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空っぽの箱じゃなかった

作者: 菜の花
掲載日:2026/04/17


空っぽの箱だ


中も見ずにそう決めつけたのは

大切なものが

ぎゅっと詰め込まれていると

到底思えなかったからだ


何もないのに

意味を為さないのに

海を入れられるんじゃないかって

冗談言ってみたくなるくらい

大きな空き箱だった


僕はそれに

要らないと言った

意味がないと言った

どうでもいいと言った

そうして

ゴミ箱に放り込んだ


でも

なくなった途端

僕の足元の草花だけが枯れて

僕の夜だけが明けなくなって

星ひとつ見えないほど

僕の世界だけ厚い雲に覆われた


重さのない箱

空っぽだと思っていた箱に

そんなにも大切なものが

詰まっていたなんて

知らなかった


知らなかったんだ


空っぽだったのは

きっと

勝手に決めつけた僕

僕の方だった


次に見つけた箱は

たとえどんなに小さくても

埃のように軽くても

捨てようとはしない


中も見ずに

これは空っぽだなんて

決めつけたりなんかしない


次は覗いてみよう

少しだけ

埃一つしか入らないような

細い細い隙間から

そっと覗いてみよう

ご覧いただきありがとうございました。


軽い箱に入っていたのはなんだろう。


誰かに届きますように。

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