俺の鼻にアリスの頭が直撃した。


「いったーい!」


アリスが叫ぶ。と同時に俺の鼻から血が垂れる。


「うわー久々に血を流したわ。それもアリスにやられてとか笑えない」


痛みなどには慣れているのでこれくらいはどうってことないがこれをアリスにやられたということにショックを受けていると顔を洗い終えたサーヤが返ってきた。

顔を洗ってすっきりしたサーヤが部屋に入ってまず見えた光景は頭を抱えて転げ回るアリスと鼻血を出して落ち込んでいる俺の姿だった。


「ゲンマ、アリス!大丈夫!?」


珍しくサーヤが慌てていた。あんまり心配させるのは心が痛いので、まずアリスに回復魔法を施した。すると痛みがなくなったアリスはサーヤに俺のことをチクリ始めた。しかも嘘を吹き込む。


「ゲンマが私に頭突きしてきたのよ」


せっかく治療してやったのになんてひどい奴なんだ。俺はこれからアリスの治療はできるだけしないことを心に誓い、止血作業に移った。


止血が終わり、サーヤに心配されているとフラーレンが起きてきた。


「あれ、ゲンマさん。なんでロリ部屋で鼻血垂らしてるんすか?」


「いやお前、ロリ部屋って...そしていやな言い方するなよ。アリスを起こそうとしたら頭突きされたんだよ」


「なんだ、てっきりゲンマさんがロリに興奮しすぎて鼻血を出したのかと思いましたよ」


「お前の中で俺のイメージひどすぎない?まぁいいけど。それよりそろそろ朝食ができるから3人とも先にリビングに行ってくれ。俺は顔濯いでから行く」


3人を先にリビングに向かわせ、俺は顔を洗ってからリビングに向かった。

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