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目覚めて
目を覚ますと俺は保健室にいた。
そして器穂が涙を浮かべながら俺を見ていた。
「道尾!」
器穂がすごく震えた声で俺に話しかける。
「ずっと・・・・・目が覚めないから心配したんだよ?」
器穂の目からぽろぽろと涙が落ちてきた。
俺はそっと起き上がってその泣いている器穂の頭を撫でた。
「ごめんな。あんなこと言っちゃって」
「私も・・・ごめん。迷惑かけちゃった・・・よね?」
そしてしばらくすると器穂から質問された。
「・・・・・何があったの?」
その質問に対する答えが見つからなかった。
器穂に本当のことを教えたらどうなるかがわからない。
「別に、何でもない」
長い沈黙の後器穂が口を開いた。
「・・・・・今日一緒に帰ろ。一人じゃ心配だから」
俺はうなずいてそれを承諾した。




