人盛り
「じゃあ、あそこの、彫霧の席の隣に座ってくれ」
そう言って先生はくだらなそうに見ている男、彫霧の席を指差してからその隣へ指を動かした。
氷未はそこへ移動をした。
彫霧の席は窓際で一番後ろの席から右に一つずれた所であるため、席は一番の特等席ということになる。
移動し終わって座ると朝のホームルームが始まった。
今日の予定についてや通学に自転車を使ってる奴らに対するマナーの注意だとかそんな話をして終わった。
「あれが美少女転校生って奴か」
道隆が明らかにハイテンションで俺に話しかけてきた。
「お前。本命が変わったのか?」
「違う!俺の本命はメガネちゃんだけだ!」
周りに聞かれると恥ずかしいのかそこだけ小声で言った。
「そうかい。・・・・・1時間目って何だっけ?」
「物理だぜ。ってんなことより見ろよ。もう氷未さんの席の周りに人盛りが出来てるぜ」
道隆にそういわれ物理の準備をしながらそれを見てみた。
そこには不良系の男子3人くらいが回りに集まっている光景だった。
それだけならよかったがその後に全員で連絡先を聞こうとしていた。
それに対して転校生は困ったような表情でえっと・・・とおどおどしていた。
「ちょっとあれを止めに行ってこようぜ」
道隆の意見に了承して立ち上がりそこへ向かおうとする。
だがそれよりも先に彫霧がくだらなそうな顔で口を挟んだ。
「うるさいんだが」
その言葉にカチンときたのかその中の一人が反論を始める。
「俺達が何しようが勝手だろが!口挟むんじゃねえ!」
「こっちに迷惑がかかってる。やるなら離れたところでやってくれ」
それを受けてテンションが下がったのか3人はそれぞれの席へと戻っていった。
「俺達が行くまでもなかったな」
「だな」




