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リコのほっぺはプニプニです

翌朝、俺は部屋の中に人の気配を感じ取って目が覚めた。

目を開けるとそこにはリコのほっぺはをいじっているフラーレンがいた。


「あっゲンマさんおはようっす!みてくださいリコちゃんのほっぺプニプニですよ」


朝からテンション高い。そしてなんかすごい楽しそうだった。


「おはよう、いじってもいいけど気をつけろよ。そいつ気に入らなと指折ってくるぞ」


少し脅しておく。いや脅しではない事実だ。実際に俺が経験している。


「そんな凶暴なんすか..気をつけて触るっす」


触るのはやめないのね。まぁいいけど俺には何も被害ないし。


「そうか、じゃ起こさないようにだけ気をつけてくれ。起きて飯がない時のそいつの機嫌の悪さは手が付けられないからな」


「了解っす」


時計を見るとまだ7時前だ。久々の早起きである。


「俺ちょっと散歩してくるわ」


そうフラーレンに言い、着替えを持って脱衣所に向かった。服を着替え出かけようとドアノブを握ったところで起きてきたダイヤモンドが声をかけてきた。


「おはようございますゲンマ様。お出かけですか?」


「おはよう、久々に早起きしたからな。ちょっと散歩してくる」


「そうですか。帰ってくるまでに朝食を用意しておきます。パンでいいですか?」


「あぁ、よろしく。じゃ行ってくる」


「いってらっしゃいませ」


ドアを開けると少し強めの風が吹く。この時期なので朝の気温はそれなりに寒い。しかし朝日が気持ちよく街を照らしていた。俺は久々の散歩を楽しみに足を踏み出した。


散歩を始めてしばらくして街のメイン通りを歩いていると向こうからティアが歩いてくることに気が付いた。ティアはまだ俺に気づいていなさそうだ。絡まれて嫌味を言われるのも面倒なので左に曲がり路地に入る 。路地に入るとすぐそこの壁にティアが寄りかかっていた。魔法を使って移動したみたいだ。てゆうか気づかれてたのか。心の中で逃げなければよかったと後悔する。しかし表情はいつものまま話しかける。


「おはようティア。君も散歩かい?早起きなんだね。俺もいつもこのくらいの時間に起きられるといいんだけど睡魔には勝てないんだよね。今日はたまたま早起きできてさ。でも早起きしてティアに会えるなら明日からも頑張って起きてみようかな...」


「あらゲンマ、別に無理しなくてもいいのよ?あたしのこと避けようと進路を変えて路地に入ったところならちゃんと見ていたわ」


かなり怒っていらっしゃる。そしてそれ以上何も言わずに元の道に戻っていった。


「失敗したな。次会うときがめんどくさそうだ..」


ティアの後ろ姿を見つめながらそう呟いたところで後ろから声が聞こえた。


「あっゲンマ様!おはようございます」


パン屋でバイトしているルビーだった。


「おう、ルビーおはよう。こんな朝早くからバイトか。今日のクエスト大丈夫か?」


「はい、昨日たっぷり寝たので元気満タンです。バイトも9時には終わるのでクエストに支障ありません」


「そうか、わかった。まぁ今日はフラーレンの実力確認のためにAランククエストにするつもりだからルビーからしたら退屈かもな」


「いえいえ、まだSランクになりたてのわたしはAランククエストでも気が抜けませんよ」


そう言って照れ笑いしていた。

バイトの邪魔するのも悪いのでこの辺で雑談を切り上げ、家に帰ることにした。

ルビーのエプロン姿が見れたので散歩してよかった。俺はルビーのエプロン姿を脳裏に焼き付けながら帰路に着いた。


家に着くとテーブルの上には朝食が用意されていた。キッチンからダイヤモンドが顔を出し、リコとフラーレンを起こしてきてほしいと頼まれたので部屋に向かう。

まずフラーレンの部屋に行き、ノックした。

コンコン!


「フラーレン!朝食ができたぞ」


返事がない...まさかまだリコのほっぺをいじっているのか..ありえる。そしてリコのいる自分の部屋に向かった。

ドアを開けるとリコに抱きついて寝ているフラーレンの姿があった。なんかすごい幸せそうに寝ている。でも呼んでこいって言われたし..よし起こそう。

まずリコに声をかける。


「おーいリコ、飯ができたぞー」


声をかけた途端目が開いた。


「ごはん!!」


そしてフラーレンの拘束から逃げ出し、そのままリビングに向かった。

ちょろい奴め。あとはフラーレンだが..普通に声をかける。


「おい、フラーレン起きろー飯だぞ」


するとフラーレンが寝ぼけて抱きついてきた。

俺は少し慌てた必至にフラーレンを起こした。


「待て待て!寝ぼけてるんじゃない。俺だ!起きろ!」


俺の必死さが通じたのかフラーレンが起きた。


「あっゲンマさんおはようっす」


「えーと..まず離してもらっていい?」


なんとかフラーレンの抱きつきから解放された俺は朝食ができていることを伝えたい。するとフラーレンはベッドから飛び降り、俺の手を引っ張ってリビングへ向かった。


リビングに着くとすでにダイヤモンドが用意を終えて、席についていた。リコは食べ始めていた。

フラーレンはダイヤモンド手作りの朝食に目をキラキラさせていた。

あまりゆっくりしていると全てリコに食べられそうだったので


「俺たちもいただくとするか」


と言って近くにあるパンから食べ始めた。

寝起きだというのにかなり元気なフラーレンはリコに劣らないスピードで食事を始めた。

食事が終わるとダイヤモンドがコーヒーを持ってきてくれた。フラーレンは食べる速度は早かったが食べる量は少なかった。と言っても普通の女の子より少し多いくらいだ。

コーヒーを飲みながらフラーレンに今日のクエストのことを話す。


「今日のクエストはフラーレンの実力がどの程度か確認するだけだからAランククエストにしようと思ってる」


「ふえ〜実力確認でAランクっすか。ハードっすね」


「基本はSSランクだからな。Aランクくらいは簡単にこなしてもらわないとこの後ついていけないぞ?」


「皆さんの足を引っ張らないように頑張るっす!」


「よし、じゃ10時ギルド集合だからそれまで各自準備しといてくれ」


そう伝えるとリコ以外は自分の準備に取り掛かった。

リコはまだ食事が足りないようで俺に食べ物をねだってきたのでその辺にあるパンを1本丸々与えておいた。

そして俺も自分の準備に取り掛かった。



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