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プロレス

『さあ! 始まりました! HNW世界王者決定戦ッッ!! 司会はわたくし寒井さむい 城区ジョークと、解説には滑流すべる 虐具ギャグさんをお招きしております!』


「よろしくお願いします」


『おおっと!! このBGMはッッ! 青コーナーより、オーガ•カオス•ンババ選手の入場ダァ!』


「長いので『オカン』と呼びましょう」


『続いて! 赤コーナーから絶対王者! クレイジー•サンダーボルト選手が姿を見せました!! 防衛実に828回!手段を選ばないヒールレスラーです!!』


「長いので、ジーサンと呼びましょう。 凄まじいブーイングですね」


『今回は、制限時間2000文字のデスマッチにてお送りしますッッ!』


「過酷な戦いになりそうです」


『さあ!試合開始のゴングです! おおっと、オカンが早速仕掛けた! これは掟破りのバックドロップ……』


「……に見せかけてバッグからドロップ。関西のおばちゃんのソウルを感じます」


『これにはジーサンもたまらず、ミルクの国を選んだぁ!』


「パイン飴も捨てがたい」


『ここでジーサンが反撃だ! これは非道! 貰った飴を投げ返しています!!』


「それはドロップやない、おはじきや」


『オカンはそれを紙一重で回避ッッ! リアルに苦虫を噛むジーサン!!』


「今、流行りの昆虫食ですね。再生可能エネルギー意識が高い」


『なんと! この、ジーサンの構えはッ?!』


「奥義、ディスティニー(運命の)•エンド(終わり)。エレクトリック•バレットの構えですね。 ガチで銃を向けてます」


『この技で何人もの挑戦者を屠ってきました! 会場のお客さんも阿鼻叫喚の地獄絵図です!』


「さあ、盛り上がってまいりました」


『ああッ! オカンは物怖じせず懐に飛び込んだ! これにはジーサンも反応が出来ないッッ!』


「見事な懐柔ですね。 世のサラリーマンも度肝を抜く手腕です」


『そこに、オカンはジーサンの口に何か詰め込んだ!!』


「餅ですね。もち味の粘り強いプレーが炸裂しました」


『これはッ! ジーサンの顔色が真っ青に! 滑流すべるさん、これはどういうことでしょう?』


「正月ではないのに、餅を食った罪悪感でしょう」


『なるほど! そうこうしているうちに、ジーサンはセルフ延髄斬りで餅を吐き出しました!』


「大技の連発です。流石は王者だけあります」


『怒り狂うジーサン! 「リングのロープに電流をながせ!」と、セコンドに指示を出しています! これは恐ろしい!』


「オカンを掴んで投げましたね。目を覆いたくなります」


『おーっとぉ!! オカンも負けじとジーさんの手をとる! 両者ともに感電ッッ!! 放電音と共に二人が火花を散らす!』


「たった一瞬の、このきらめきを食べ尽くそう二人で くたばるまで」


『ここでレフリーが止めに入りました! ……が!』


「彼も感電しました。美しき友情が花開きます」


『これは、ジーさんのセコンドも電流を切るしかない!』


「ほう、流石はレスラー。二人とも意識がある様ですね」


『まさにリングの修羅! 煙をたてながら取っ組み合います!』


「教室のメダカの水槽に、ザリガニを入れるくらい修羅ってますね」


『ああッと! ここでオカンが反撃! ラリーアット!!』


「……からの、マリーアントアネット。パンを喰らえなかったら、チョークを喰らえばいいじゃない」


『吹っ飛ぶジーサン!! これは勝負が決まったか?!』


「宴もたけなわではございますが」


『オカンがジーサンをフォール!! カウントがッッ!!』


「レフェリーが気絶したままですね。これではカウント出来ません」


『なんてことだッ! これでは試合が終わらないッ!!』


「おやおや、オカンとジーサンが『ハアハア』し始めました。 突然のBL展開に涙が止まらない」


『それでは皆様、これ以上の放送は危険とみなし、打ち切ります』


「ぬふぅ」


『滑流さん、ありがとうございました』


「ありがとうございました。今宵は酒が進みそうです」


  【この番組の提供は】


BIGやってモーター

やっちまったな OSSAN

慢心と楽し竿 SABORU



     が、お送りしました。


            おしまい♡

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