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1-2 入学初日からダル絡みされたので挨拶した!

「おーい!岩崎くんいる???伊那朝陽が会いに来たよー!」

午前11時 ミサゴ中学 1-D教室 春の日差しが眩しく緊張と楽しさが入り乱れながらも仲良く談笑している空気を俺の一言で一瞬、空気が凍った。

それはそうだ。身長173センチで冴えない陰キャ風の俺が、教室の空気を切り裂く声を出した。

「あ??なんだ朝陽、お前から来たのかよ?お前みたいな躾の悪い犬はちゃんとしつけてやるよ」


相変わらず目つきの悪い目で俺に向かってやってくる。もうホームルームは終わり下校時間だ。ということはつまり、”自由時間(フリータイム)”だ。


♢♢


俺と岩崎は体育館裏にやってきた。他には誰もいない。さっきまで遊んでいた先輩方も居ないようだし保護者の方の目も届かない死角だ。

「朝陽よぉ、小6の時まで俺の飼い犬だったのになにイキってんだよ!お前は俺の飼い犬でいやがれよな、あんまりウザいとリュウシを呼んでまたボコしてやる」


リュウシ?知らない人名がまた出てきた、本当にここは俺の知っている過去なのか?でもそんな名前の奴がいた気がするが中学生の同級生の名前はほとんど忘れている。中身は28歳のアラサーおっさんだから仕方ない。

それに記憶の改変だ。たしかに岩崎には小6の時だけ少し虐められたがその時以外は仲良くしていたし小6以外で同じクラスになった覚えはない。岩崎の言い方だと小6以前から俺を執拗にいじめていたみたいだ。


「岩崎さぁ、何言ってるかわからんけどお前の言いなりにならない、その気もない。俺はただ満喫した中学生活を味わいたい訳?だから邪魔すんなよ」

「うるせえぞこの野郎!!くたばれ!」


岩崎は怒り任せに殴りかかってきた。

その動きは直線的で、力任せ──だが速い。

普通の中学生なら反応すらできず殴られて終わるだろう。だが俺は未来で、何度も経験してきた。

「遅い」


俺は半身をずらし、拳を空振りさせる。

同時に岩崎の右(てのひら)を掴み、腕を曲げて俺は腰を落としお互いの距離が一瞬でゼロになる──そのタイミングを逃さない。


「は……!?」


岩崎の驚愕が声になる前に、小手返しを仕掛けて左アッパーを岩崎の腹に繰り出す。

ドスッ!

鈍い衝撃音が、体育館裏に響いたが新入生の声や保護者たちの賑やかな話し声でかき消される。

拳が岩崎の腹筋を貫く感触。拳から腕へ、腕から肩へ、衝撃が返ってくる。

岩崎の体は地面に伏せ、口から濁った吐息が漏れた。

「ぐ……っ、は、ぁぁ……!」

倒れそうになる身体を、俺はまだ掴んだまま離さない。


「これで分かったか。俺はもう、お前の奴隷じゃない」


岩崎の膝が地面に落ちる。俺は間髪入れず岩橋の腹に膝蹴りを食らわせ岩崎を押し倒し仰向けにして胸ぐらを掴んだ。

岩崎の体は震えている、今にも逃げ出したいと言わんばかりに震えている。さっきまでの威勢はどこにもない。

俺を見る岩崎の目に宿るのは怒りでも憎しみでもなく──初めて見る“恐怖”そのものだった。


「な、なんで……お、お前……こ、こんな力、も、も、持ってんだよ……!」

「お前はもう終わった。分かったなら、黙って失せろ」


王道不良のようなセリフを岩崎に吐き捨て俺はそのまま、教室へ歩き出した。

岩崎は答えられない。ただ、地面を見つめながら、自分の敗北を理解しているようだ。

俺はうずくまる岩崎を放置して教室に戻った。




♢♢

今思い返すと、ちょっと言い過ぎた気もする。あれだ、深夜 アニメの主人公みたいだな。厨二病過ぎて枕に顔をうずめて悶絶るぐらい恥ずかしい。


教室に戻ると数人だけ残っていた。残っていたのは雫葉、玲王、彰といつものメンバーだ。

ホームルームも終わり他のクラスメイトは各々、記念撮影に向かっているようだ。彼らは律儀にも待ってくれたのだ。

「みんな待ってくれたの?ありがとうな!愛してるぜ!」

「お前誰に向かって告白してんだよ!」

玲王は間髪入れずツッコミを入れたので俺は右手でサムズアップをすると玲王は吹き出した。

「相変わらず朝陽は寒い事言うのが好きだなぁ〜なんでD組なんて行ったのん?D組に知り合いなんかいたっけ?」

「ああ、ちょっと俺のファンが俺に用事があるみたいだから付き合ったんだわ」

「入学初日にファンとかずるいぞ朝陽!」

彰がポカポカと横腹をつついてくる。そういうのは雫葉にやられたかったが久しぶりの彰との絡みだ、大切にしないとな。

「ねぇ朝陽.....制服汚れているよ?何かあったんじゃないの?」

俺の学ランを覗き込みさっきの闘いで出来た汚れを雫葉は手で払った。

「ありがとう雫葉、いやファンに呼び出されたのはいいけど道に迷ってコケた時の汚れだから気にしないで〜」

俺は大げさに笑って誤魔化すが雫葉は少し疑っているようだ。洞察力だけは強いからな幼馴染だけあって。


「朝陽〜そろそろ記念撮影行かね?」

「賛成!」


玲王の提案にみんなは乗りおれたちは校門に向かった。



今回は、主人公が「過去との決別」を果たす大きな転機の回でした。

ただの中学生だった頃とは違う――その事実が、初日から形になったと言えるでしょう。


次回は雰囲気が一変し、いよいよ学園生活がスタートします。

クラスの人間関係、初めての自己紹介、そして“この世界の違和感”が静かに顔を見せ始めます。


波乱の予感しかしませんが、どうぞお楽しみに!

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