DDD。
おはようございます! ほしのななかです。
今ちょっと忙しく、(><)編集が難航しております。
なるべく早く上げたいと思いますので、もう少しお待ちください!
\(//∇//)\それでは、化け物クリエイターズ最新話をどうぞ!
(この物語はフィクションです。実在の事例、国、人物と、この物語は関係ありません)
【2033年、イバラキ。言霊みれい】
「その手をどけろ! このゴミクズが」
フォーチュンが喚き緋色の太い腕を振り払う。
「悪いなおっさん。妻の棺を乱暴に扱うから、つい強く握っちゃったな」
「……ひ、ひいろぉぉぉ!!」
私は緋色に懇願した。彼に願い、訴えた!
「そいつが! そいつが! そいつが奈久留を!」
緋色はフォーチュンの腕を取り、しみじみとその黒い仮面を見下ろす。フォーチュンの手を握り、強く言葉を残した。
「おっさんが、奈久留に『アレ』を食わせてくれた人なのか?」
答えなんて聞かなかった。緋色は残された1本だけの腕でフォーチュンの顔面を地面へ強く叩きつける。仮面の下の顔がひしゃげてフォーチュンは蛙のように鳴いた。
「1つだけ言っておく」
緋色の溜めに溜めた言葉だった。
「次、」
その目だけは笑顔を表していた。
「俺の前に顔を出したら、その頭蓋、……木端微塵にしてやる。絶対にな」
誰も正視できないその笑みに、フォーチュンは全てを放りだし逃げ帰った。『フォーチュン配下』の連中を追うチカラは『化けクリ』の誰にも残っていなかった。剛おじさんも、市原家の財産も取り返すことは出来なかった。私達が守れたのはたった1つ、奈久留だけだった。
「……緋色」
やっと出てきた言葉がソレだった。涙がこぼれて仕方なかった。
「待たせすぎだよ。本当に、……待たせすぎ」
私の言葉に緋色はこの頭を撫で応えてくれた。
「ごめんな。……創は?」
震えるこの言葉をゆっくりと聴いてくれた。頭1つ分高い場所から私の全てを包んでくれる。
「分からない。たぶんあいつに、ごめん! ごめん緋色! 私が居たのに、創たちを!!」
緋色は私の言葉を否定しないでくれた。泣きじゃくる言葉を全て、緋色は認めてくれた。
「みんな、みんな殺されちゃった! 緋色! 私どうしたら! いったいどうしたら!!」
この肩を抱いて緋色は私へ言った。
「とりあえず」
緋色は飽きることなく頭を撫でてくれる。ゆっくり、時間をかけて慈しんでくれた。
「とりあえず、飯。それからだよ。みれい」
※※※
焼き払われた野、広がる陽の光を前に皆へ緋色を紹介した。私の幼馴染なんだ! って。
「私の、私の!」
楽々に、タタミに、キメラのみんなに腕を広げて言い募る。私の自慢の!
「ヒーローなんだよ!」
って。
楽々とタタミは嬉しそうに頷いてくれる。
緋色は2人に言った。急遽焚いた焚火の前、持参したお米で作った雑炊を飯盒からよそり、その1本の腕で皆に振舞った。
楽々とタタミ、特にタタミが緋色の言葉に目を輝かせている。
「どんな時も、」
緋色があの高い星空を指さす。
「どんな事でも、」
手を、その片方だけの腕をこの世界へ大きく開く。
「どんと来い!」
最後はその厚い胸板を叩いて言った。
「剛おじさん、創のお父さんが教えてくれた言葉なんだ! 世界は、この『DDD』でだいたいどうにかなる! って」
緋色の大仰なボディランゲージを見て、タタミは絵本を読む子供のようにその目を煌めかせていた。
「……DDD。すごいね。ステキだね」
反芻し、何故だろうタタミは独り嬉しそうに笑っていた。緋色から受け取ったお米を大事そうに頬張って、幼い誰よりも可愛い笑顔で。
ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます!
次回、化け物クリエイターズ「泉緋色」でまたお会いしましょう!