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リコの初陣

ギルドを出てみんなに考えていたことを話す。


「今回のクエスト隣国ってことで日帰りが無理だったら向こうで1泊するつもりなんだがみんな大丈夫か?」


そう聞くとみんな問題ないということでクエストが長引いた場合は向こうで1泊することになった。

そして移動について確認を取った。


「ここから隣国まで走っていくが疲れた場合は声をかけてくれ。そこで休憩をとることにするから。ダイヤモンドと俺は平気だろうがルビーとサファイアは無理すると討伐に響くからな」


みんながうなずいたので今度はリコに話しかける。


「リコ、お前はどうする?走れるか?無理そうなら俺の背中乗っていれば楽だぞ」


リコは俺の言葉を聞いて首を横にする。


「のるひつようない」


そう言って顔をそらした。


「よしじゃリコも走れるみたいだからそろそろ出発するか」


みんなに出発の合図を送った瞬間大きな魔力を感知した。俺とダイヤモンドはほぼ同時に戦闘態勢に入った。少し遅れてルビーが、それよりも少し遅れてサファイアも戦闘態勢に入った。そして周りを見渡していると突然どこから発光し、眩しすぎて目を閉じた。


目を開けると見覚えのないところにいた。他のみんなにも若干の動揺が見られる。そしてしばらくみんな周りの状況を確認していた。そして近くを通りかかった冒険者にここがどこか聞くと俺たちがクエストで訪れるはずだった隣国の街だった。そしてサファイアが何かに気づいたようだったので聞いてみた。


「サファイアなんか分かったのか?」


「昨日自分同じような体験してるんですよね...」


その言葉を聞いた瞬間にみんなリコのほうに目線を移した。


「おいリコ、もしかしてお前俺たちのために転移魔法使ってくれた?」


するとリコの無表情な顔が若干得意げに変わり頷いた。

リコが頷くとルビーがリコに抱き着いた。


「ありがとう、リコちゃん」


まあ走るとかなりの距離あるからなルビーが喜ぶ理由もわかるがそれにしてもルビーはリコのこと大好きすぎじゃない?ちなみにサファイアもガッツポーズをしていた。

状況が整理できたところで早速ドラゴン討伐に向かうことにした。


「よしそろそろ討伐に行くぞ、わかっていると思うが気を抜くなよ」


そう警告するとみんなの顔が引き締まった。それを確認して俺達はドラゴンの住み着いた山に向かった。


山につくとすぐにドラゴンを発見できた。しかし様子がおかしい。通常ドラゴンは宝を守っているため決まったところからあまり動かない。このドラゴンは何の目的もなさそうにふらふらとあたりを散策している。今までこんなドラゴンは見たことがない。このことをみんなに伝えて十分に気を付けるように言ってからそれぞれ戦闘準備を始めた。


俺の合図でまずルビーとダイヤモンドが戦闘を開始した。そしてすぐに俺とサファイアが二人のフォローについた。ドラゴンも俺たちに気づいて反撃に出てきた。

しばらくダイヤモンドとルビーに任せているとダイヤモンドがちらちらと俺のほうを見ている。俺も少し違和感があったのでサファイアとダイヤモンドを一回スイッチ、違和感の正体を直接聞くことにした。


「ゲンマ様、あれはドラゴンではないみたいです。確かにベースはドラゴンなんですが、たぶんアンデットの部類です。物理攻撃がまったく効きません」


「あーこの違和感はアンデットだからか、あれだけ二人の攻撃を食らって消耗している様子がないから変だと思った。しかし厄介だなあのサイズでアンデット属性だと俺たちのパーティは物理攻撃メインだからきついな」


そう俺たちのパーティは全員が物理攻撃をメインとしているためアンデットに効果的な魔法は持ってはいるがあくまでサポート程度しかできない。つまり魔法は火力が足りない。


「少しずつ削っていくしかないな。魔法だとダイヤモンドよりルビーのほうが火力あるよな?」


「はいルビーはゲンマ様と同じくらいの火力が出ます」


「よし、ルビーと俺で少しずつ削っていくか。ダイヤモンドとサファイアで前衛を頼む」


「わかりました。ルビーと代わってサファイアに伝えます」


そう言ってダイヤモンドはルビーとスイッチをしに行った。

ダイヤモンドと代わって後衛に来たルビーにさっき立てた作戦を伝えすぐに実行する。すると魔法攻撃は確かに効くみたいでドラゴンゾンビが苦しそうな悲鳴を上げている。


「よしルビーこのまま押し切るぞ」


「はい」


そうして二人で魔法を打ち続けること10分なぜかドラゴンゾンビは消滅しない。そしてサファイアがきつそうだった。

何か策を考えなければと思っているといきなり服の袖を引っ張られた。振り返るとそこにはリコがいて何か言いたそうにしている。


「すまんリコ今少し忙しいんだ。後にしてくれ」


そう言って戦闘に戻る。するとリコが小さな声で


「じどうかいふく」


と言った。自動回復?もしそれが本当ならちまちまと攻撃していてもドラゴンゾンビが消滅する前にこっちの魔力が尽きてしまう。しかし隣国のパーティが討伐できない理由がわかった。このドラゴンを一発で消滅させられる魔法を使える奴ならSSSランクの魔法攻撃を主体で戦闘する魔術師しかいない。しかしそんな魔術師が隣国にいるなんてことはうわさすら聞いたことがない。なるほどこれはうちのギルドに依頼がくるのも納得である。しかし今はそんなことはどうでもいい。そろそろサファイアが涙目になっているためケリをつけないといけない。そのためにはパーティの魔法の火力を上げなければならない。そこで


「おいリコ、お前魔法攻撃はできるのか?」


「うん」


「じゃ俺が合図を出したらあのドラゴンに全力で魔法攻撃をしてくれ」


「わかった」


「おいルビーお前も一緒に頼む」


「わかりました」


「ダイヤモンド!合図をしたらサファイアと一緒に離脱してくれ。俺たちが三人で全力火力でケリをつける」


「わかりました」


そして三人で詠唱を始めた。


「火の聖霊よ、我が魔力を糧としあらゆるものを燃やし尽くす炎を授けたまえ。フレイムストリーム」

「水の聖霊よ、我が魔力を糧としあらゆるものを流しつくす激流を授けたまえ。アクアニードル」

「...............」


三人で魔法を放つ瞬間ダイヤモンドに合図を送る。二人が離脱してすぐ三人の最大火力の魔法がドラゴンゾンビに襲い掛かる。しかしおかしい、1人無詠唱で魔法を放ったやつがいる上にそいつの雷魔法だけ威力が桁違いだった。そのおかげもあってドラゴンゾンビは無事に討伐できた。

ドラゴンゾンビを倒し終わってすぐにルビーがリコに飛びついた。


「リコちゃん!!さっきの何ですか?無詠唱であの火力ってどうゆうことですか?」


リコはルビーに抱えられて質問攻めにあっていたが嫌そうではなかったためしばらく放置することにした。

とりあえず無事に討伐ができたことをほっとしているとダイヤモンドとサファイアが戻ってきた。


「ちょっとゲンマさん!何ですかあの威力は!?ダイヤモンド様が言ってくれなかったら自分も巻き添え食らってましたよ」


サファイアは怒っていた。


「あぁすまんリコの魔法の威力が予想外だった。あいつの魔法だけでも十分倒せるレベルだったな」


「そうですね。あの威力は姉上様と同等かそれ以上ですね。魔法の才能だけで言えば今まで見てきた中で一番です」


ダイヤモンドはリコのことをしっかり評価しているようだった。

ともかく討伐が終わったので俺たちは街に戻ることにした。


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