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断罪塔の裁きの章  娼館崩壊

ドルルルル・・・・!! 林の中でセラのガトリンクバックラーが火を噴いていた。 リリアとリィナに両側から挟まれながら進んでいると、3人のことを知らない男たちに絡まれたのだ。


邪魔だから退く様に言っても聞かないので、目の前の木々を木っ端微塵にしてその実力を見せていた。


「同じ目に遭いたくないなら、早くあっちへいって」


「ひ、ひぃっ!」


我先に逃げ出す男たち、邪魔者がいなくなったので再び歩き出そうとするセラをリリアが止めた。


「ねえ、セラ。 あの人たちが前から私達みたいに女の人を狙っていたなら、アジトに被害に遭った娘たちも居るんじゃないかな?」


「そうかも、折角だし後をつけてみようか?」


まさか3人の死神に尾行されているとも知らず、男たちは隠れアジトに着くとこれまでに連れ去っていた若い娘を牢から引きずり出した。


「くそっ! 今日は厄日だぜ、新しい女を加えるチャンスかと思ったのにあのガキ共とんだバケモノじゃねえか!? 無駄足踏んだ分まで、お前らがきちんと奉仕するんだぞ。 手を抜いたら、飯抜きだからな」


「お願いです、私達を家に帰してください!」


「俺達がお前らの身体に飽きたら離してやっても良いぞ、だがその前に娼館に売り払っちまうから家に帰れるのはいつになる事やら・・・ヒヒヒ」


下種な笑い声を上げる男、その後頭部にコツンと何かが当たった。 男が振り返ると、そこには先ほどの3人組がいつの間にか立っていた。


「彼女達はわたしが連れて行くわ、あなた達は大人しく彼女達を閉じ込めていた牢に入りなさい」


被害女性達をアジトの外に出すと、ケガの治療や家の場所の聞き取りをリリアとリィナに任せセラは男たちの尋問に取り掛かった。




「さて私がこれからする質問に正直に答えないと、どうなるか分かるわよね?」


普段見せない感情の篭っていない目で男たちに告げる、必死に首を振る男たちの隣では全身蜂の巣となった仲間の哀れな姿があった。


「あなた達が連れ去った娘たちを売り払っていた娼館の場所と、主の名前を教えなさい」


「そ、それはっ!?」


言えば自分達の命が狙われる、その恐怖で男たちは答えるのをためらった。


「そう、残念だわ」


セラはガトリンクガンの引き金を静かに引き、また1人蜂の巣となってこの世を去る。


「あ、悪魔だ! この女、人の顔をした悪魔に違いない」


「誰が悪魔よ、若い娘を連れ去りあまつさえ娼館に売り払うあなた達の方がよっぽど悪魔じゃない。 もう1度聞くわよ、娼館の場所と主の名前を答えなさい」


男たちは観念して娼館の場所と主の名前をセラに答えた。


「ありがとう、協力に感謝するわ」


セラはそう言うと、ガトリンクガンを男たちに向けた。


「ま、待ってくれ! 命ばか


ドルルルル・・・・!!


男の命乞いはガトリンクガンの音でかき消され、撃ち終えたセラが去ると闇と静寂がアジトを支配するのだった。


「安心して、もうあなた達の様な犠牲者は2度と現れない。 近くの町まで送り届けてあげるから、ここであった出来事は忘れて幸せになるのよ」


微笑みながら言うセラに被害女性の1人が、こう尋ねてきた。


「私達を連れ去った男たちは?」


「あの世に送ったわよ」


軽く答えるセラ、質問してきた女性の隣の娘がショックで気を失い倒れる。


「あの人たちは殺されるだけの事をしたのですか?」


犯罪者とはいえ、命を奪ったことを責めてきたのでセラはこう言って反論した。


「あなた達が自分の価値をどう判断しているかなんて関係ないわ、彼らはあなた達だけでなく他にも多くの女性のささやかな幸福な時間と未来を奪った。 奪った人生の代償として、自らの命で償うのは当然のことよ」


「でもっ!?」


「それとも無理やり奉仕させられている内に、つまらない情でも湧いたの? 自分に酔うのは構わないけど、他の娘達も同じ気持ちだとは思わないことね」


パァーン! 思わずセラの頬を平手打ちしてしまった女性は、その場に座り込んでしまった。 じっと手のひらを見つめる女性の肩にリリアが手を乗せた。


「今は心の整理がつかないかもしれません。 けれどいずれ、セラがしたことを受け入れられる日が来るはずです。 必ず幸せをつかんでくださいね」


近くの町に立ち寄り衛兵に事の経緯を説明して女性達を託したセラ達は、男たちから聞き出した娼館に向けて歩き出した。




数日後とある娼館が何者かの襲撃を受ける、しかしその際に娼婦として働かされていた女性達が誘拐の被害者だったことが判明。 そして館の主と使用人たちは崩れ去った屋敷と運命を共にしていたのだった・・・。


遠くで炎に包まれる屋敷を見ながら、セラは怒りを抑えるのに必死だった。 隣にいるリリアとリィナはショックで言葉が出ない。


救出した娼婦の中にリィナの知っている女性が居た、その女性とは全神教の地下総本部への入り口を守るシスターだったのだ!


そしてシスターの口から総本部の現在の状況と総大主教の本当の姿を聞かされた3人は、この娼館の本当の持ち主が総大主教だという証拠も館の中で見つけていた。


「ニナリスさんがリィナ達を連れてきたのは、総大主教の正体に気付いていたからだろうね」


「はい、きっとそうでしょう。 あの時のニナリス様の言葉の意味がようやく分かりました」


「リィナ以外の7人に廃教を勧めていたのも、これが原因だったのね」


次の目的地が決まった、全神教の総本部だ。 男性信者や幹部の中には、この悪行を知らない者も居るかもしれない。 しかしこの行為に加担していた者や張本人である総大主教のヴィクトルには、相応の報いを与えなければならない。


娼館崩壊から数週間後に湖畔沿いで全神教所属の魔装兵団に、セラ達はたった3人で挑む事となった。しかしこの時の戦闘がのちに【3女神の蹂躙】と呼ばれる一方的なものになるとは誰も予想していなかった。

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