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弁当をもらうことがこれほど大変だったとは
「お!道尾! 何買ってきたんだ?」
「いやー……それが……何も買えなかった」
それ以外何も言えなかった。
購買であった事実をそのまま話してしまうと俺の命が危ういからだ。
「何があったんだよ」
「頼むから何も聞かないでくれ……」
「……わかった。 もう何も聞かねぇよ。それで日立はどうしたんだ?」
「それも聞かないでくれ……」
道隆は首を傾げたがまぁいいかと言う。
「道尾 お前今日飯どうすんの?」
俺は道隆に向かって両手を合わせて頭を下げて言った。
「頼む!飯を分けてくれ!」
「……別にいいけどあんまりあげられないぜ?」
「……メガネちゃんは?」
「教室に行って友達と飯食うって」
「はぁ……器穂からもらってくるよ。もう目が覚めたかわかんないけど」
「ついでに仲直りもしてこい」
「おう!」
そう言って俺は保健室へ向かった。
心臓をバクバクに鳴らしながら。




