イチャつきと目撃
「やっと1時間目終わったな」
道隆が伸びをしながら俺に話しかけた。
「このまま何事もなく今日も終わればいいけどな」
俺には少しいやな予感がたぎっていた。
彫霧が授業中にトイレに行ったこと。
それに何かがあるのではないかと思っていた。
単に行きたかっただけということならいいのだが。
険しい表情で彫霧とは特に親しくない。
それどころか喋ったことすらない。
多分考えすぎなのだろうと自分に言い聞かせて気にしないことにした。
「次の授業は?」
俺は次の時間の教科を聞いた。
「数学」
別の所を見ながら道隆は答えた。
その視線は転校生の、氷未の席にあった。
そこを見ると氷未と彫霧が会話…というよりは一方的に氷未が話している光景があった。
「彫霧のやつ。転校生とイチャイチャしやがって!」
道隆が言葉の割にあまり怒っていないような声で言った。
「…メガネちゃんが見てるぞー」
俺は冗談混じりにからかいの言葉を言った。
「マジで!?どこ?」
道隆が教室の入り口付近を見ると本当にメガネちゃんが立っていてこちらを見ていた。
「本当に見てた!」
「まじかよ!?」
冗談のつもりで言ったため、当然驚いた。
「ちょっと話してくる」
道隆はそう言ってメガネちゃんの方へと向かっていった。
少しして険しい表情で道隆が来た。
そして周りに聞こえないような小さな声で話し出した。
「能力者同士が今、図書室で戦ってるのを見たって!どうする?」
それを聞き俺は止めに行くことを選んだ。
「間に合わないかもしれないけど急ごう!」
そう言って俺と道隆は人塚に腹が痛いから授業に遅れると先生に伝えておいてと頼み、入り口でメガネちゃんと合流して図書室へ向かった。




