甘い奴とリアリスト
道隆は当然助ける道を選んだ。
「水弾!水弾!水弾!」
何回か水弾を発射してようやく消化することが出来た。
「あ…りが…と………」
朱牧は感謝の気持ちを述べながら気絶した。
能力による気絶か安堵による気絶かはよく分からなかった。
「しかしお前もなかなかの策を思いつくんだな。あらかじめ燃えやすい何かを服に染み込ませておいて電撃で 着火させるとは」
もちろん道隆は意図して着火させたわけではない。
アルコールまみれにしていたことを忘れていただけである。
「何で助けなかった?」
怒りが混じった口調で問いかける。
「逆に聞くぞ。助ける必要は?」
「仲間なんだろ?助けて当然だろ!」
「?、お前は何を言っている」
玄堂はクスりと笑いながら告げる。
「仲間でもなんでもないんだが?」
「ふざけんな!」
「ふざけてるのはどっちだ。第一あいつも実際は仲間となんて思ってなかっただろう?それに俺はリアリストだからな」
道隆はさっきの白波に発した朱牧の台詞を思い出す。
そして黙り込む。
「お前は甘すぎるんだ。結果的に気絶はしたかもしもしていなかったらお前は不利になっていたぞ」
確かに玄堂の言うとおりだった。
道隆は優しすぎる。
もしも人塚と戦ったとき見逃してといわれていたら見逃していただろう。
「確かに・・・・・そうかもしれない」
道隆はうつむき答える。
「だけど!助けを求めてるやつを見殺しになんて俺には出来ない!」
そして顔を上げる。
「お前、優しい奴なんだな」
玄堂が真顔で告げる。
「甘いだけさ。実際一人能力者を倒してる」
それを聞き玄堂が笑いだす。
「何がおかしいんだ?」
「お前面白いやつなんだな。そんなお前と真剣勝負がしてみたくなった。受けてくれるか?」
「・・・もちろんだ」
そして二人の真剣勝負が始まった。




