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〇〇くんは聞き間違える

言葉遊び ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎

笑い   ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎

お仕事  ⭐︎

聞き間違い⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎

── ここは××開発株式会社。

 今流行りの電動モビリティを作っている会社で、何処にでもあるブラックとまでは言わないけれど、グレーな感じがする会社です。


 おや?今日も◯◯くんは上司との会話で勘違いをしていますね?


『◯◯、先日、言っていた資料は出来ているか?』


「死霊…… ですって?」


『なんだ、まだなのか? 来襲らいしゅう怪技かいぎで使うから準備しとけよ』


「なんという恐ろしい事を計画してるんですか?!」


『はあ? まあ、十厄じゅうやくが来るから、恐ろしいに違いないが……』


「十厄?!…… いつから我が社はそんな事に」


『いや、魔絵まえの方針説明で言ってただろう?』


「魔絵?」


『おいおい、ちゃんと効いとけよ』


「そんな危険なもの効きたくありませんよ!」


『取り敢えず、死霊は準備しとけよ』


「できないですよ!」


『なら、他の者に短刀刺せるのか?』


「刺せません! なんという事言うんですか?!」


『なら、しっかり殺れ』


「僕に、短刀を刺して死霊を作れと言うのですね」


『……うん? そうだが?』


「ここは日本ですよ!!」


『お前……大丈夫か? 仕方ない、他の者に殺らせよう』


「誰を殺るんですか?」


『そうだな、田中が敵忍てきにんかも知れん』


「そんな…… 田中君が敵忍だなんて」


『何か問題があるのか?』


「田中君は優秀です。裏切る事は無いと思います」


『じゃあ、敵忍じゃないか?』


「敵忍だと何故分かるんですか?」


『日頃の仕事っぷりを見ていたら分かるだろう? 彼は良く殺っている』


「ああ……彼にそんな裏の顔が…… 知りませんでした」


『ん? 表向きも憂愁ゆうしゅうだと思うが』


「え? 彼はいつも明るいですよ?」


『ん? まあいい、田中に短刀刺せるから、私のオフィスに来るよう伝えておいてくれ』


「僕がですか? そんな残酷な事に加担したくありません!」


『大袈裟だな。死霊を作るだけの何が残酷なんだ? 出世のチャンスじゃないか? 死合しあわせな事だと思うが?』


「田中を死合わせにさせませんよ!」


『お前、性格悪かったんだな。もういい、私から伝えるから、お前は犯戦《販売戦略》の部署に回ってくれ』


「ああ、我が社にそんな部署があったんですね。何処と争っているんですか?」


『今回のプロジェクトの相手は、最大手△△開発。今、進めている伝導倍苦デンドウバイクがバッティングしているとの情報だ。だが、我が社のパテントがある限り負けない筈。兵器へいきさ』


「兵器ですか。我が社は、そんな物を扱っていたんですね。僕は電動バイクを作っていると思っていました」


『なにを今さら言ってんだ? いいから早く逝け』


「ああ、この身を(好みを)犠牲にしなければならないなんて……」


『なんだ? やっぱり、この企画部の方が好みなんだろ? なら、怪技死霊かいぎしりょうつくるんだ』


「怪技死霊……おお、死霊は強化、出来るんですね」


『今日か出来るって、やっぱりお前作ってたんだな。ふふ、俺を驚かせようとしてたのか。尾も白いヤツだ』


「そんな事ありませんよ」


『よし、今週末に一度、出来たドキュメント(資料)を魅せてくれ。楽しみにしているぞ?』


「えっ?!、来週の会議の資料はほぼ完成しているので魅せれる様に仕上げます」



 こうして、〇〇くんは上司に好印象を与え、来週の会議に臨んだようです。

 聞き間違いも、たまにはいいかも知れませんね?


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