第1章 宣言
個人的に国を作っていたので、その国の歴史を戦記としてみようと始めました。
国名も完全オリジナルで架空ので国名、人物が多く出る予定です。
では本編をどうぞ。
あれは今から23年前だったかな…『プヴァンドール連邦共和国』を抜けて新しい国をみんなで建国しようって言ってたのは…
そう思っているとラジオからある声が流れてきた。
「本日EK218年12月30日は建国記念日(独立記念日)です。23年前彼らがいなかったらこの美しい国はなかったのです。彼らに敬意を!! 公爵に敬意を!!」
本当のことを言うとまだ建国して1年しかたっていない。しかし彼らは『23年前』といっている。それでは『23年前の今日』一体何があったというのか…
EK195年12月21日
「もうやってられん!!なぜじゃ!!なぜわしらが採った金塊を政府の連中に無償で渡さなければならんのじゃ!!」
一人の老人が町の広場で騒いでいた。
「おい!!憲兵のやつらに聞かれるとえらいことになるぞ!!」
そして一人の若者が老人をなだめていた。
「あんたなんもわかっちゃいない!!わしらが懸命に見つけたものを無償で奪っていくんじゃぞ!!泥棒と同じじゃ!!そのくせ税金は馬鹿みたいに高い!!これでどう生活すればいいのじゃ!!」
さっきの声とは比べ物にならない大きさで怒鳴り散らした。
そう今から23年前この地域は高税金で食料も無駄にできず、生活が困難であった。しかもデモも抗議もできない。独裁国家の中で彼らは暮らしていた。というよりも生かされていた。
「おい!誰だ!!王の侮辱をするものは!!」
いかにも軍隊上がりの憲兵が声を荒げ近づいてくる。
「この老いぼれか!!貴様は王に何を命令するか!!重い処罰を与えんとな」
憲兵らは老人を引きずり去っていってしまった。
なにをするわけでもなく、ただ1つの愚痴をこぼすことも許されない。
そんな国家捨ててやる。潰してやる。そんな思いが日に日に増していった。
EK195年12月26日
私の家に一通の手紙が届いた。検閲があるので変な手紙はないがこの手紙は違った。
検閲を通さず自らの手で届けた手紙だ。
『EK195年12月30日、我々はある決断を下す。この会議に出たものは生きて帰れると思うな。しかしこれに勝利すれば、我々は明るい未来を手に入れることができる。子供にも孫にもだ。返答は返さなくていい。当日来てくれればいいのだ。25番地の屋敷で会おう』
こう記された手紙だった。
この怪しい手紙は自分だけだろうか… いやそんなことないか。今回ばかりは失敗はできない。当日まで息をひそめておこう。
EK195年12月29日
今日も空は穏やかだ。しかし地上は悲惨な光景だ。今日も憲兵に引きずられ拷問される人がいるはずだ。
しかし市場には活気があった。数年ぶりの賑わいだった。広場には子供たちが集まって遊んでいた。数日前までは誰も遊んでいなかったのに。そしてラジオを置いてあった。この頃のラジオは高額で購入すら難しいといわれていた品物だ。
なぜだか今日は気分がいい。
「やっとあの連中から解放されたわい。しかしまぁ奴らも手をひかないのぉ。いつの日か覚えておくのじゃぞわしらがその気になれば奴らは敵じゃないわい」
あの老人も帰ってきていた。あの人は一体何者なのだろう。
EK195年12月30日
日もすっかり陰ってしまいあたりは真っ暗な中、私は『25番地』へと向かった。
道中に市場の店主ともあった。店主もその手紙が送られてきたらしい。
屋敷の中には顔を見たことがある人々が集まっていた。もちろんあの老人も。
「ようこそ。私の屋敷へ。さぁみなさん入ってください。」
そこには見たことない顔の青年が立っていた。
「私の名はヴァステニア・ポーレです。気軽にポーレと呼んでください。」
この方がのちの公爵となる人だ。
中に入ると驚くことがあった。そこにはあの軍人上がりぽい憲兵が立っていた。
「よお。兄ちゃん。今日はそんなビビらなくてもいいぜ。気軽にやってこうぜ」
驚くどころか恐怖しかなかったことは覚えている。
「では早速会議を始めよう。会議といってももう議題は決まっているし、結論も決まっている。」
「私はこの地域を一つの国にする。もちろん奴らを潰してだ。」
会場に緊張感が漂った。そこには憲兵もいるのにそんなことをと思う人も少なくなかった。
「そして皆に謝罪しなければならないことがある。そこに立っている憲兵は私のボディーガードだ。憲兵ではない。ここ数年手荒なことをしてすまなかった。これもすべてこのために行っていたことだ。すまない」
老人があることを話し出した。
「この前の連行はこの会議の説明をするためにわしを引きずったんよな?それは良いが今後はどうするつもりで?」
たしかにその通りだ。演技といってもこれでやめたら怪しまれる。
「引き続き演技は続行する。しかし彼らも我々の仲間だ。外身だけ手荒にするがその後のケアはしっかり行う。」
返答も早く彼は一同に頭を下げた。
「こんな無謀なものに勝手に巻き込んでしまい済まない。納得いかないようであれば私を本国まで連行するがいい。そうでない者たちよ。これから数年ともに戦おう」
会場は歓声で包まれた。もちろん反対するものはなく。皆で独立を願った。
まだ戦記とは言えないものですが、近いころに戦記としての作品が投稿される予定です。