【番外編】ファルナの日常
「あぁゲンマの奴元気にしてるかな。久々に遊びたいなー」
「そんなこと言ってまた怪我させるんじゃないのか?」
「怪我するのはあいつが修行不足なだけで私には関係ない。遺伝子的には大差ないんだからあいつが効率よく力をつけられていないだけだ」
「それでも弟君とは年の差もあるだろう?それに君の魔力保有量は生まれつきのものだけじゃないだろ」
「...なんだよやけにゲンマを庇うじゃねーか。もしかして浮気か?」
「浮気って..俺にそっち系の趣味はないから安心しろよ。まぁたとえあったとしてもお前以外を愛せるとは思えないがな」
「おー私愛されてるー!一途だね」
「まぁな、それよりそろそろできるぞ」
「もうできるのか?やっぱ優秀だな。いやーお前のおかげでだいぶ楽ができるよ。やっぱ回復魔法使いながら戦うのはしんどいからな」
「そもそも回復魔法使いながら戦闘を行なっている時点でおかしいけどな。どうやってんだよそれ」
「んーこれは内緒!まだ誰にも教えてない技だからな。知りたきゃ自分で理論を考えな。ちなみにこの技を見て生きているのはお前だけだぞ」
「それは光栄だな。でも理論を考えるのはやめておくよ。どうせ君も感覚でやっているだけで正しい理論なんて知らないんだろ?」
「よくわかってんじゃん!なんか戦闘と回復を同時にやりたいなぁって思って色々試していたら偶然できたからその時の感覚に頼ってやってるだけ」
「これが才能ってやつかね。才能のない俺には絶対にできないやり方だ」
「才能なんて言葉で片付けるのはやめてくれよ。私だってこれを生み出すためにかなりの努力をしたんだぜ?」
「具体的にはどれくらいの期間努力したんだい?」
「うーん確か1年半くらいかな。最初の1年で偶然一回できて、後の半年で反復練習って感じ!」
「人類が魔法を使うようになって1000年ほどの歴史で、誰もが諦めた戦闘と回復の両立を1年半努力したくらいでできるようになったんだからそれは才能じゃないのかい?」
「みんな気合が足らないんだよ。たぶん私ほど戦闘で努力した奴なんていないぜ?今考えるとあの1年半は今までで1番過酷だったな。寝てる時と飯食ってる時以外は全部戦闘の時間だったからな」
「まぁ確かにファルナほど戦闘に時間を費やしている人なんていないだろうね。だいたい戦うって行為には危険が伴うから、1年半もそれを続けられる精神力が備わっている人なんてファルナ以外は想像できないよ」
「精神力..なんだやっぱり気合が足らないだけじゃないか。みんなだらしないなぁ」
「みんながだらしないんじゃなくて君が戦闘に関して勤勉すぎるんだよ。それよりフルポーションが完成したぞ!」
「おぉさんきゅ!じゃ出発するか」
「おいおいもう出発するのか?俺も少し休憩したいんだが」
「何言ってんだ?今休憩してたじゃん」
「ポーション使っているのが休憩に含まれるのか!?」
「戦っていないときは全て休憩に含まれるからな」
「労働環境が過酷すぎる...まぁいいや、行くなら急ごうぜ。あいつもいつまでも待ってくれるわけでもないしな」
「おぉ珍しくやる気出してるじゃん!前線でもやるか?」
「やらねーよ!ファルナじゃないんだから前線なんかやったら数秒で死ぬわ」
「はっ!たまには俺が守るから下がってろ、くらい言ってみ?」
「ファルナ!俺を守るために前線で頑張ってくれ」
「もはやプライドの欠片もなくなってるじゃねーか」
「プライド?なんだそれ?ファルナに出会った瞬間にそんなもの跡形もなく砕け散ったわ!」
「はぁー張り合いがなくてつまんねーな。お前も私と対等には戦えないってことか」
「ファルナと張り合える奴がこの世にいるとは思わないけどな。弟君でギリギリ遊び相手くらいだろ?」
「んーまぁそうだな。だけどゲンマの周りは粒ぞろいだからパーティ組ませて戦わせれば少しはいい勝負になるかもな...くくっ、今度やってみるか」
こうしてゲンマの知らないところで戦いの予約が決定した。




