1-2-1 introduction 邂逅
入学式が終わり疲れからか朝陽は家に帰るなり疲れからかベットに横たわった。時間は14時15分。
過去とは違う記憶、明らかに改変されている。
ここが自分の地元の愛知県東部の都市ということもわかるし中1の時に戻ってきたのはわかる。
だが、過去では2011年は俺が中学2年生だった時だ。
1年のズレもおかしい。
意識が徐々に吸い込まれるように溶けていった。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
意識を取り戻すと見たことない空間にいた。
どこかノスタルジックな洋館を感じさせながらも全体的に明るい館の中だった。目の前には純白の扉があった。体は動くし意識もはっきりしている。
「明晰夢か?それにしてもここはどこなんだ?夢なんだしドアを開けてみるか」
ドアを開けて進むとそこは白い部屋だった。
一面の白、だが白い部屋の奥にピンクのゲーミングチェアにこれまた、ピンクを貴重にしたディスプレイとキーボードが置かれたピンクのデスクが置いてあるゲーミングチェアの上に1人の銀髪碧眼ロングヘアで20代ぐらいの女性が俺に気づいたのか微笑みながら「こっちにこい」と手招きをしてくる。
俺は戸惑いながらもミステリアス銀髪ウーマン問いかけた。
「なんですか?これ?もしかして夢ですか?」
「夢?という言うと少し違いますね。簡単に言うとこの世界は魂が集まる世界なんですよ。私は生者と死者の魂をあるべき場所や求められた場所へ導くものです」
「じゃあなたは女神様みたいなものです?つまり死んだ俺の魂を過去に送ったのは俺の魂が過去に必要という解釈でよろしいんで?」
女性は微笑みながら頷く。そして俺の右手を微笑みながら手に取り全身を舐め回すように見つめる。
「伊那朝陽、貴方は過去に行ったわけではありません。貴方が知る過去によく似た並行世界です。あなたを元の世界でやり直せさせたいと思いますが、変数の発生によって難しくなってしまったのであなたの過去の記憶と経験、体力を引き継がせた上で変数を少し加えてこの並行世界に転移させたのです」
「……つまり、俺は“やり直し”を与えられたってことか。変数の意味は知らないが……その理由、全部ここで取り返す。それでいいんだな、女神様?」
「つまり、俺は転生したってことなのか女神様?
変数が何か知らないけど、この世界でリベンジしろってことだな?」
俺がそう問うと、銀髪の女性は小さく首を振った。
「女神……ふふ。そんな大層なものではありませんよ。あなたから見れば、そういう存在かもしれませんが」
彼女は優雅に椅子から立ち上がった。ゲーミンクチェアがおもむろに傾く。
長い銀髪が空気を払って揺れ、窓から照らされた太陽の光で淡い光をまとったように見える。まるで本当の女神のようだ。
「名前くらいは、名乗っておきましょうか。ここでは……“セラ”と呼ばれています」
「セラ……?」
「はい。覚えやすいでしょう?」
柔らかい笑み。しかし、奥底に何か温度のない影が見え隠れする。ぞくり、と背筋が震えた。彼女のオーラは全てを包み込む優しいものが感じれたのに何か恐ろしいものを隠しているものを感じた。
「さて、話を戻しますね。先程も申しましたがあなたがいた世界は“元の世界”。今の世界は“限りなく似ているけれど、同じではない並行世界”です」
「似てるけど違う……だから一年ズレてるのか?」
「ええ。あなたが経験した“本来の時間線”には存在しない分岐がいくつもある。その一つが、あなたの魂の転移を可能にした……“変数”。」
“変数”。
さっきも彼女が言っていた単語だ。恐らく俺が並行世界に迷い込んだキーワードなのか?
「変数ってなんなんだよ。俺が知っておいた方がいいのか?」
セラは俺の目を覗き込むように近づき、そっと指を唇に当てた。
「今はまだ必要ありませんよ。知るべき時が来れば、嫌でも分かります」
その立ち姿は優しげなのに、どこか“底なし”だ。
俺は息をのみ、慎重に言葉を選んだ。
「じゃあ……俺は何をすればいいんだ?」
「何も難しいことはありません。あなたの“望み”を叶えるために、この世界は調整されました。あなたはあなたのまま、生き直せばいいのです。
復讐でも、恋でも、友情でも、青春を謳歌するのでも……選ぶのはあなたです」
セラは俺の胸に手を当てた。
軽く触れただけなのに、心臓が跳ねる。
「ただし――」
瞬間、空気が変わった。
さっきまでの優しげな空気が、一枚ベールを剥がしたように消える。
「あなたの行動は、この世界の“均衡”に干渉します。
良い方向にも、悪い方向にも。あなたは特別な魂を持っている……だからこそ、世界が反応するのです」
「……世界が反応?」
俺の一挙手一投足で世界が変わるのかそらおそろしい。これからは慎重に行動しないとな。
「そう。あなたが何かを変えれば、何かが揺らぐ。
それは“過去を知っているあなた”だけが持つ力。
けれど――力には対価が必要です」
「その力ってセラさん、貴女が俺にくれた力のことか?もしかして力を使いすぎると死ぬとか?」
セラは微笑みながら指先で俺の頬をなぞる。その仕草は優しく、しかしどこか捕食者のようでもあった。
「ええ……。でも、死ぬ訳ではありません。いずれ、私にあなたの“力を貸して”もらいます。私が差し出した力の分だけ、ね。それが対価です……」
言っている内容は物騒だが、声は甘い。まるで“本音を隠しているような微笑”だった。この女神はただの優しいだけの女神様じゃないようだ。
「……力を貸すって、何を?」
「さぁ。今はまだ秘密です」
再び柔らかい笑みを浮かべると、セラは白い部屋の奥を指差した。
「そろそろ戻りましょう。あなたの世界で、あなたを待つ人がいますから」
視界が白く染まり、足元が崩れるような感覚が広がる。気づけばセラの声だけが、耳の奥に落ちていった。
「夢だったのか?」
時計を見ると14時45分。30分だけ昼寝をしていたようだった。しかし、顔や手にはあの”セラ”を名乗る女性の感触の名残があった。
せっかくのタイムリープはどうやら定められた”転生”だったみたいだ。
でも、前の世界に比べれば恵まれている。
「夢だったのか?」
時計を見ると14時45分。どうやら30分だけ昼寝をしていたようだった。
しかし、顔や手にはあの“セラ”を名乗る女性の感触の名残があった。
せっかくのタイムリープは──どうやら定められた“転生”だったみたいだ。
でも、前の世界に比べれば、今の俺は圧倒的に恵まれている。
♪♪♪♪
その瞬間、枕元のスマホが突然震え、軽快な女性ボーカルの
“流行りの異能アニメOP”が部屋いっぱいに流れだした。
「……うおっ、びっくりした……!」
夢の余韻を、一撃で持っていく現実の通知音。
「夢だったのか?」
時計を見ると14時45分。どうやら30分だけ昼寝をしていたようだった。
しかし、顔や手にはあの“セラ”を名乗る女性の感触の名残があった。
せっかくのタイムリープは──どうやら定められた“転生”だったみたいだ。
でも、前の世界に比べれば、今の俺は圧倒的に恵まれている。
♪ ♪──テーテーテーテー!
その瞬間、枕元のスマホが突然震え、軽快な女性ボーカルの“流行りの異能アニメOP”が部屋いっぱいに流れだした。
「……うおっ、びっくりした……!ん?スマホ?」
夢の余韻を、一撃で持っていく現実の通知音。
俺は半眼のままスマホを手に取り、画面を確認した。着信音相手は雫葉だった。
そういえば、この時代の中学生でスマホ持ってるやつなんてほとんどいなかったよな。前の人生じゃガラケーすら持ってなかった俺が、まさか『スマホ持ち組』になるとは思わなかった。そもそも中学でスマホなんて前世で持っている人は誰もいなかった。
一応、電話に出てみることにした。
「あさひー!?今から2人です出かけない?」
不意に幼なじみからデートに誘われてしまった。
更新が遅れてしまいました。色々、溜まっていたので申し訳ありません。




