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俺が兄であることに不服か?  作者: Fukuju
第壱章 SPRING -春編-
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第四話 部活動?映研復活プロジェクト!! ①


『音、大丈夫か?痛く無いか?』


『ちょっと痛いけど‥兄にだから我慢する‥‥』


身動き一つ出来ないほどに二人は密着していた。そう、相手の鼓動が聞こえるほど近くに‥‥


*****


事の発端は八時間前、昼休み。


『なぁ、仁』


朝日と机をくっつけ二人で昼食をとっていた。突然、朝日は昼休みに一緒に買ってきた焼きそばパンを片手に持ったまま、食べずに真剣な顔でこちらを見ていた。


あの、三度の飯より焼きそばパンが好きな朝日が!!


『俺、焼きそばパン嫌いじゃないけど、

そんなに好きでもないんだけど‥』


顔は笑っているが明らかに朝日は困っていた。まぁ、その顔が見たくてやったと言えば嘘ではないが。


『まぁ、いいから。本題は何だ?』


『あぁ、そうだった』


-忘れてたのかよ!- とツッコミたいのは我慢して。


『俺さぁ、やっぱりもう一度映研部 始めたいと思ってんだよなー』


『映研かぁ‥』


-映研は俺と朝日が去年、そう一年生の時に入っていた部活だ。

映研は映画研究部の略で、活動内容は大体は映画観たり、お菓子食ったりなど、他の高校は知らないが、俺たちの映研はほぼぐーたら部だった。

前は、映画を撮ってたりしたみたいだけど。

その映研も、去年の時点で三年生四人と一年生二人、合わせて六人。


だが、二年生が居なかったせいで、今年は俺と朝日の二人しかおらず、五人以上居ないと部活動として活動出来ないため、無念の廃部になったのだ-


『でも、先週の部活勧誘の時に、めんどくさいから入部者募集しなくてもいいって言ったの朝日じゃなかったっけ?』


言われたくなかったのか、朝日は机に顔を沈ませてしまった。


『ま、まあそうなんだけど。やっぱり映研良かったなって思うんだよな〜。』


顔を沈めたまま顔を窓の方に向け、何故か遠い空を見つめながらまともな事を言う朝日に少し仁は驚いていた。


”いつもアホな事を言っているあの! 朝日が!!” と。


『それに、最近暇だしな』


『それが、本音かよ!』


だが、仁自身もあの映研部の雰囲気は嫌いではなかった。

何気ない事で先輩達と笑いあい、

ふざけあったりするのはやっぱりいいものなのだ。

仁は話しを進めた。


『じゃあ、放課後にでも部員募集してみるか!』


窓際を見ていた朝日は立ち上がり、こちらに振り返った。


『おう!映研部!必ず再建してみせるぜ!!』


相当やる気があるのか、朝日は握りこぶしを作り頭上に高く手を上げていた。


-お前もやれ-


と言わんばかりに目で合図を送ってくる朝日に仁も仕方なく頭上に手を上げた。


『よーし!頑張るぞ!!』


『朝日、頑張るのはいいんだが‥もうすぐ昼休み終わるぞ』


昼食の途中だったことを思い出し、時計を見ると昼休み、残り二分前。

朝日は買ってきたパンに一つも手をつけておらず、焼きそばパンやコロッケパン、たまごパンなど、計六種類のパンが手付かずで机の上に残っていた。


その後。

フードバトル顔負けの白熱な朝日とパンとの戦いが行われ、たかだか二分間の闘いだったが、教室中が盛り上がったのは言うまでもない‥‥



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