サーヤ合格!
会社の受付で名前を言い、エルとの約束があると伝えるとすぐに社長室に通された。
「おうゲンマ久しぶり!珍しいなお前が俺に頼みたいことあるなんて。なんかやばい物でも運ぶのか?」
「そんなわけないだろ!実は雇ってほしい子がいて連れてきたんだ」
俺はそう言いながらサーヤを前に出す。緊張しているのかいつものほんわかした雰囲気がなくなっていた。エルもサーヤが緊張していることに気付いたのか膝をついて目線を合わせて話しかけた。
「そんなに緊張するなよ。名前はなんて言うんだい?」
「サーヤです」
「そうか、いい名前だな」
エルはそう言ってサーヤの頭を撫でた。そして立ち上がり今度は俺に話しかけてきた。
「まぁ雇うのは問題ないんだが能力的には大丈夫なのか?いくらお前の紹介でも最低限働ける能力がないと雇えないぞ」
「能力は問題ないな。体力は一般の冒険者並み、収納魔法の容量は俺以上と言ったらわかりやすいか?」
「それは本当か!?その話が本当ならうちの会社でも張り合える奴はいないぞ」
「俺も収納魔法の方は話を聞いただけだから実際にやってもらって自分の目で確認すればいいんじゃないか?」
「そうだな。なぁサーヤ収納魔法を実際に見せてもらってもいいか?」
「うんわかった。何を入れればいいの?」
「うーんじゃあ...あっそうだ会社の裏にある家電製品を倉庫まで移動してみてくれるか?」
「それだけでいいの?」
「それができるようなら仕事ができるからな。じゃあちょっとついてきてくれ」
エルはそう言って、俺たちを会社の裏の家電が置いてある所に案内した。
家電置き場につくと俺は絶句した。なぜなら大きな家電がざっと見ただけで500個ほどあったからだ。
「おいエル、なんでこんなに家電があるんだよ」
「いやーうちの新人が桁を見間違えて依頼を受注しちゃって今これを届けるために社員全員フル稼働なんだよ。何せ家電自体がでかいから1人3個から5個くらいまでしか運べないんだよね。俺でも30個が限界かな。だからサーヤは3個収納できるようなら合格ってことでどうだ?」
「3個でいいの?」
「ん?簡単すぎたか?ちなみに最大どれくらいなら収納できそうなんだ?」
「うーんとね、ここにあるの全部ぎりぎり入るくらいかな」
「「えっ?」」
ルビーとエルが同じ反応をした。俺は話を聞いていたから驚かなかったし、アリスも多分普段から見ていただろうから特に反応は示さなかったが、初耳の2人はやはり驚いたようだ。少し間をあけてからエルが頭を掻きながら話し始めた
「えーっと聞き間違いじゃなければここにある家電を全部収納できると言っているよう聞こえたんだが...」
「うん、できるよ!」
「...じゃあやってみてもらえるか?」
エルは自分の目で見ないと信じられないらしい。まぁ俺も周りにリコや姉貴のような規格外の奴がいなければ到底信じられなかっただろう。そんなことを考えているうちに家電はどんどんサーヤの収納魔法で収納されていく。最後の一つが収納されたタイミングでエルが合格判定を出した。
「じゃサーヤには来週から働いてもらうことにするよ。まぁ最初の頃はベテランの社員さんと一緒に仕事して慣れるところからだな。慣れてきたら徐々に1人でやってもらうことにするよ。わからないことがあったらどんどん聞いていいからな」
「うん頑張る!」
「じゃ今日はこれで終わりだ。すまんなゲンマ、俺もちょっと忙しくて後が詰まってるんだ。一段落したら連絡入れるからサーヤの入社を祝って飯でも食いに行こうぜ」
「おう、忙しいところ悪かったな」
「いやいや、こんなに優秀な人材を紹介してくれたんだからむしろ感謝してるくらいだぜ」
「そうか、ならよかった。じゃあ邪魔しても悪いから俺たちはもう帰るな。後で適当に連絡をくれ」
「了解!」
サーヤの仕事決め無事決まったので一安心して次はアリスの仕事探しに向かった。




