おにごっこ終わり
ダイヤモンドとの念話を終え、さっそく追いかけようとしたところで大事なことに気がついた。
「これ、ただ追いかけるだけだとサーヤを満足させられなくね?」
目的が達成できないのはまずいとサーヤのところに戻る、そしてサーヤの目に同化の魔法をかける。
「どうだサーヤ?ちゃんと見えてるか?」
「わー凄いサーヤが見えるー!」
どうやら成功しているようだ。同化の魔法で俺とサーヤの視界情報を共有したのだ。これで俺がダイヤモンドを追いかけてるところをリアルタイムで見ることができる。
「よしじゃあ俺はダイヤモンドを捕まえに行くからサーヤはそれを楽しんでくれ」
「わかったー!ゲンマ頑張ってー...あっでもゲンマが頑張ったらサーヤ達の負けになっちゃうからやっぱり頑張らないで!」
「まぁとりあえず行ってくるよ」
そう言ってダイヤモンドを追いかけ始めた。サーヤから離れてすぐに魔力感知を使った。魔力感知は自分より相手の方が魔力操作に優れていると発見できない。だがダイヤモンドは魔力操作だけで言えば俺より実力は下だ。だから微弱ながら魔力を感知して追うことができる。しかしダイヤモンドも賢い。だから魔力が4箇所から感知できる。
「なるほど魔力分散か。これだとどれが本物かわからないな。となると...全部攻撃すればいいか」
魔力分散はその名の通り自分の魔力を分散して相手に魔力感知をさせないための技だ。しかし本体以外はただの魔力のため、移動しかできない。よって攻撃してなくならなかったら本体ということだ。
まぁダイヤモンドなら本気で攻撃しても回避ぐらいはできるだろうが念のため攻撃の威力は最小限にしておこう。そんなことを考えながら4本の矢を魔力で作成する。
サーヤも見ているし遊び心も加えてそれぞれ矢に特性を持たせよう。
1本目は火矢、2本目は雷矢、3本目は氷矢、4本目は光矢だ。まぁそれぞれ特性はあるがどれも威力は抑えてあるため、矢が体に刺さらなければ怪我はしない。
よーしじゃ魔力の自動追跡を付与して...発射!!
4本の矢はそれぞれ先ほど感知した魔力に向かって飛んで行った。4本の矢の軌道の後にはそれぞれ付与した効果が残り。簡易的な虹みたいなものができた。
これならサーヤも喜んでくれるだろうと満足げに眺めていると矢が目標に刺さった。がおかしい。4つの魔力反応のうち一つはダイヤモンド本人のものなはずにもかかわらず4本全部命中した。
えっ?ダイヤモンドに矢が刺さった?いやそんなはずはない。だってあのダイヤモンドだぞ?あんなBランクの冒険者でも避けられるような矢から逃げられないはずはない。でも4本しっかり刺さっているし...ゲンマは少し焦って、魔力感知をもう一度使った。しかしさっきの4つ以外ダイヤモンドらしき魔力は感知できない。
1つずつ確認しに行くと多分制限時間を超える...!!それが狙いか。あのレベルの技なら食らっても少し痛いくらいで済む。その状態で動かなければ俺が1つ1つ確認しなければならない。しかし制限時間内に全て確認するのは無理だ。確認できて2つか。50%、ダイヤモンドは普通に俺から逃げるのは難しいと考え、50%に賭けることにしたのだ。
「ダイヤモンド...そこまで俺に勝ちたいのか」
とりあえず早く確認しに行かないと50%どころではなくなるので矢のあるところへ急ぐことにした。
一つ目の矢、俺は雷矢を特に理由もなく選んだ。しかしそこには何もなかった。
2つ目の矢、光矢を選んだ。理由は光矢が1番ダメージが少ないからだ。しかしそこにはダイヤモンドの姿はなかった。
次の矢に向かおうとしたところでダイヤモンドから念話が届いた。
(ゲンマ様、タイムアップです)
(...あぁそうだな、じゃあ最初に場所に集合だ)
(わかりました)
ダイヤモンドに集合場所を伝え、念話を切った。
「ん〜くやしい!!」
久しぶりに負けを味わったゲンマは悔しさを胸に秘めて、サーヤを迎えに行くことにした。




