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試験結果は!?

試験結果から言うとアリスは無事に合格した。アリスの魔法は威力はそこまでないが魔力コントロールだけなら完全にティアを上回っていた。そのため、手数で攻めたのである。


「いやーまさか本当にティア相手に一発入れるとはな」


「そうですね。威力を抑えて手数を増やす。今回の試験では最も効果的な攻め方だったと思います。ティアさんも頑張っていましたがさすがにあの量となると不意打ちには対処できませんよね」


「まさか魔法攻撃に気を取られて普通に投げただけの石が当たるなんてな」


アリスが冒険者登録でユリさんと話している間にルビーと試験の時の様子について話す。

そう、アリスは魔法攻撃を大量に浴びせて死角になった隙にティアの頭の上に落ちるように小石を投げた。ティアはアリスが石を投げたことに気づかず、落ちてきた石が頭に当たった。ケガもしないほど弱い攻撃だったが今回の合格条件は[何でもいいから一発入れること]だ。なので石が当たった瞬間ユリさんが戦闘を終わりにした。そして現在書類を書いているところである。


「それにあの作戦を実行するだけの魔力量があることにも驚きました。サーヤちゃんとアリスちゃんは魔力量だけで言えばAランク冒険者にも匹敵しますね」


「あぁ、今までサーヤのことをアリスが守っていたと聞いた時は疑ったがあの試験を見て少なくとも本当であったことが証明されたな」


ルビーとアリスのことを褒めているとサーヤがすごい喜んで、


「アリスはすごいでしょう!」


とこれ以上ないぐらいの笑顔で自慢してきた。


「アリスもすごかったがサーヤの収納魔法を驚いたぞ。でもまぁ無事に二人とも仕事が決まったようでよかったよ」


「お仕事がんばるー!」


サーヤが元気よく仕事を頑張ると告げたタイミングでアリスとユリさんが登録を終え、戻ってきた。


「両親がいないってことだから親のとこはゲンマにしといたから」


「いやいや俺まだ結婚してないですよ?なんで俺?別に空欄とかでいいんじゃないんですか」


「いやその方が面白いし、嫁さんのところは空欄だから結婚したら記入するわね」


「ギルドの公式書類に面白さなんか求めてないですよ!」


「まぁいいじゃん。それよりもパーティはどうするの?アリスちゃんの実力はBランクだからあんたのパーティ入ったら危ないわよ」


「んーそうなんだよなぁ...ユリさんどっかの初心者パーティで人員募集しているところってないかな?」


「人員募集ね...まぁいくつかあるけどDランクやEランクしかないわよ。アリスちゃんの実力だと物足りなく感じるかもしれないわね」


「そうですか...どうしようかな」


アリスの仕事仲間をどうするか悩んでいると後ろから肩をたたかれた。振り返るとそこにはティアがいた。


「私がしばらく面倒見てあげてもいいわよ?どうせしばらく暇だし」


「マジで!?」


「えぇ、私相手にあそこまでできる子をDランクやEランクのパーティに入れるのはギルドとしても抵抗あるでしょ?」


ティアはユリさんにも確認を取る。


「まぁそうですね。ティアさんであればいざというときにも対処できるでしょうし...しばらくお願いしてもいいですか?」


「俺からも頼むよ」


「わかったわ。ただ私のパーティが活動開始するまでの間だけだからそれ以降は面倒見れないからね」


「わかった。それ以降のパーティは俺が探すよ。ありがとなティア」


「今度おいしいご飯が食べたいわね」


「はいはい、なんでも奢らせていただきますよ。日時は適当に連絡くれればこっちで調整するよ」


「わかった。じゃあアリスだっけ?今週はギルドの仕事があるから来週から本格的に動くわよ。よろしくね」


「よろしく」


アリスはまだ緊張しているようだった。まぁティアはけっこう面倒見いいからそのうち慣れるだろう。アリスがティアによってどんなふうに成長を遂げるのかとても楽しみだ。




話も終わって、ユリさんとティアが仕事に戻っていった数分後ギルドのドアが開いてダイヤモンドが入ってきた。サファイアの試験が終わったのだろう。早速結果を聞きに向かう。


「お疲れ。どうだった?」


「ゲンマ様、お疲れ様です。なにも問題なく合格しましたよ。そちらはどうでした?」


「こっちも問題なく決まったよ」


「それはよかったです」


「サファイアたちは?」


「サファイアが疲れているようだったので先に家に帰しました。フラーレンとリコ様も特に用がないので先に帰しました」


「あいつの場合戦闘疲れじゃなくて緊張疲れだろ?情けないなぁ」


「まぁ戦闘中はしっかり集中していたので問題なさそうでしたよ。あぁあと私はフラーレンのランクアップ申請を出してから帰るのでゲンマ様達は先に帰っててもらって大丈夫ですよ」


「んーそうだな...いや俺も残ろう。おーいルビー!サーヤとアリスと一緒に家に帰っててくれるか?今日はうちで飯食ってけよ」


「わかりました。ゲンマ様は?」


「俺はちょっとギルドに用があるから終わったらすぐ帰る」


「そうですか。では何か買っておくものがあれば言ってもらえれば揃えますよ?」


「ダイヤモンド何かあるか?」


「そうですね..野菜類が少ないのでいくつかてきとうに買っておいてもらいたいです」


「野菜ですね。わかりました。買っておきます」


「お願いします」


「じゃ、気をつけてな」


「はい、お先に失礼します」


三人を返した後、ダイヤモンドについて行って書類の処理を済ませた。




「なぁダイヤモンドは何かやりたい依頼とかあるか?」


クエスト掲示板の前で次受けるクエストの目星をつけながらダイヤモンドの意見を求める。


「気になるものはいくつかありますがうちのパーティが受けるとなると物足りないですかね」


「だよなぁー...そしたらいざという時のためにあいつら三人での連携を深めといてもらうか。その間俺とダイヤモンドはクエストとは別にダンジョンに潜って希少素材の収集をするか」


「ゲンマ様と二人きりでというのは久しぶりですね」


「最近は俺ら二人とも育成側に回っていたからな。そろそろ本気で戦って感覚を取り戻さないと本当のピンチの時に対処できなくなってしまうからな」


「ゲンマ様が本気を出したら私がいなくても全て片付いてしまいますよ」


「まぁ最深層以外の魔物だとそうだろうな。だが最深層に行く予定だからさすがに全部ひとりで相手はできない。あそこは他の層とは質も量も別次元だからな」


「最深部まで行くんですね。そうなると二人でもギリギリかもしれませんね。特にポーション類が足りなくなる恐れがあるかと」


「そうなんだよな。かと言って他に連れていける奴がいるわけでもないし...」


「最深層となるとルビーでも厳しいでしょうし、ルビー以上の実力者となるとすぐには見つからないですよ」


「うーん...最悪最深層は様子見だけになるかもな」


「そうですね。今回は攻略というより次回のための下調べくらいの感じでいいと思います」


今回の目的は素材集めとリハビリであって攻略ではないので深層は様子見でも問題ない。それよりもあいつら3人のクエストを選ぶほうが大切だ。簡単すぎず、難しすぎない難易度のクエストを探す。


「んー難しいな。少し難易度が高いのが多いな」


「AランクやSランク難易度でも簡単な方のクエストは他のパーティも狙っていますからね。この時間になるとなかなか割のいいクエストは残っていないんですよ」


「まぁ時間が悪いよな。あいつらにしてみれば物足りないだろうが明日はAランククエストを受注しておこう。明後日からのことはユリさんに頼んで毎日Sランククエストを予約しておいてもらおう。ユリさんなら事情を説明すれば適切なクエストを選んでくれるだろうし」


「そうですね。優秀な方なのでそれで問題ないと思います」


方針が決定したので適当なAランククエストを選びユリさんのもとに持っていく。そして先ほどの話をして、俺とダイヤモンドが4~5日間ダンジョンに潜るから3人の面倒を見てもらえるようにお願いしておいた。見返りにダンジョン中層でとれる虹アメを要求されたが俺たちからすれば採取は簡単なので了承しておいた。


ちなみに虹アメは子供、女性に人気のお菓子で、なめている人の味覚のストレス度を感知してその人が最もおいしいと感じる味に変化するアメである。原理は解明されておらず、ダンジョンでしか取れないため高級品として扱われる。


家に向かいながらダイヤモンドと雑談をする。


「まったく虹アメとってこいとかユリさんも自分勝手だよな。ふつうギルド職員ならギルドで必要なものを依頼するのに完全に私利私欲のために依頼してるし」


「それが許されるくらいギルドから信用されているんですよ。ギルド職員の中で自分の担当冒険者から死者を出していないのは唯一の人ですからね。さらに依頼の達成率も9割を超えているらしいですし、それくらいの優遇はされていても不思議でないでしょう」


「確かに優秀なことには間違いないな。でもなんか俺の扱いがひどいんだよなー」


「私は全員に同じ対応をする職員より信用できると思いますね。個人をしっかり観察してその人に合ったコミュニケーションを取る。これはギルド職員の能力としては最高位のものかと思います」


「ダイヤモンドは随分とユリさんを高く評価しているんだな」


「それはゲンマ様もでしょう?」


ダイヤモンドが立ち止まり俺の方をじっと見る。


「...まぁな。評価してなきゃあいつらを任せたりしないさ」


「それにゲンマ様が自分のパーティメンバーを任せるということはその評価もかなり高いものと推察しますが」


少し顔を近づけてきた。これは...からかわれている?そう感じたが事実なので認めるしかなかった。


「ぐっ..あぁそうだよ!ユリさんは最高のギルド職員だよ」


ユリさんのことを認めるとダイヤモンドは満足そうに顔を離し、歩き始めた。これ以上この話を続けても墓穴を掘ることが予想されるので速やかに別の話題を提供し、帰り道を乗りきったのだった。


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