転校生
朝練も終わったので俺は教室へと向かった。
着くとまだ半分くらいしか来ていないようだった。
まだ朝のホームルームまで10分くらいあるためこのくらいかと納得した。
その中に器穂の姿はなかった。
俺は自分の机に向かった。
その途中に友達に挨拶がわりに声をかけられそれを手短に返す。
「よう。道尾」
俺の斜め後ろの席にいる道隆にも声を掛けられる。
それにも手短に「よう」返して自分の席に座った。
「なぁなぁ道尾」
道隆が少し上機嫌で話しかけてきた。
「今日このクラスに転校生来るらしいぜ!しかも女の子!」
「浮気か?メガネちゃんに怒られるぞ」
俺は呆れ気味にそう返した。
「何だそうなんだよ!」
「でも何でだ?」
「さぁ?」
そんな会話をしているうちに器穂が教室に入ってきた。
器穂も友達と軽い挨拶をしながら自分の席に座った。
そして段々、人が集まってきて朝のホームルーム開始のチャイムが鳴った。
それと同時に担任の先生も入ってきた。
「席つけー。えー、今日からこのクラスに入ることになる転校生を紹介する」
ドアの外に向かってクイクイとこっちに来いと指で送る、まるで絵に描いたかのようなきれいな顔立ちお嬢様のような女の子が入ってきた。
ウェーブのかかった黒髪は歩くごとにきれいに揺れてクラスのほとんどの男子は釘付けになった。
そうならなかったのは俺と人塚とあと一人くらいだった。
そいつはなんだかくだらなそうに転校生を見ていた。
「どうも皆さん、ごきげんよう。今日からこのクラスで勉学を共にさせていただきます。氷未由紀です。よろしくお願いいたします」




