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FLY  作者: 鳴海 葵
29/29

#Here we go again

 あ、俺、天使。

 ここは、俺のお気に入りの場所。

 一番高い木のテッペンで残業の仕上げ中。


「これで、終了……っと」


 送信すると、あっという間に返信が来る。


『記憶の消去完了しました』


 結局サービス残業だったなぁ。

 色々あったけど、まあ、いっか。

 ああ、来た来た、みなさんお揃いで。


「陽子ちゃん、久しぶり」


 生まれたばかりの彼女には、俺が見えるんだな、こっち向いて笑ってる。

 この特別の場所、教えてくれたの俺だけかと思ったら、アイツもここに来たことあったんじゃん。

 つまんねぇの。


「すごい……きれい。こんな場所、あったのね」

「ヨーコの父親が亡くなったあと、一度だけ、一緒に来たことがあるんだ。たぶん、ヨーコ、ここに来たかったんじゃないかな。ヨーコが倒れてた電車、この町に向かってたからさ」


 サトルの手の中にあるのは、ヨーコの灰。

 ここに撒いてやんのか。

 たぶん、ヨーコが知ったら、喜ぶだろうな。


「だけどさぁ、ヨーコの側に誰かいたんだよ、なんかさぁ…そんな感じじゃなかったっけ?」


 あれ?

 阿呆なダイスケの記憶、消し忘れたっけ?


「それがさ、ネコ」

「ネコ?」


 情けない顔したサトルに、ヤスコとダイスケは目を丸くして聞いてる。


「俺も、てっきり誰かいるんだと思って家に行ったんだ。けど、そこに居たのは、かわいいネコが一匹。俺、ネコに負けたんだぜ?」


 マジで? って叫んでダイスケもヤスコも大笑いしてる。

 そう、この先俺ができないことは、オマエにまかせたぜ、サトル。

 ふうん、人間もまんざら悪くないかもな。

 転属願いでも出してみっか。


『回収命令』


 再び届くメール。

 さぁてと、名誉挽回といきますか。


「次は、どいつだ?」






= F i n =



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