第4話
第4話
噴水があった広場から少し歩いた石畳の道を、1人の少女が文句を言いながら、別の少女と歩いていた。
「何よあの男!」
赤髪を滑らかに揺らぎながら近くの壁に怒りをぶつけていた。
「まぁ、落ち着いてレミス」
「エミリアは嫌だったでしょ!? あんな男に触られて!」
目を赤く輝かせながら同意を求めてエミリアに話していた。
「…………えっと……」
エミリアはレミスからの視線を逸らして、少し赤くなって、自分の手を後ろで組んでいた。
「まさかエミリア…………」
「ち、違うよレミス! わ、私はただ、どこか懐かしい感じがしただけで!」
レミスがエミリアの目を覗き込む様に見ると、エミリアは少し後ろに下がって、前に手を出してブンブン振っていた。
「………ふ〜ん、エミリアがねぇ〜」
「だ、だから違うよ!」
「エミリアもいよいよ女の子になったんだねぇ〜」
「………………っぅ!」
レミスがニヤニヤしながら、不敵な笑みを浮かべて、目を背けていたエミリアの目を見つめて、笑いをこらえながらエミリアに話していると、エミリアはプシュゥと頭から煙を出し、壁に頭を何度もぶつけていた。
「それにしてもさっきの人、何かエミリアを知ってそうな感じを出してたけど、何か知ってる?」
「うーん、どこかで会った記憶が無いような、あるような」
首を傾げながらレミスが不思議そうな顔をして、エミリアに話しかけて、エミリアは手を組んで、顎の下に手を当てて唸りながら考えていた。
「まぁ、もう一度会うことなんてないと思うけど」
「……………うぅ」
「何〜? やっぱりあの変態の事気になってるの、エミリア〜?」
「少し気になるだけだから!あと、へ、変態じゃないと思うよ! 」
レミスはどこか誇らしげに言いながらエミリアに飛びつくと、エミリアは頬を赤く染めて抱きついているレミスを離して否定していた。
「それより着いたよ!」
エミリアがローブを風に流しながら、後ろにいるレミスに見せていた。
レンガでできている壁の周りを、沢山の花や草が生えている地面に沿って、魔術の刻印が付いている鉄格子に守られている大きな学校がそこにはあった。
「はぁ、今日からまた魔術特訓ね!」
「お手柔らかにお願いします」
ため息を吐きながら、エミリアに言うと、エミリアは苦笑しながらレミスに頭を下げていた。
この、魔術学校のミストラルでは、クラスの人と2人組になりお互いを信じ会うようにペアを作るようになっている。
魔術のペアは重要で、1人の魔術師が魔力が切れた際に手助けや、代わりに戦う様になっており、このペアを組む様になってから、死亡者や、事故で怪我する魔術師は少なくなっていた。
これを考えたのが、この学校の最高責任者のルイスである。
「今日はどんな授業になるのかな?」
「レミスは本当に魔術の事を学ぶの好きだよね」
レンガでできている壁に囲まれて、大理石の床をゆっくりと2人は話しながら歩いていた。
「だって魔術なんて素晴らしい物を学ばないのなんて損でしょ!」
「もう1つ理由があるもんね〜」
エミリアは思い出した様に、レミスの事を見ながら、嫌味を言う様に言った。
「そ、それは………」
「なんだっけな〜 あ! アレだよね〜」
「ちょ、言わないでよ!」
「アレだよね。レミスは昔、歳上の男の魔術師の人に助けられたあと………」
エミリアは朝の恨みを晴らす様に、レミスに向かって人差し指を出しながら、ゆっくりと話していくと、レミスが急に真っ赤になり、話しているエミリアの口を押さえて睨んでいた。
「エミリア? それ以上言ったらわかってるよね?」
「こ、ごめんってレミス! そ、そんな怖い顔しないで!」
レミスはふんっと言って、腕を組みながら、そっぽを向いてしまった。
魔術学校の二年三組の教室。手前には黒板が並んでおり、それを囲む様にテーブルが置いてある。
そこに座っている生徒20人全員が、目を疑う様に黒板に立っている人に注目していた。
「えっと、みんなも知っているが今日は新しい先生が来る」
「ちょ、ちょと待ってください!」
礼儀正しく座っていたレミスが、黒板の前に立っている少女に手を上げて質問をしていた。
「どうした、レミス・クレアディア?」
「どうしたじゃなく、なんでアルスの称号を持っている学校長がここに!」
「別にいいだろ?」
「いや、いつもなら学校長がどこかの学年に顔を向けることが無いから不思議に思って」
ルイスに視線を向けられて、レミスはすぐさま本能的に視線を逸らして、首を横に振りながら言っていた。
「あぁ、あいつは私のお墨付きだからな」
「アルス様のお墨付き!?」
ルイスが誇らしげに言うと、クラスの全員が驚いた表情をして、騒がしくなっていた。
「ねぇ、エミリア!」
「どうしたの!? そんなに興奮して!」
「えっ!? だって、あのルイス様のお墨付きの先生とか、確実にすごい人でしょ?」
レミスは少年の様に目をキラキラと輝かせて、エミリアの前にあるテーブルを思いっきり叩きながら、エミリアに叫んでいた。
教室の扉が少し開いて、何か話し声が聞こえると、レミスは一度頷いて、教卓をバンッと叩いて、クラスの全員に向かって言った。
「では、新たな担任の先生を紹介する!」
「「「……………………」」」
誰もがレミスの言葉を聞き逃さまいと、耳を傾けて、教室が静寂になっていた。
「イラ・レイストフィールだ!」
レイスが扉に向かって手を向けると、教室の扉がガラッと荒々しい音を立てて開いた。扉が開くと、靴の底を擦る音が聞こえて来ると、黒髮、黒目の若い男性が堂々と教室に入ってきた。
その男を見てクラスのほとんどが驚いていた。それも多種多様な理由で。
ある少年は若いのに大丈夫なのかと疑問を抱いたり。
ある少女は意外に若くタイプかもしれないと言って、他の少女達と奇声をあげていたりしていた。
クラスの中で人一番驚いている者が3人いた。
エミリア、レミス、アルスの3人だ。
「あ、あんた!? エミリアを襲った奴!?」
「お前! 今朝あったエミリアの隣にいたモブか!」
「誰がモブだぁぁぁぁ!」
レミスが驚き、人差し指をアルスに向けると、アルスも同じ様に人指しを向けて、お互いを睨み合っていた。
「それよりなんで、今朝の痴漢魔が担任の教師なの!?」
「俺だって知りたいわ! なんで暴力を振って来るお前なんかを! エミリアだけなら良かったのに!」
バチバチと視線の先で2人は火花を散らしあっていた。
「まぁ、2人とも落ち着いて」
今にも殺し合いが始まりそうな雰囲気の中で、ルイスが2人の間に入って、止めようとしていた。
「ルイス! なんで、こんな奴が教室に!?」
「ルイス様! なんで、こんな変態が担任に!?」
ルイスはそれを見るなり、なぜかニヤニヤし出して、一瞬でどこかに消えてしまった。
その後、エミリアに止められ、2人は渋々黙り込んで、アルスは教卓の前に立ってクラスのみんなを見て言った。
「えっと、今日から担任になる、イラ・レイストフィールだ! 魔術は中の下ぐらいだが、頑張って行くのでよろしくな!」
それを聞いたクラスのレミス以外の人は、盛大に拍手をして歓迎を受け入れていた。
「…………レイストフィール?」
レイスは首を傾げて、どこか不思議そうにアルスを見ていた。
アルスは愉快にクラスのみんなと話をしていき、中良さげに盛り上がっている時もあった。
「ねぇエミリア。あんな変態に魔術なんてできるのかしらね〜」
「もう、レミスは。変態じゃないってイラ先生も言ってるのに」
「へっ! どうせ変態しか特技がない変態鬼畜野郎よ!」
レミスはエミリアとは反対にいる、アルスに向かってわざとらしく叫びながら、睨んでいた。
「おいそこの! エミリアの隣にいる赤髪の奴!」
アルスは嫌そうな顔をして、レミスを指差しながら言った。
「何よ変態教師!」
「今から、お前に良いものを見してやるよ!」
アルスはレミスに向かって、不敵な笑みを浮かべていた。
読んでくださりありがとうございますm(__)m
今回も文字数が少ないですが、ちょと、最後の当たり読みづらくなってるかもしれません。
読みづらくなっていたら申し訳ありません。
次はいつ更新できるかわかりませんが、なるべく早めにしたいと思います。
では、第5話でまた会いましょう!




