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プロローグ
始めまして。
初投稿です。拙い文ですが読んでくださると、とても嬉しいです。
それでは、よろしくお願いします。
雨が降っていたような気がする。
音もないような静かな街を白く煙らせて。私はそれを、ただ眺めてた。
雨を遮る傘はなかったから、私はずぶ濡れだったと思う。でも、別にそれで構わないなんて思ってた。
「もう行こう。ここには何もない」
誰かが私の横で言って、手を差し出す。
私は差し出された手を取った。
受け取った手は異様に熱くて。その時やっと私は私が冷え切っていたことに気付いた。
でも、その手が誰のものだったのか。
私はまだ、思い出せないでいる。
あるいは、思い出したくないのかも、それすらもわからない。