購買
「あー!疲れた!」
俺はその場に座り込んだ。
「だらしねぇな。道尾。」
道隆がため息混じりに言う。
「うるせぇよ!戦ってねぇくせに!」
「いやいや。俺は女には手を出さない主義の人だから。相手が男だったら戦ってたよ。」
「そのメガネの子に一目惚れしたとかじゃねぇの?」
「なっ・・・!」
道隆の顔が真っ赤に染まる。
「べべ・・・別にそんなんじゃねぇよ!」
「あれ?図星だった?」
「ちげぇよ!」
道隆はそっぽを向いた。
「そういやそのメガネの子の名前は?」
「私の名前は眼沼鏡子。」
へぇーと思いながら俺は辺りを見回す。
「・・・あれ日立がいない。」
「その日立って人なら購買に猛ダッシュで行った。多分昼ごはんを買いに行ったんだと思う。」
・・・しまった、と俺は思った。
今日は弁当じゃなくて親に何か買って食べてと言われていたのであった。
「おい!道隆!昼飯買いに行くぞ!」
いつも道隆は購買で何かを買って食べている。
だが
「悪い道尾!俺今日は弁当なんだ!争奪戦には1人で行ってくれ。」
争奪戦とはこの高校の購買の商品を取り合うものである。
それも話し合いではなく力尽くでの争奪戦だ。
毎日これによりけが人が10数人ほど出ている。
いつも購買の前まで道隆と一緒に行って道隆が争奪戦に参加している間その光景を眺めているがとても凄まじいものである。
道隆は背が低いのでかかんで下を少しづつ進めばいいが俺にはそれはできない。
だがこの近くにコンビニやレストランはないので購買に行くしかない。
「道隆!飯先に食っててくれ!俺は争奪戦に行ってくる。」
「おけ!ここで食ってるから。あとものさし持ってくんなら持ってってはいいけど能力は使うなよ。」
「りょーかいだ!」
俺は購買へと走り始めた。




